ビジネスの力 その2 前編  からの続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/23831141.html

来年春に電子新聞創刊の腹を固めた日経新聞
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090130-00000001-facta-bus_all
 日本経済新聞社の喜多恒雄社長が、1月9日に開催された全社部長会で、電子新聞の創刊時期を「2010年春以降を視野に」と初めて示した。「デジタル革命の加速、若者の活字離れ、少子高齢化を考慮すると紙の新聞に依存する現体制ではいずれ限界が来る」と勝負に出る方針を打ち出した。(後略)』

 以前から気になっていたのですが、「活字」って何ですかね。
 狭義には活版印刷の文字のことなので、今はほとんど存在していないでしょう。広義に活字媒体という意味で使うのであれば、わたしがこうして書いているブログを含めたネット上の文字も、活字でしょう。
 ちなみに辞書に登録されているのは、「活版印刷の文字」「紙に印刷された活版印刷式文字」のみで、ネットの活字は入っていません。が、これは単に辞書が追いついていないだけと考えて構わないと思います。日経新聞の記事が、紙面では活字で、ネットに掲載されると活字じゃなくなるんですか。そんなことはないでしょう。
 何か「活字離れ」という言葉には、「新聞が売れないのは、お前ら若者が莫迦になったせいだ」という、単に日本人の紙媒体離れで売れなくなったのを、他人の責任にする姿勢がありありと感じられて、大変不快に思います。
 しかしまあ、現実を認めて本格的にデジタル化に乗り出したのは、いいことです。産経に次いで、二社目になるのでしょうか。
 折角インターネットを活用するのであれば、「双方向性」「ユーザ側からの選択性」「検索性」などのデジタル媒体のメリットをフルに活かしてもらいたいのですが、果たしてどうなるでしょうか。「双方向性(中央日報のように、記事にコメントを付けられるようにするとか)」など認めたら、記者のアイデンティティが崩壊しそうですが、まあこれも時代の流れというものですよ。
 以前から何回も書いていますが、わたしは「本当はヤバイ!韓国経済」を家から一歩も出ずに書きました。新聞も、一行たりとも参考にしたりしませんでした。(新聞を取っていないわけではないですが。)
 メディアの本質が「情報を正確に素早く顧客に届ける」という点にあるとしたら、紙媒体がインターネットに勝てるわけはないのです。おまけにインターネットは情報の集積性でも圧倒的に優れており、わたしは「ヤバ韓」執筆時にその機能をフルに活用させて頂きました。1980年台から最近までの韓国の国際収支のデータなんて、インターネットなしでは簡単に入手することができないでしょう。インターネットなら、五分ですが。

 新聞の状況は中々切迫してきましたが、テレビも相当ですね。

TV局の営業収入、過去最大の6.2%減 09年度、民放連見通し
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D2809G%2028012009&g=S1&d=20090128
 日本民間放送連盟は28日、2009年度の加盟テレビ局の営業収入見通しを明らかにした。08年度比6.2%減の総額2兆982億円になる見通しで、減少幅は過去最大となる。世界景気の低迷で大企業がスポットCMなどを削減するのが響く。民放連は「楽観的な見通し」としており、景気の動向次第でさらに落ち込む可能性もある。
 加盟する地上波テレビ局127社や無料放送のBSテレビ局5社を対象に、08年12月にアンケート調査を実施した。
 集計の結果、09年度の営業収入は前年度比6.2%減と今年度見込みの同5%減よりさらに悪化。07年度から3年連続のマイナス成長となる見通しだ。キー局など東名阪の15局の減少幅は特に大きく、同6.7%減と予測。収益源となるスポット収入は東名阪で同9.5%も落ち込む見通し。 』

 東洋経済1/31特大号「テレビ・新聞陥落!」に日本テレビの氏家取締役会議長の長いインタビューが載っていました。印象的だったのは、以下二点です。

産業界で寡占化が進み、テレビCMを大々的に展開し、シェアを奪おうというモチベーションが働きにくくなってきた。(例:自動車業界で、トヨタに挑戦する企業は存在しない) 結果、CMの価値が下がってきている。
■インターネットはテレビの代替にはなれない。なぜならば、サーバの容量の問題で、数百万人、数千万人に同時にブロードキャストするのは無理だから。

 上の寡占化は賛同しますが、下は微妙です。なぜなら、ライフスタイルの変化により、これからはユーザーがブロードキャストを一斉に視聴するというスタイルが減ってくると思うからです。そもそもインターネットなしでも、HDD付きDVDレコーダーの普及により、テレビを放映時間帯に見るケースは減ってきているのではないでしょうか。わたしなど、すでに録画した番組以外を見ることなど、ほとんどありません。
 上記日経の話とも繋がるのですが、ユーザーのニーズを満たすということであれば、テレビ番組の二次利用を認め、インターネット上でオンデマンドに視聴できるようにした方が良いに決まっています。後は著作権の問題と、視聴時の「縛り」の問題に過ぎないと思うのですが、いかがでしょうか。
 
 最近思っているのですが、日本のマスメディア(要するに新聞とテレビ)の問題とは、日本の社会の問題と直結しています。
 先日の「ボトルネックとバイパス」でも書きましたが、メディアは政府と国民を結ぶ役割を担っているわけです。その「チャネル」が情報を歪めたり、自分の都合の良いようにフィルタリングをかけてしまうと、解決する問題も解決しません。
 別にインターネットの利便性を過信する気はないのですが、「双方向性」「検索性」「選択性」「オープン性」「速報性」「比較性」などは、マス媒体に比べると、ユーザーに圧倒的なベネフィットを提供します。ユーザーにベネフィットがあるということは、要はお金になるということです。
 つまりはビジネスの問題です。
 「新聞の偏向報道は許さない!」と叫んで物事をを変えようというのも一つの手法ですが、ビジネスの面からのアプローチの方がより効果的だと、個人的には思っています。毎日変態新聞こと毎日新聞社が、繰り返し謝罪をさせられたのも、あれは広告主というビジネスの急所を徹底的に攻撃されたからでしょう。
 これも個人的な見解と断っておきますが、「日本経済は破綻する!」キャンペーンも、そろそろ手仕舞いになると思います。なぜならば、経済危機を煽れば煽るほど、企業の宣伝費が縮小し、自分たちの業績が下がっていく現実に「経営者」たちが気がつく頃だからです。一般の記者とかは気づかないかも知れませんが、経営者はそうはいきません。
 最近、ニュー速+で「マスコミ不況」という言葉を目にしました。大変的を射た言葉だと思います。
 この言葉が、日本のマスメディアの見出しを飾る日が、果たして来るでしょうか。

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