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 いよいよ明日から、韓国経済の運命の月と言われる九月が始まります
 韓国九月危機説(韓国が九月に通貨危機を迎えるかもしれない、という説)は、元々は以下の韓国証券業界とインターネット中心に出回った「噂」から始まったと思うのですが(それ以前のソースをご存知なら、教えて下さい。)、今や様々な韓国のメディアが、この九月危機説に触れる状況に陥っています。

今度は「9月外国為替危機」の怪談 韓国速報 08/7/11
http://www.worldtimes.co.jp/kansok/kan/keizai/080711-2.html

 何故、韓国九月危機説が広まったのか。これは話として面白いというのも無論あるでしょうが、それ以上に韓国の各指標が悪化し、噂の真実味が日々増し続けていることも原因だと思います。
 実は、わたしは現在、オークラ出版(撃論ムック)から韓国経済に関する執筆の仕事を貰っており、すでに作業を開始しています。ちなみにタイトル(仮)は『崩壊進行中の韓国経済の病理』となっています。
 この仕事の関係で、わたしは最新の韓国経済の指標を集め、まとめました。その結果は、確かに背筋が寒くなるようなものでした。以下、韓国の経済指標最新版をまとめてご紹介しましょう。

大韓民国 国際収支 2008年6月~2008年7月
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#BOPJun08-

 韓国銀行が(七月分から?)発表する国際収支の項目を若干修正しました。資本収支の中に「金融派生商品」が追加され(どちらかというと、これまで「金融派生商品」がなかった事がおかしいです)、輸出・輸入について、FOBのみならず通関(CIF)ベースがの金額が追加されました。貿易収支(通関)は、わたしが追加しました。
 ご覧頂くと一目瞭然ですが、韓国はFOBベースでは辛うじて貿易黒字ですが、通関ベースでは貿易赤字を続けています。今年に入り、韓国は5月を除き、全ての月で貿易赤字を続けているわけです。
 また、ウォン安の脅威に対抗するために、韓国銀行が通貨防衛の為替介入を続けているため、毎月外貨準備高が減少しています。ページの少し下の「大韓民国 国際収支 2007年10月~2008年5月」も合わせてご参照ください。
 それにしても外貨準備高の七月の減少額はすごいですね。しかも、またもや双子の赤字です。もはや、この「経常収支」「資本収支」が共に赤字化する現象を、「韓国型双子の赤字」と命名しても良さそうな気がします。
 ちなみに、アメリカの有名な双子の赤字は「経常収支赤字」と「財政赤字」です。アメリカの資本収支は、常に巨額黒字です(これまでは)。

韓国の対外債務・債権推移 2007年第一四半期~2008年第二四半期
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#KoreaD&A07

 韓国の2008年第二四半期 対外純債務国転落は、どうやら免れたようです。本当に首の皮一枚という感じですが。韓国の純債務国転落は、恐らく2008年8月、つまり今月だと思います。
 明日、九月からは、韓国は純債務国の可能性が極めて高いのです。

韓国のGDPと外需依存度(輸出対GDP比率)2007年
 ■GDP:9,699億ドル
 ■輸出額:3,714億ドル
 ■外需依存度:38.3%

 この外需依存度の高さでありながら、韓国は「貿易赤字」なのですから、心寒いものがあります。同じように外需依存度が35%を超えている中国やドイツは、もちろん貿易黒字を維持しています。
 要するに、韓国は「貿易立国」に失敗したわけです。

外貨準備高
 ■7月末時点の外貨準備高:2475億ドル
 ■2008年の累計減少額:▲187億ドル

 韓国は今年に入り、七ヶ月連続で外貨準備高を減らしています。年初に何位だったかは忘れましたが、もう「世界第何位の外貨準備高を誇る」という論調は止めた方がいいと思います。毎月、後方ランナーにぶち抜かれて順位を下げる有様で、正直、惨めでなりません。

物価関連
 ■7月消費者物価指数:前年同月比5.9%上昇
 ■生産者物価指数:前年同月比12.5%上昇
 ■輸入物価指数:対前年同月比50.6%上昇

 企業も消費者も、満身創痍という感じですね。ウォン安傾向が続く限り、多少、資源価格上昇が落ち着いたところで、物価上昇傾向は変わらないでしょう。

為替相場
 ■07年10月のピークからの、ウォンの対ドル下落率:約20%
 ■07年7月のピークからの、ウォンの対円下落率:約34%

 ウォン安は「輸入物価上昇による、貿易赤字」「韓国の対外債務のウォン建額面増加」「ドル建GDP縮小と、GDP順位の下落」と様々な弊害を呼び起こしています。(最後の一つは直接的には、経済成長とは無関係ですが、韓国人には大ショックでしょう。数カ国にごぼう抜きされたわけですから。)
 この状況で「ウォン安は韓国輸出企業への恩恵だ!」などと主張できる人は、ある意味、羨ましいです。いえ、皮肉でなく。

株式相場
 世界の主要株式市場1-8月の下落率(日経新聞 08年08月31日朝刊 1面 「世界のマネー株式離れ鮮明」より)
 ■中国 54.4%
 ■インド 28.2%
 ■ロシア 28.1%   ※BRICSうんたら言っていた奴らw
 ■韓国 22.3%
 ■ドイツ 20.4%
 ■フランス 20.2%
 ■日本 14.6%
 ■米国 13.0%
 ■ブラジル 12.8%
 ■英国 12.7%

『外国人株式・債券全方向売渡(罵倒)..史上最大 `セルコリア`
http://www.edaily.co.kr/news/newsread.asp?strPage=1&newsid=01262806586512240&DirCode=0010102
 月外国人証券投資 -96億ドル..史上最大
 国内債券2ヶ月目純売渡..株式売渡(罵倒)も長続き
[イーデイリー権所県記者] 先月外国人投資者たちが国内株式と債券を大挙売って去りながら史上最大 `セルコリア`が成り立ったことで現われた.(後略)』

 他にも何か興味深い指標がありましたら、是非教えて下さい。


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