マクロ的視点で見る、読む 前編 からの続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/25899363.html
 
 理由は何かと言えば、マクロ的視点で見ると、韓国経済の中期的な衰退が確定してしまっているからなのです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_16.html#K-GDP

 上記は韓国のGDPについて、1997年(アジア通貨危機発生時)から07年までの推移を、項目別にグラフ化したものです。項目とは何ぞやと言えば、
■GDP(国内総生産)=民間最終消費支出(※個人消費等)+政府最終消費支出+総固定資本形成(※住宅投資、設備投資、公共投資)+在庫変動+純輸出(※製品・サービスの輸出-製品・サービスの輸入=貿易・サービス収支)
 のことです。
 ご覧頂くと分かると思いますが、韓国は「貿易立国」を目指している割に、純輸出の割合が異様に小さいのです。細かくは「崩壊する世界 繁栄する日本」に書きましたが、06年及び07年の韓国の純輸出対GDP比率は1%を切り、08年はマイナス(純輸入)状態です。これがもし、輸出対GDP比率が低いアメリカ、日本、イギリスのGDP構成であれば、非常に納得がいくのですが、ご存知韓国の輸出対GDP比率は、中独並みの四割弱に至っています。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_15.html#Gaiju07

 ちなみに、韓国の純輸出をよく見ると、1998年が最も大きくなっていますが、これはアジア通貨危機の影響で「輸入」が激減した結果であって、別に輸出が増えたからではありません。韓国は現在、輸出が減少しているにも関わらず、輸入がそれ以上に激減することで純輸出が増加する「縮小成長」中ですが、アジア通貨危機真っ盛りの1998年も同じ状況だったわけです。
 本来、貿易立国を目指すのであれば、「輸出が増加し、同時に貿易黒字が増加する」が理想なわけです。2007年上旬、つまりわたしが「本当はヤバイ!韓国経済」を執筆していた時期の韓国は、輸出が増大しているにも関わらず、貿易黒字がどんどん縮小していく状況にありました。貿易黒字減少は、純輸出の減少を意味しますので、韓国はせっせ、せっせと輸出を増やしながら、GDPを「削減」していく状態だったわけです。(それで、筆者を始めとする2chねらーにm9(^Д^)プギャーと嘲笑されていました。)
 「崩壊する世界」にも書きましたが、アジア通貨危機後の韓国経済の絶頂期は、2004年から05年に掛けてでしょう。それはGDPや国際収支を見れば、一発で分かります。
 この頃から、韓国では急速なウォン高が始まり、貿易黒字が縮小していきました。本来であれば、韓国は貿易黒字激減、そして経常収支赤字化を受け、通貨安に反転し、再び輸出競争力が自然に強化される局面を迎えるべきでした。ところが、ご存知の通り、この時期から韓国へのフェイクマネーの流入が加速し、ウォンは何と2007年10月末まで継続して上がり続けたのでした。
 06年、07年の韓国ほど、「かりそめの繁栄」という言葉が似合う経済は知りません。(まあ、アイスランドには負けるかも知れませんが)貿易黒字縮小、赤字化にも関わらず、海外マネー(と言うか、海外からの借金)で通貨高が維持され、不動産市場がバブル化し、「韓国はインドと共に、不動産価格上昇でアジアナンバーワン!ホルホルホル!」とかやっていたわけですから。
 フェイクマネーの引上げを切っ掛けにキャピタルフライトに陥った韓国は、最近はアジア通貨危機時と同じ縮小成長に陥っています。

3月の貿易黒字、過去最高記録へ
http://www.chosunonline.com/news/20090317000010
 知識経済部は16日、韓国の3月の貿易黒字が過去最高の40億ドルに達し、年間貿易黒字が200億ドルに迫るとの見通しを明らかにした。
 知識経済部の李東根(イ・ドングン)貿易投資室長は同日の記者懇談会で、「原油価格の下落で石油の輸入金額が大幅に減少し、3月の貿易黒字は月次ベースで過去最大の40億ドルに達する見通しだ」と述べた。今月15日までの貿易黒字は8億ドルだが、月末に輸出が集中する傾向と主要企業の輸出計画などを考えると、40億ドルの黒字は十分に達成可能な数字だというのが李室長の見方だ。
 月次ベースでの貿易黒字が最高を記録したのは1998年4月の38億5000万ドル。今年2月の貿易黒字は29億5000万ドルだった。
 李室長はまた、3月の輸出は前年同月比22%減少するが、輸入は33%減とさらに大きな落ち込みを示すと見通した。原油輸入額が半分に減少したが、輸出は船舶が40%、携帯電話が3%の伸びを示した。李室長は「貿易収支は黒字基調が続き、黒字規模は上期に120億ドル、通年で200億ドルに達する」と予測した。(後略)』

 輸出依存度が高い韓国のGDPにとって、大事なのは貿易黒字の額の変動よりも、輸出の変動です。元々GDPの1%以下の貿易黒字(≒純輸出)が多少増加したところで、GDPへの影響は微々たるものです。奇跡的に韓国の年間貿易黒字200億ドルに達したとしても、精々GDPの2%の話でしかないのです。1998年の韓国も純輸出だけは史上最高の金額(何と62兆ウォン。現在の為替レートで約450 億ドル!)に達しましたが、GDP自体は1.5%ほどのマイナス成長でした。
 貿易黒字の問題よりも、韓国は輸出の減少が「内需」に与える影響の方が甚大なので、こちらに注目するべきです。

■韓国の08年第4四半期の輸出と内需
 Ⅰ. 輸出の対前年同月比:08年10月⇒+10%、11月⇒-18.3%、12月⇒-17.40%
 Ⅱ. 輸出の対前期比:-9.2%
 Ⅲ. GDP:外需の寄与度⇒+2.2%(注:輸入の減少による)、内需の寄与度⇒-7.8%、総合⇒-5.6%
■韓国の09年第1四半期の輸出
 Ⅰ. 輸出の対前年同月比:09年1月⇒-32.8%、2月⇒-17.1%、3月(見込み)⇒-22%
 Ⅱ.Ⅲ. ?

 08年第4四半期のGDPを見ればお分かり頂けると思いますが、韓国は輸出依存度が高いため、輸出減少が内需を直撃する構造になっています。今四半期の輸出の減少は、前四半期を軽く上回っているわけです。
 内需を前四半期並みの減少で抑えるには、政府支出の拡大しかありませんが(別に韓国だけではなく、どの国もそうですが)、韓国は国債の札割れを多発させており、財源確保に四苦八苦している状態です。
 そもそも、韓国人は「輸出増大&貿易黒字激減」の時期は、
韓国の輸出は年間○○億ドルに達した!これは、世界史上何カ国目の偉業である
 とか何とか自慰行為に浸り、「輸出減少&貿易黒字増大」の時期は、
韓国の貿易黒字は、過去最高を記録する!
 と自慰行為に浸るわけです。あまりにも、アホ過ぎます。
 貿易立国を志している以上、「輸出増大&貿易黒字増大」でなければ話にならないわけですが、政府高官まで↑このノリなのです。
 韓国メディア(と、それに追随する日本の似非メディア)は「サムスンの液晶テレビのシェアがどうのこうの」「現代自動車がアメリカ市場で何のかんの」という記事を書き、韓国国民の鼓舞に勤めていますが、それはあくまでミクロの話です。ミクロの踏ん張りでマクロを支えることは、不可能なのです。
 マクロ的視点から見ると、すでに韓国経済の中期的な衰退は、あまりにも明らかになってしまいました。わたしの興味が薄れてきたのも、無理もないとは思われませんか。



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