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 ついに、昨晩のFOMCでFRBが長期米国債の買取を表明し、世界経済はこれまでとは異なる次元に突入しました。プリンティングマネーの時代が、本格的に幕を開けたのです。

『FOMC:長期国債3000億ドル購入へ、住宅ローン証券購入増額
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aXNNW4ik709U
 米連邦準備制度理事会(FRB)は17、18の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、最高3000億ドルの米長期国債購入に加え、住宅ローン担保証券(MBS)や機関債の購入拡大を決定した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は0-0.25%の範囲に据え置いた。
 この日の決定は全会一致。FOMCは声明で、「住宅ローン貸し出しと住宅市場への支援を強化するため、委員会は住宅ローン担保証券の購入規模を7500 億ドル増額し、FRBのバランスシートを一段と拡大することを決定した」と表明。「委員会はまた、民間信用市場の状況改善を支援するため、今後6カ月で期間の長い米国債を最大3000億ドル買い取ると決定した」ことを明らかにした。(後略)』

 FOMCの決定を受け、ドルは急落しました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_16.html#PrintingMoney
 同時に、米国債(10年物)の利回りが、3.01%⇒2.48%と、1965年以降で最大の下落を演じました。
 ドルが急落し、同時に米国債が値上がり(利回り下落)するという、ある種の矛盾した動きになりましたが、短期的には米国債の需給バランスが回復するので、こんなもんでしょう。問題は、米国債が基本的にドル建てであり、海外需要家をメインターゲットとしているという点です。
 FRBが長期米国債を大量に買い取る以上、市場にこれまで以上にドルが供給されていくことになります。当然、ドルは中長期的に下落していく可能性が高く、ドル建てで発行される米国債も、他国通貨建てで価値を落としていかざるを得ないわけです。
 果たして、諸外国の中央銀行などの需要家は、自国通貨建てで価値が下落していく米国債を、これまで通り買い上げてくれるでしょうか。しかも、米国債購入のインセンティブとなる、対米貿易黒字が日に日に減少していっている状況で。
 一昨日、世界で唯一、継続的に米国債を購入していた中国について、気になるニュースが日経に載りました。

米国債保有、中国の伸び鈍化 価格下落を懸念
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090318AT2M1702J17032009.html
 米財務省によると、1月末の中国の米国債保有残高は前月末に比べ122億ドル増の7396億ドル(約73兆円)だった。前月末比の増加額はピークだった昨年10月末の659億ドルより8割減った。中国では米国債の価格下落を警戒して「これ以上の購入をやめるべきだ」との世論が台頭。市場では「中国はすでに米国債の購入を絞り込み始めた」との観測も浮上している。(後略) 』

 中期的に米国債を消化していくためには、FRB、というかアメリカ政府は、そろそろ円建米国債の発行を検討する時期のような気がします。世界で最も現預金を持っている日本で、為替リスクの心配の要らない米国債を発行すれば、相当な規模の債券をさばけるでしょう。日本人は何だかんだいって、アメリカを信用しています。(ドルに対する信用は相当に劣化していますが)
 さすがに変動為替相場制ではない「人民元建米国債」は無理があると思います。しかし、円建米国債であれば充分に実現性のあるソリューションに思えるのですが、いかがでしょうか。低金利に悩む日本人と、マネーを切望しているアメリカの双方がWin-Winの関係になれる気がします。
 ところで、我らが日銀もジリジリとではありますが、徐々にプリンティングマネーの方向に歩みを進めています。

日銀、国債購入1.8兆円 決定会合、4000億円増額
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090318AT3S1800918032009.html
 日銀は18日の金融政策決定会合で、長期国債の買い取り額をこれまでの毎月1兆4000億円から1兆8000億円に増やすことを決めた。今月から実施する。増額は昨年12月以来。政府・与党が追加的な財政出動の検討に入り、市場では国債増発による長期金利上昇懸念も出ている。買い取り増額で金融市場への資金供給を拡大し、市場の安定確保を狙う。(後略) 』

 1.8兆円だとか、4000億円増額とかせこい事を言わず、月額5兆円クラスの国債購入に早く踏み出して欲しいものです。
 こういう事を書くと、また「ハイパーインフレーションが・・・」だとか「財政規律が・・・」だとか、莫迦の一つ覚えのように言い出す似非評論家がいるでしょうが、何度も書きましたが、デフレで、かつ世界最大の需給ギャップを抱えている日本でインフレの心配をするなど、ナンセンスもいいとこです。需給ギャップが大きい、すなわち日本では供給能力が余りまくっている以上、ハイパーインフレーションなど100%有り得ません。
 ジンバブエにしろ、第一次大戦後のドイツにせよ、ハイパーインフレーションが起きたのは国内の供給能力不足によるものです。ご存知、ジンバブエはムガベ大統領の悪政により、国内の生産能力が破滅的な状況に陥りました。また、WWⅠ後のドイツは、ヴェルサイユ条約により製造業の中心であったルール地方を奪われ、供給能力が激減した結果、ハイパーインフレーションに陥ったのです。
 また、「100年に一度の経済危機」とか騒いでおきながら、「財政規律が保てない」など、意味不明としか言いようがありません。病気になり、病院に担ぎ込まれた人に薬を処方しようとしたときに、「いや、薬の使いすぎは身体に良くない」などと言う人がどこにいるというのでしょうか。
 とりあえず「ハイパーインフレ」だの「財政規律が」だの言っている人は、まずはFRBのバーナンキ議長にその旨を主張してきて欲しいものです。アメリカが同じ事をやっているのに、日本が(しかも国債を国内で消化できるほど、金融資産に余裕のある日本が)やってはいけないという、その論旨が理解できません。
 日銀が月額5兆円規模で国債を購入するということは、年間で約60兆円分を買い取ることになります。すなわち、日本政府の債務が60兆円消滅することになるのです。
 そういう状況に至ったとき、多くの日本人が最終的に理解するでしょう。
 国内通貨建ての「政府の借金」の総額は、問題視する方がおかしいという事実を。そして、財務省やマスメディアが日本悲観論の最大の根拠にしていた「日本は財政破綻する」には根拠が全くなく、いかに出鱈目なミスリードであったかということを。

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