SAPIO 12/17号に「[通貨危機]ウォン大暴落で借金国家に転落した韓国の土壇場」を寄稿しました。
http://www.zassi.net/mag_index.php?id=55
11/25 20:55~21:20 J-WAVE(FMラジオ・81.3・首都圏ネット)「JAM THE WORLD」に生放送出演しました。
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/cgi-bin/minutes/form.cgi?event=open&start=1
「SPA 11月25日号」P4に、インタビュー記事が載っています。内容はIMFと日本の1000億ドル資金供給についてです。 
http://spa.fusosha.co.jp/backnumber2008/cat_20081125.php

 予告どおり、本日は韓国の十月の国際収支、純債務国化、及び櫻井よしこさんについて。
 まずは韓国の国際収支十月版です。ポイントを以下に整理します。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#BOPJun08-

■ 貿易収支が久方ぶりに黒字化
 ・十月の輸出は対前月比で若干(FOBベースで約3.8%)増加しました。一応、十月までは韓国の輸出は対前年比でも増加はしてますが、十一月は対前年比でもマイナスが確定的になっています。ウォン安による韓国の輸出増加は、十月でピークを打ったと考えていいでしょう。
 ・十月の輸入は対前月比で▲9.4%と大きなマイナスになりました。1998年(アジア通貨危機の翌年)に、通貨暴落により輸入が大幅に減少し、唐突に貿易収支が黒字化した際と、全く同じ現象が、同じ原因により生じた模様です。
 ・結果、貿易収支はFOB、通関ベース共に黒字になりました。通関ベースの貿易黒字は、今年の五月以来、久方ぶりのことです。
■ ウォン安で海外旅行が激減し、サービス収支の赤字が対前月比で96%も減少
■ 経常移転収支が黒字化
■ 輸入減少による貿易収支黒字化、サービス収支赤字の激減、経常移転収支黒字化により、経常収支全体が大きく黒字化

 Voiceの記事で、わたしは韓国経済復活への道として「通貨安を許容し、輸入を減らし、海外旅行・留学を減少させ、経常収支の黒字路線を回復させろ」と書きましたが、あまりにもウォンの暴落速度が速すぎ、期せずして早くも達成させられた感じです。(韓国の政策とは無関係に、強引に)
 今後の韓国は輸出の頭打ち、減少から貿易収支黒字が再度減少し、やがて再び赤字化するでしょう。要は、韓国の貿易額全体が縮小を始めるのです。
 サービス収支については、韓国人海外旅行の激減により、黒字化する可能性もあります。
 また、経常移転収支黒字化には心底から吃驚です。一体何年ぶりでしょうか。経常移転支出が減少しているのは、ウォン安と不景気で海外送金が減っているためと解釈できますが、経常移転収益が増えているのは何故でしょう。まさか本当に「海外同胞」とやらの韓国への外貨送金が活発化しているのでしょうか。

■ 資本収支が255億ドル、史上最大の赤字に
■ 外貨準備高が約200億ドルの減少

 資本収支赤字巨額化の原因ははっきりしています。韓国の銀行が対外債務のロールオーバーができなくなり、海外に返済を行ったからです。対外債務を返済する際には、当然、ウォンを外貨に両替しますので、ウォン安を引き起こします。そして何故韓国が対外債務のロールオーバーができないかと言えば、ウォンが暴落しているからな分けで、韓国は資本収支面においても悪循環に嵌まりこんだと判断して構わないでしょう。

後編に続く
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/20860056.html