三橋貴明診断士事務所を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから http://takaaki-mitsuhashi.com/
SPA2月17日号にインタビュー記事が掲載されています。「今週の無軌道 ロバート・ムガベ」(P5です。)

 Voice3月号に、筆者(紙媒体)初のシミュラフィクション「1ドル70円台の日本経済」が掲載されています。
 http://www.amazon.co.jp/dp/B001QCGI1Q/
 また、本シミュラフィクションをお読み頂いた方は、是非とも以下のPHPのメールアドレスまで、感想を送って下さいますようお願いいたします。
PHP研究所Voice編集部 voice@php.co.jp

 「麻生首相に応援メッセージを出そう@バレンタイン祭」へのご協力ありがとうございました。
 わたしの方で議員会館に電話して確認したところ、なんと600以上のカードが届いているそうです。皆様のご協力に感謝申し上げます。  m(_ _)m

 ヒラリーが来日しています。
 産経新聞などでは「就任後初の外国訪問先を日本にすることで「日米同盟重視」をアピールする狙い」などと書いてありますが、本当のところ何をしに来きたのかよく分かりません。タイミング的に、「ヤマ場」の時期の真ん中に来日したわけで、呑気に「日米同盟重視」などのアピールが目的に来るとは思えないのですが。
 ヤマ場の時期とは何かといえば、
2月10日-12日 米政府が計670億ドル(約6兆円)という史上最大規模の中長期債を発行
2月15日 G7 財務相・中央銀行総裁会議
2月16日 ヒラリー来日、金正日誕生日
2月17日 GM、クライスラーの再建計画提出
2月18日 麻生・メドベージェフ会談
 の重要なイベントが集中している9日間のことです。
 最初のヤマ場であった史上最大の米国債発行は、無事に終了したようですね。ホッとしました。
 結局、中国政府が買い支えをせざるを得なかったようですね。大変、いい気味でございます。
 時期的には、今四半期末から来四半期早々にでも、中国は輸出がガクンと減少する時期を迎えるはずです。(韓国の1月がそうだったように)その状況でも、果たして米国債を買い支えることができるか。中国が保有残高のわずか1%を売却しただけで、米国債は暴落します。はて、さて。
 米国債の問題は中期的な話ですが、とりあえず目の前にある最も重大なイベントは、やはりGM、クライスラーの再建計画でしょう。

米GM:労組などに譲歩促す-再建計画の要請額は180億ドル超か
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aj.LYdLp0.wM
 米財務省への経営再建計画の報告期限を17日に控え、米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は労組と債権者に対し同計画での譲歩を求めている。事情に詳しい関係者によれば、GMは報告書で政府融資を現在の134億ドル(約1兆2300 億円)から増額するよう要請する見込みだ。
 同計画がまだ最終案でないことを理由に関係者が匿名で語ったところによれば、1月の米自動車販売が急減したことからGMの手元資金は減少し、事業存続のために追加の政府支援が必要となる見通しだ。17 日に提出する計画では、政府に要請する融資額は昨年12月2日に提出した計画で求めた180億ドルを上回る可能性があるという。
 報告の期限が迫ったことから、全米自動車労組(UAW)との協議の重要性は増している。UAWとGMの交渉は13日に決裂したが、15 日に再開された。
 また関係者によると、GMは依然として債権者と、株式化する債務を3分の1に圧縮する提案をめぐり協議を続けている。』

 GM、クライスラー再建計画に際する、米政府の支援内容と条件は以下の通りです。

【支援内容】
 ■GMに134億ドル、クライスラーに40億ドルの「つなぎ」融資を実施
 ■3月末までに再建の目処が立たねば融資を返済しなければならない
【支援条件】
 ■無担保債務の三分の二を株式化により圧縮し、負債を軽減
 ■UAW主導の医療保険基金への拠出の半分を株式で賄う
 ■工場労働者の賃金を日本メーカー並に抑制
 ■一時帰休中も給与を支払う「ジョブズ・バンク」の廃止
 ■役員報酬の制限、新規配当の中止など
 ■1億ドルを超える取引を停止する権限を政府に付与
 ■政府に議決権のないワラント(株式引受権)を提供

 この中でも、やはり難しいのはUAW(全米自動車労組)と債権者絡みでしょう。しかも今回の場合、UAWと債権者の間で利害対立が生じ、GMが板ばさみ状態になってしまっています。
 GMは債権者に対し、無担保債務(約2兆5000億円)の三分の二を株式で返済する事を求めています(いわゆるデッドエクイティスワップ)が、債権者は「比率が大きすぎる」と猛反発しています。同時にGMはUAWに対し、医療保険基金への支払義務(約1兆8000億円)の内、株式での拠出比率を従来構想していた二分の一から、大幅に高めるように求めています。もちろん、UAWは猛反発しています。
 要するに、GMはUAWと債権者に対し「株式で何とか・・・」と要請しているのですが、交渉相手の両者ともが「俺(UAWもしくは債権者)の負担を上げるな!奴(UAWもしくは債権者)の負担を高めろ!」と反発しているわけです。
 08年9月末時点で六兆円近い債務超過になっているGMが負債を圧縮するには、UAWと債権者の双方に譲歩してもらわねばなりません。しかし、今回のケースでは譲歩できるステイクホルダーが二者(UAWと債権者)であるため、却ってこの両者が対立関係になってしまっているわけです。
 これが債権者のみや、UAWのみと交渉するのであれば、「あんたが譲歩しなければ、チャプター11だ!」という交渉の仕方もあるのですが・・・。

 再建計画の提出期限は、2月17日。GM、UAW、そしてGMの債権者の三者にとって、残された時間はわずかしかありません。

 アメリカ経済マジgkbr!と思う方は↓このリンクをクリックを。
    http://blog.with2.net/in.php?636493  
 ※人気ブログランキングの「ニュース部門」で一位を継続中です。皆様のご協力に御礼申し上げます。m(_ _)m 

 新世紀のビッグブラザーへ ホームページは↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/index.htm
 新世紀のビッグブラザーへ blog一覧は↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/blog.html
 関連blogへのリンク一覧は↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/link.html