「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」重版分が市場に並び始めました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926583
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32119420

 リーマンブラザーズ破綻、メリルリンチ救済合併、AIG危機の影響で、まさしく世界総株式大暴落の様相を呈しています。韓国のKOSPIが6.10%下落(終値1,387ポイント)という華々しい下落を見せましたが、NYや日本もあまり韓国の事を笑えません。(NYが-4.42%、日経平均が-4.95%)
 しかし、株式から為替相場に目を移すと、世界の投資家たちが果たして何を考えているのかが、かなり明確に理解することができます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_12.html#vsUSD090916

 対米ドルの為替値動きを、日本円(ピンク)、ユーロ(黄色)、英国ポンド(緑)、韓国ウォン(青)、豪州ドル(水色)について比較してみました。(本当は対日本円で比較したいのですが、JPYKRWを表示できるグラフが無いのです。ご存知の方いらっしゃいましたら、教えて下さい)
 韓銀の必死の為替介入むなしく、韓国ウォンはついに対ドルで価値を維持することが不可能になりました。9月16日のソウル外国為替市場でウォン終値は1ドル=1160.00ウォンと、前週末に比べ50.90ウォンのウォン安ドル高となりました。ウォン下落幅はこの10年で最大で、終値は4年8カ月ぶりに最安値を更新したのです。
 米ドルは対円では値を下げているため、日本円と韓国ウォンの相場が100円=1118ウォンと、とんでもない数値になっています。昨年のピークは100円=745ウォンだったので、何とウォンは、対円で約一年間で50%も価値を下げたことになります。
 もう一度書きます。
 韓国ウォンは、昨年のピーク、厳密には2007年7月9日の100円=744.75ウォンの対日本円ピークから、すでに50%も価値を下げたのです。もう少し分かりやすく書くと、昨年7月に1000ウォンで買えた日本商品が、今は1500ウォン出さなければ購入できないということになります。または、昨年7月は100,000ウォンで日本旅行ができたのが、今年は150,000ウォン掛かるということです。
 特に、まるで対資源国のように日本に対する貿易赤字を膨らませている韓国が、自国の通貨が対日本円で50%も切り下がってしまったのです。一体、今後の韓国経済がどのように運営されるのか、全く想像がつきません。

 しかし、看スレなどでは「暴落するドルに対し下落するウォンw m9(^Д^)プギャー 」などと書かれているウォンですが、本日、対ドルで下落した通貨は決してウォンだけではありません。
 上記の為替比較を見ればお分かり頂けると思いますが、オセアニア通貨も対ドルで大きく下げています。更に他のアジア通貨も、本日は軒並み対ドルで下落したのでした。

アジア通貨動向(16日)=総じて下落、ウォンが4年ぶり安値
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnJS825929320080916
 16日のアジア通貨市場は総じて下落。米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが米連邦破産法第11条の適用を申請したことで、アジアの資産を売る動きが広がっている。ただ人民元は、中国人民銀行(中央銀行)による予想外の利下げにもかかわらず小幅上昇している。
 韓国ウォン<KRW=>は15日の国内市場終値<KRW=KFTC>からほぼ4.9%安の1米ドル=1165.8ウォンと、4年超ぶりの安値をつけた。市場では韓国当局がドル売り介入したとの観測が浮上しており、それによってウォンの下落が抑えられたとみられている。
 フィリピンペソ<PHP=>は約0.4%安の1米ドル=47.3ペソで、2007年5月以来の安値をつけた。ディーラーの間では、フィリピン中銀がペソ支援のためドル売り介入しているとの観測が出ている。
 マニラのトレーダーは「ペソは市場のリスク回避によって下落する」と指摘。「フィリピン中銀が47.2─47.3ペソでドル売りを行っているようだ」と述べた。
 インドネシアルピア<IDR=>は一時、約8カ月ぶり安値の1米ドル=9470ルピアに下落。インドネシア中銀総裁は16日、金融市場の混乱を和らげるために必要な措置を講じる用意があると述べた。
 バンク・オブ・アメリカの通貨ストラテジストは「きょうは総じて、前日のリスク回避の続きとなっている。海外市場をめぐる不透明感が膨らむなか、ドルは対アジア通貨で依然強含んでいる」と述べた。(後略)』

 ・・・韓国銀行がドル売り介入したにも関わらず、ドルウォンの最安値を更新したわけですか。この状況でも韓国人は「九月危機は乗り越えた!」などと主張するつもりでしょうか。
 結局のところ、ここ数年のマネーの流れが
【日本などの低金利国】⇒【アメリカなどのファンド】⇒【新興経済諸国】であり、一部の国を除くアジア、欧米や、オセアニアに流れ込んだマネーが各国の通貨を引上げ、それが更にマネーを呼び込みバブルを形成していた以上、バブル崩壊時には通貨の強弱に綺麗な逆転現象が起きるのでしょう。
 つまり、マネーの流れが【新興経済諸国】⇒【アメリカなどのファンド】⇒【日本などの低金利国】となり、通貨の強弱も【新興経済諸国】<【アメリカなどのファンド】<【日本などの低金利国】となるわけです。
 面白いことに、アメリカと同じグループに所属していたとも言える欧州や英国ポンドは、それほど対ドルで上下していないのです。

 為替の動きを見ると、円高&日本へのマネーの巻き戻しが起きているのは確実なのですが、残念なことにマネーは株式には向かわず、日本の国債などに雪崩れ込んでいます。要は、投資家が「リスクの少ないところ、リスクの少ないところ」を目指す投資態度になっているわけです。
 世界でリスクが高まると、円高になり、日本の国債が買われる。これが厳然たる事実にも関わらず、まだ日本の似非メディア達は「日本の国債はまもなくデフォルトして、日本はIMF(笑)管理下になる」などという、世迷言を主張するのでしょうか。
 何度も書きましたが、IMFは対外債務のデフォルトには携わりますが、日本政府の債務のような国内債務問題とは無関係です。日本政府の債務問題とIMFを絡めるのは、日本の一企業の倒産問題外務省が乗り出してくるほど馬鹿げた脳内妄想です。

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