三橋貴明診断士事務所を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから http://takaaki-mitsuhashi.com/
SPA2月17日号にインタビュー記事が掲載されています。「今週の無軌道 ロバート・ムガベ」(P5です。)

 Voice3月号に、筆者(紙媒体)初のシミュラフィクション「1ドル70円台の日本経済」が掲載されています。
 http://www.amazon.co.jp/dp/B001QCGI1Q/
 また、本シミュラフィクションをお読み頂いた方は、是非とも以下のPHPのメールアドレスまで、感想を送って下さいますようお願いいたします。
PHP研究所Voice編集部 voice@php.co.jp

 人気ブログランキングを見ていると、面白いことが分かります。当ブログは「ニュース部門」「ニュース>社会・経済部門」でトップを頂戴していますが、当ブログのポイントが減ると、二位以下も同じように減るのです。つまり、当ブログのポイントが落ちたからといって、二位との差が接近するわけではないのです。これはなぜでしょうか、不思議です。
 それはともかく、本日もクリックの方を何卒よろしくお願いいたします。m(_ _)m

 本日の日経は面白い情報花盛りでした。珍しく紙面の「半分近く」を読んでしまいました。
 全然関係ないですが、日経を除く大手四誌(読売、朝日、毎日、産経)は購読者数が減少していっていますが、同時に「読まれない記事」がどんどん増えていっているそうです。新聞を読んでいる人でも、紙面上の三分の二の記事は読んでいないそうで、新聞広告の価値が時間を追うごとに減少していっているわけですね。(さらに、ここに押し紙の問題が加わります。)
 そんな中でも、日経はまだしもきちんと読まれている新聞だそうです。とは言っても、わたしでも日経の紙面の半分以上は全く目を通しませんねぇ、言われてみると。

 本日はブレイクダウン分析のお話です。
 ブレイクダウン分析とは、事象やデータをきちんと細分化していき、その数値が意味するところを正しく把握する分析手法です。
 例えば、ある企業で「利益が減少した」という事実があったとします。「利益○○円減少」だけでは、果たして「売上」が減少したのか、「費用」が増加したのか分かりませんよね。売上減少と費用増加は、全く種類が異なる問題になりますので、当然ながら対応策も異なります。しかし、もしも「利益○○円減少」のみを見て対応策を検討してしまうと、見当違いなことをやる可能性が高まるわけです。

10―12月のユーロ圏GDP、1.5%減 ユーロ導入後最大のマイナス
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090213AT2R1300713022009.html
欧州連合(EU)統計局が13日発表した昨年10―12月期のユーロ圏15カ国の域内総生産(GDP、速報値、季節調整値)成長率は実質で前期比マイナス1.5%となった。1999年のユーロ導入以来最大のマイナス成長。前年同期比では1.2%減。EU27カ国では前期比1.5%減、前年同期比1.1%減だった。』

 ユーロは15国で構成されていますので、↑この記事だけでは、実際に各国で何が起きているのか、さっぱり分かりませんね。そこで、まずは各国ごとの成長率の状況を確認する、これがブレイクダウンの一段階です。さらに、その国のGDPを構成別(個人消費はどうなのか、純輸出はどうなのか)に確認し、さらに各構成を細分化していくことで、問題が何なのか把握し、正しい対策を立てることができるわけです。
 ちなみに、ユーロの成長率を大きく押し下げているのは、経済圏の三割を占めるドイツが前期比2.1%減になっていたためでした。日経の記事によると、ドイツの12月の輸出が前年同月比7.7%マイナスになったのが響いたとのことです。(これだけでは今一よく分かりませんが、日経には細かいブレイクダウンの数値が載っていなかったのです。)
 また、ユーロ圏の成長率の話と同時に、本日の日経には日本の08年第4四半期の成長率予想も載っていました。本来であれば、きちんと数値が確定してからエントリーにしようと思っていたのですが、あまりにも興味深かったので先行して書きます。

10―12月GDP、民間予測は11.7%減 QUICKコンセンサス
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090214AT3S1300V13022009.html

 日本の08年第4四半期成長率「予測」の平均は、3%減(11.7%というのは年率換算)だそうですが、その予測をブレイクダウンした表が日経に載っており、それが興味深かったのです。

■実質GDP成長率予測 ▲3.0%
【内需部門】
 ・個人消費 ▲0.6%
 ・住宅投資 0.7%
 ・設備投資 ▲4.8%
 ・公共投資 0.6
【外需部門】
 ・輸出 ▲13.4%
 ・輸入 ±0
■内需寄与度 ▲0.8%
■外需寄与度 ▲2.2%

 08年第4四半期の日本のGDPは輸出製造業の輸出と設備投資激減により、予想以上のマイナスになりそうですが、個人消費は意外に減っていない(という予想な)のです。さらに、意外なことに住宅投資はプラス成長になっています。内需が外需減少を下支えする状況が続いているわけですね(あくまで予想ですが)。
 世界的に外需が縮小している以上、輸出や(輸出企業の)設備投資が急速に回復することは望めません。そうである以上、GDPを下支えしている(つまり、需要が健全な)個人消費、住宅投資の活性化を中心に対策を打つべきという判断ができます。(政府の対策案は、実際にこの路線ですが)
 まあ、あくまで「予想」ですが、予想をしたアナリストたちも日本の個人消費と住宅投資が激減するとは考えていないわけです。

 ところで、かねてから計画されていたIMFへの1000億ドル資金支援(厳密には、外貨準備の米国債を貸し出す)が調印されました。

最大1000億ドルの支援 IMF専務理事「日本、過去に例ない貢献」
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090214AT2C1400114022009.html
 中川昭一財務相は13日、国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事と会談し、IMFに最大1000億ドル(約9兆2000億円)の資金支援を行う合意文書に正式に署名した。中川財務相は「IMFが金融危機で重要な役割を果たすために有効活用してほしい」と要請。ストロスカーン専務理事は「過去に例のない最大の貢献」と感謝の意を表明した。
 IMFに対する資金支援は、昨年10月に日本が提案した「国際金融安定化のための緊急融資構想」に基づく措置。日本は外貨準備から最大1000億ドルをIMFに貸し出し、IMFはこれを新興国向けの緊急融資の原資に充てる。
 金融危機に伴う外貨の流出などで資金不足に陥り、IMFの資金に頼る新興国が増加している。IMFは今後、新興国への緊急融資を拡充するため、日本以外の先進国にも資金支援を求めていく方針だ。』

 しかし、「日本以外の先進国にも資金支援を求めていく」と言っても、日本以外にIMFに支援できる国が果たしてあるでしょうか。(アメリカがドルを刷って提供するという裏技は無しですw)
 現在の先進国で唯一、IMFに支援を行うことで世界各国の経済を救う余力を持っている日本も、マスメディアに言わせれば「破綻寸前」になってしまうわけです。
 世界とはかくも矛盾に満ち溢れているといったところですかね。

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