三橋貴明診断士事務所を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから http://takaaki-mitsuhashi.com/
SPA1月27日号 P96「極寒のソウルで『ウォン崩壊』を実感してきた!」にインタビュー記事が掲載されています。
チャンネル桜 闘論!倒論!討論!2009 日本よ今...『中東問題と世界経済』に出演しています。
AERA 1月26日号 「ミネルバを知っているか」にインタビュー記事が掲載されています。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090119-00000002-aera-int

 昨年12月17日のプリンティング・マネー ↓の続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/21710299.html

 ついに、最後に一つ残っていた単行本、PHP研究所から発売予定の対談本の原稿を書き終わりましたぁ。12月に一度に三つの企画が通ってしまった時には、
「人間が一ヶ月で三冊の単行本を書き上げることが、果たして物理的に可能なのだろうか」
 などとマジで悩んだものですが、いやあ、成せばなんとかなるものです。もう絶対にやりませんけど。
 今後の予定ですが、本三冊分の手直しや校正作業をやりつつ、新たに「正論」から頂いたお仕事に取り掛かります。(記事寄稿なので、大した分量ではありません。)
 ちなみに正論のテーマは、皆様お待ちかねの韓国経済です。
 
 さて、28日はFOMCでしたが、今後の日本を長期的に占う上で、個人的に最も注目している重大な施策が動き出そうとしています。(動き出してはいません。)それは、FRBによる米国債の買い取りです。

FOMC:実質ゼロ金利を継続、長期国債購入も-リスクはデフレへ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aZxb0wPQ_DUo
 1月28日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は27、28 の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0%-0.25%の範囲に据え置くとともに、声明で「効果的と判断すれば、期間の長い米国債を購入する用意がある」と指摘。景気が予想以上に下振れし、デフレリスクが高まった場合、長期国債の購入に踏み切る姿勢を示唆した。
  声明は「政策における焦点は、公開市場操作やその他FRBのバランスシートを高水準で維持する措置を通じた金融市場の機能支援と景気刺激にある」と指摘。政策金利が事実上ゼロ%に張り付く中で、金融の量的拡大に政策の力点を置く姿勢を示した。 (中略)
 ウィリアム・フォード元アトランタ連銀総裁は、FOMC声明について、「FOMCメンバーはインフレ懸念からデフレ懸念へと転換した。メンバーがデフレをめぐり率直に意見交換したのはこれが初めてだ」と述べた。
        -長期国債購入の狙い
 FRBによる期間の長い国債購入は、バランスシート拡大による各種借り入れコスト低下を目指す戦略をさらに進めることを意味する。米長期国債利回りは住宅ローン金利、社債や地方自治体債の利回りに影響する。
 さらに、金融当局による長期国債の購入は、財政赤字の膨張に直面する連邦政府のファイナンス・コストを低減させる効果も期待できる。メリル・リンチの指数によると、1月の米国債のリターンはマイナス1.6%と、昨年4月以来の最悪となっている。投資家はオバマ政権が推進する大型景気対策をファイナンスするため、国債の供給量が増大することを警戒している。
 ワコビア銀行のチーフエコノミスト、ジョン・シルビア氏は、FRBによる長期国債購入について、「FRBのバランスシートの急拡大は先行きインフレリスクを高めることになる」と警告する。
        -長期国債購入で「出口戦略」を
 カーネギー・メロン大学テッパー・ビジネススクールのマービン・グッドフレンド教授は金融当局による長期国債購入について、「FRBはある種のアコードを獲得し、政府の要求を押し戻す権限をもつ必要がある」と話す。
 FRBは第2次世界大戦の戦費調達支援のため、市場から国債を買い入れ、長期国債利回りを低水準に維持していた。この政策を戦後も継続していたため、景気拡大とともにインフレが高進、FRBは財務省との間でアコード(金融政策と国債管理政策の分離)を締結する。
 グッドフレンド教授はこの過去の経験に倣って、FRBがその政策の信認を高めるためには、今回もある種のアコードという「出口戦略を打ち立てるべきだ」と述べた。 』

 何でアメリカの米国債買い取りに注目しているのかと言えば、もちろん、
「民間の金融資産が余りまくっている日本は、政府が国債を発行しまくり景気を回復し、その後、日銀に国債を買い取らせてしまえ
 という考え方が、必ずしも間違っているとは思っていないからです。ちなみに↑これは、米国債を大増刷し、FRBが国債を買い取ることでファイナンス・コストを下げようとしているアメリカの施策と、基本的には同じなので、「日本にできるわけがない!」なんて全面否定する、妙なダブルスタンダードは止めてくださいね。(日本のマスメディアみたいな)
 無論、日米の条件は違いますが、二十一世紀に中央銀行による国債買取が有効なのかどうか、少なくとも試金石にはなると思うのです。(FRBによる国債買い取りが) 
 日米両国の条件の違いを、以下に列挙します。

■日本政府の債務は対内債務であるのに対し、アメリカ政府は対外債務
■アメリカは基軸通貨国だが、日本は違う
■日本は世界最大の対外純債権国で、アメリカは世界最大の対外純債務国
■日本の債務は政府に集中し、アメリカの債務は民間に集中している
■アメリカの国債発行残高は約5兆ドル、日本の国債発行残高は約738兆円で、国債残高は日本の方が大きい
■ドルは中期的に下落、円は中期的に上昇していく可能性が高い

  リチャード・クー氏は自著で、ハイパーインフレの恐れから、中央銀行による国債買い取りには明確に反対しています。もちろん、氏は国債の増刷自体には、別に反対はしていません。金利ゼロでも誰もお金を借りないような状況で、政府が財政支出を増やさずに一体誰がお金を使うんだ、という考え方で、基本的にはわたしも氏に賛成の立場です。
 今後、アメリカは米国債を湯水のごとく発行し(買い手がいるかどうかは別問題)、同時にFRBが米国債を購入するという綱渡りを演じる可能性が高いです。であれば、いずれにせよ日本円が中期的に上昇していくのは避けられません。円高は避けようのない外部環境として受け入れた上で、冷徹に日本の国益を追求するべきだと思うのです。
 明日は、韓国経済です。

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