三橋貴明診断士事務所を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから http://takaaki-mitsuhashi.com/
SPA1月27日号 P96「極寒のソウルで『ウォン崩壊』を実感してきた!」にインタビュー記事が掲載されています。
チャンネル桜 闘論!倒論!討論!2009 日本よ今...『中東問題と世界経済』に出演しています。
AERA 1月26日号 「ミネルバを知っているか」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090119-00000002-aera-int

 英国経済が掛け値なしにピンチです。もちろん、現在は世界の全ての国々が経済危機に直面しており、若干マシかそうでないかの違いでしかないのですが、やはり相対的な危機の高さというのはあるわけで、それは為替レートを見ると一目瞭然になります。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_15.html#GBPUK

 対日本円での主要為替レートを見ると、ここ一年で英国ポンドは42%も価値を下げています。ユーロがまだ30%減に到達しておらず、ドルが17%減ですので、英国ポンドの相対的な危機の深刻さは明らかです。
 為替が四割も下げるということは、一年前にイギリス国内で10,000円で購入できたものが、今や6,000円で済んでしまうということです。この事実を持って、「イギリスよりも日本の方が危機だ!」などと叫べる人は、率直に言って知識水準が小学生低学年以下であると断言できるでしょう。

10-12月の英GDP:1.5%のマイナス成長-リセッション確認
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003009&sid=aZWCZJ4MKmjk&refer=jp_top_world_news
 英政府統計局(ONS)が23日発表した 2008年10-12月(第4四半期)の国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は前期比1.5%減と、1980年以来で最悪のマイナス成長となった。7-9月(第3四半期)に続くマイナス成長で、英経済のリセッション(景気後退)入りが公式に確認された。金融危機が銀行業界への重しとなり、同国の景気は一段と悪化した。
 GDPは前年同期比では1.8%減。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は、前期比1.2%減、前年同期比1.4%減だった。7-9月期は前期比で0.6%減少した。
 統計発表後、ポンドと英株が下落。ブラウン英首相はこの日、「可能なすべての手段を動員して」危機と闘っていると語った。イングランド銀行のキング総裁は今週、景気浮揚に向けた利下げの効力が失われつつあることを受け、銀行資産の買い取りを始める可能性を示唆した。 』

 すでにイギリスはノーザンロックを国有化しましたが、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドやロイズ・バンキングなどの超名門金融グループまでもが国有化される可能性が出てきています。大西洋の向こう側ではリーマンが破綻し、AIGやシティが半国有化され、ビッグスリーなどもまでもがアメリカ政府の資金で何とか生き延びている状態です。
 そういう意味で、世界経済は間違いなく100年に一度の危機に突入しています。
 翻って日本を見ると、生産や小売の指標が悪化し、企業業績の下方修正が相次いでいます。しかし、未だに破綻した大手金融機関は一つもありません。投資家がイギリスやアメリカと比べた場合、この差は決定的なものであり、だからこそ日本円が一方的に騰がっていく状態が続いているのでしょう。
 例えば98年の山一證券が破綻した年は、拓銀や長銀、日債銀など、それまで日本経済の背骨を担っていた金融機関が次々に破綻していきました。さすがにあの時期に比べると、日本の危機が深刻であるとは言い切れないと思います。
 とは言え、世界的な需要縮小期である以上、日本の輸出製造業を中心に景況感の悪化は避けられず、日本経済は早急なパラダイム・シフトを必要としているわけです。
 グローバリズムとか新自由主義とか、財政再建とか、そんな単語はもはやどうでも良いと思います。
 盟主アメリカが、かつての日本を超える護送船団方式で自国の金融機関を守り、バイ・アメリカンに代表される保護主義の動きが立ち上がりGDP比で10%を超えるような財政赤字を是認しようとしているわけです。先日も書いたようにアメリカにとっては「○×主義」などというのは単なるお題目に過ぎず、最終的に自国の国益にさえなれば、手法を限定する気などさらさらないでしょう。
 このアメリカのプラグマティズムは、日本は大いに見習うべきだと思います。特に、世界で最も「グローバリズム」やら「新自由主義」やらを妄信していた、日本の似非経済評論家の皆様は。

 ところで、イギリスといえば一つ大変気になることああります。
 ご存知、金融・不動産サービスを中心に、外資(要は海外からの借金)頼みで成長してたイギリスは、対外債務対GDP比率が極端に高いのです。そこにこのポンド安です。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_15.html#GBPUK

 IMFのストロスカーン専務(この人の言うことは結構当たります。)がイギリスについて、「英国政府がIMFに支援を求めないと、断言することはできない」と発言していましたが、冗談抜きでこのままポンド暴落が続くと、結局はIMF行きになるように思えてなりません。
 日本経済を「JapaIn(ジャペイン)」と蔑んだ、英国エコノミスト誌の感想を伺いたいところです。

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