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 先日、チャンネル桜の『闘論!倒論!討論! 「崩壊の予兆か?中国の行方」』に出演した際、中国人ゲストのお一人が以下のような事を仰いました。
「胡錦濤にしても温家宝にしても、途轍もない政治闘争を勝ち抜いたわけで、彼らに限らず共産党上層部は本当に頭が良い。頭が良くなければ、とっくに失脚するか、死んでいた。そんな彼らを相手に、中国の一般人民が対抗しようとしても、全くかなわない」
 なるほど。確かに胡錦濤氏にしても温家宝氏にしても、政治力という面では凄まじい力を発揮しています。これは中国の一般人民は勿論、日本の政治家諸子も全くかなわないでしょう。但し、別にこれは日本人が絶望するような話でも何でもありません。
 日清戦争当時の日中の政治家の能力も、正直今とあまり違いがあったとは思いません。当時の中国(清)の政治家も、地獄の政治闘争を勝ち抜いた人物ばかりで、政治家個人を比べたら、恐らく日本人も、とてもではないが勝ち目がなかったでしょう。
 が、当時の清の大政治家である李鴻章氏は、以下のような言葉を残しています。
「大清帝国には科挙に合格した、教養と知性に溢れた人物が何万人もいる。だが、日本には同じように教育を受け、知性に富んだ人物が五千万人もいる。これが日本と大清の差である」(李鴻章氏ではなかったかも知れません。もしも間違っていたら、コメントで訂正してください)
 現在の中国の、海千山千な政治家に政治力で勝ちうる人物が、日本の政治家にいるとは、残念ながら思いません。
 が、ここに一つ、希望と言うか、絶対的な真実があります。
 例えニュートン、アインシュタイン、あるいはトーマス・エジソンのクラスの天才であっても、数万人の凡庸な知能が集まった「集合的知性」には絶対に勝てない、ということです。具体的に言えば、2チャンネルに代表される、インターネットなわけですが。
 例え世界を変えうるレベルの途轍もない知性の持ち主であっても、数万人、時には数十万人がブレインストーミングし、互いに様々な視点、様々な思考を交換し合うインターネットには、絶対に勝てません。朝日新聞に代表される日本のメディアの論調に説得力が無いのは、記者が自分の頭の中だけで展開した自慰的かつ独善的な意見だからです。数万人の視点、数万人の意見が交換される状況では、一記者のオナニー的な論調など、ゴミ屑以下でしかないのです。
 わたしの著作がもしも他のアナリストよりも説得力を持つとすれば、それは作品に書かれた意見がわたしのものだけではないからです。数万人のインターネット訪問者と意見交換し、自分の意見を述べ、叩かれ、ソースを探し、論調を研ぎ澄まし、様々な意見の中から最も普遍的で真実に近いものを「抽象化」しているからこそ、説得力を増すことができるのです。わたしが自分の著作にもたらしている付加価値など、実は最後の「抽象化」の部分だけに過ぎないのです。
 
 さて、堅い話はこれくらいにして、韓国の国際収支について。
 なぜ5月27日の時点で、わたしは韓国の4月の国際収支が経常収支、資本収支共に赤字となる「双子の赤字」になると予想する事ができたのでしょうか。
 ちなみに「双子の赤字」と言えば、アメリカの双子の赤字が有名ですが、あれは「経常収支の赤字+財政赤字」であり、韓国型双子の赤字とは異なります。韓国のような双子の赤字は、05年のフランスを除くと、わたしは他に例を知りません。
 韓国の国際収支の07年10月以降の数値をグラフ化致しましたので、ご覧下さい。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#BOPKOreaOct07-Apr08

 このグラフのポイントは、外貨準備高の見方です。
 国際収支の式は「経常収支黒字+資本収支黒字-外貨準備高増加(減少)+誤差脱漏=0」となっているので、外貨準備高についてはグラフのプラス方向が「減少」になります。07年10月から12月まで、外貨準備高増減がマイナス方向に伸びていますが、これは「外貨準備高増加」を意味します。つまり、韓国は今年1月から四ヶ月連続で外貨準備高が減少していっていることになります。
 なぜ外貨準備高が減少しているのかと言えば、今年始めから、韓国ウォンが「世界的に価値を下げる」ドルに対してさえ価値を下げる、超ウォン安の局面に入っており、韓銀が過度のウォン安を是正するために為替介入をしているからです。ウォン高時の為替介入は、「ウォン」で「ドル」を購入し、ウォンの価値下落を推進する為替介入になりますが、ウォン下落を押し止めるための介入、つまり為替防衛は逆になります。韓銀は手持ちのドルで、ウォンを購入することでウォンの価値下落を押し止めようとします。この中央銀行、韓銀による為替防衛時には、韓銀の手持ちのドルがどんどん減っていき、韓国の外貨準備高が減少していくことになります。
 5月始めに報道された韓国の外貨準備高に関する速報値は、かつて無い減少額でした。
 もう一つ、韓国の3月の経常収支の赤字は、1億ドル強と、大したことはありませんでした。通常の韓国の3月は、外国人への配当金の支払いが過大になるため、所得収支の赤字が巨額化し、その結果として経常収支の赤字も巨額化します。
 08年3月の韓国所得収支は、例年に逆らい黒字でした。なぜ08年3月の韓国所得収支が例年通り赤字にならなかったのかと言えば、外国人に支払われた配当金10億ドル分の送金が4月に繰り越され、3月の所得収支に影響を与えなかったためです。(08年5月1日のブログ「韓国外貨準備高の謎」↓参照)

http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/7616799.html

 逆に言えば、翌月に繰り延べされた配当金の送金分が、4月の所得収支に影響を与えることになります。韓国の4月の所得収支は3月と同じく、例年通りであれば配当金の支払いにより赤字化します。ここに3月から繰り越された分が乗ってくれば、当然ながら所得収支の赤字が巨額化し、しいては経常収支も赤字化すると考えた訳です。
 ここで、前述の式を見てみて下さい。

経常収支黒字+資本収支黒字-外貨準備高増加(減少)+誤差脱漏=0

 この式の黒字赤字、増加減少をひっくり返し、韓国の状況(経常収支が赤字化し、外貨準備高が減少する)を当てはめてみると、

経常収支赤字+資本収支赤字(or -資本収支黒字)=外貨準備高減少

 となるわけです。要は、経常収支が赤字化して、その赤字額が外貨準備高の減少額を下回る状況では、(余程の誤差脱漏がない限り)資本収支も赤字になるということになります。
 逆の言い方をすれば、為替防衛を行った結果としての外貨準備の大幅な減少がない限り、経常収支と資本収支が共に赤字化することはあり得ません。08年1月を見ると、経常収支が赤字化、外貨準備高が減少しているにも関わらず、経常収支赤字額>外貨準備高減少額であるために、資本収支が辛うじて黒字化しているのがお分かり頂けると思います。
 実際の所、韓国経済の問題点は双子の赤字よりもむしろ、経常収支の赤字化が慢性化していることです。前にも書きましたが経常収支の赤字は「対外債権の減少」をもたらしますので、対外債務の増加+「対外債権の減少」により、韓国は対外純債務国転落目前の状況に追いつめられました。
 以前も書いたとおり、韓国の対外純債務国転落自体が問題なのではなく、それをもたらした「経常収支赤字」の恒常化が問題なのです。特に韓国は外需依存度が高く、輸出対GDP比率が38%を超えている状況で、CIFベースの貿易収支が08年12月以降、一貫して赤字化しています。(国際収支はFOBベース)
 幾ら輸出を増やしたところで、資源高などによりそれ以上に輸入が増えてしまえば、貿易収支の黒字が激減または赤字化し、このマイナス分は直接的に韓国のGDPに負の影響を与えることになります。
 韓国の政府当局は「五月は経常収支黒字に復活する」と主張していますが、果たしてどうなるでしょうか。wktkです。

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