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 韓国を始めとするアジア新興経済諸国に、通貨危機がひたひたと迫りつつあります。通貨危機の兆候とも言うべき通貨の対ドル下落、短期対外債務の急増、ハイパーインフレーション、貿易収支及び経常収支の赤字化がアジア新興諸国で目立ち始めています。韓国銀行総裁の李成太氏は、通貨危機再来説について以下の通り反論しましたが、彼の主張に対する反論をヤバ韓作者として述べておきたいと考えました。

通貨危機再来説に韓銀総裁が反論
http://www.chosunonline.com/article/20080613000016
 与党ハンナラ党の任太熙(イム・テヒ)政策委員会議長が「第2のアジア通貨危機」が起きる可能性に言及したことが論議を呼んでいる。任議長は11日の記者懇談会で、「現在の経済状況には通貨危機当時の状況と似たいくつかの兆候が見られる」と通貨危機再来の可能性を指摘した。(中略)
 これに対し、李成太(イ・ソンテ)韓国銀行総裁は全く別の見方を示した。李総裁は同日の金融通貨委員会で基準金利凍結を決定した後に記者会見し、「現在の状況は通貨危機直前と比較して相違点が多い」とした上で、通貨危機発生の可能性を重視していないとの立場を表明した。
 李総裁は具体的な根拠も示した。具体的には、▲通貨危機当時には企業の負債比率が400%台に達したが、現在は100%程度(有価証券市場の上場企業平均)と良好▲通貨危機当時には経常収支の赤字規模が急激に膨らんだが現在は10年連続で黒字を記録している-などの点を挙げた。また、ノンバンクによる無秩序な外国からの借り入れが問題となった通貨危機当時の状況とは異なり、対外債務も正常な金融取引で発生したものだと指摘した。(後略)』

 まず始めに、通貨危機とは必ずしも1997年の韓国、その他アジア諸国のようなスキームで起きるわけではないということ。これが大前提です。その上で、李成太氏に対し以下のように反論します。
▲通貨危機当時には企業の負債比率が400%台に達したが、現在は100%程度(有価証券市場の上場企業平均)と良好
反論>>確かにアジア通貨危機、及びその後のIMF信託統治により、韓国国内の過剰競争は解消されたため、サムスンを始めとする財閥系企業の財務状況は97年当時よりはまともです。但し、以前にもどこかに書きましたが、あの当時の韓国は財閥系企業が赤字まみれだったのに対し、国民、家計の収支は非常に健全でした。
 97年当時、韓国の家計の貯蓄率は23.2%と高止まりしてました。だからこそ、IMFは融資をする気にもなったし、その後の韓国経済の復興も速やかに行われたのです。
 それに対し、
今や韓国家計の貯蓄率は昨年十月時点で2.2%。しかも、この率は数値が報道されるたびに減少しています。今や、前回のアジア通貨危機時に韓国復興を担保した、国民の貯蓄は存在しないのです。
 しかも、
97年当時の韓国は家計の金融負債の対GDP比が80%を超えるなどという無茶苦茶な状況では無かったし、一般国民の所得に対する金利支払いの割合が16%を超えるなどという、異常な借金漬けでもなかったのです。
▲通貨危機当時には経常収支の赤字規模が急激に膨らんだが現在は10年連続で黒字を記録している
反論>>経常収支の黒字を自慢するなら、せめて毎年黒字が増加している時にしなければなりません。2005年以降、経常収支黒字が徐々に減少し、今年は赤字化が確実視されているときに言っても、説得力皆無です。
 以前も書きましたが、経常収支の黒字増加とは、対外債権の増加を意味します。つまり、順調に経常収支の黒字が増加しているなら、純債務国化などは有り得ない話のです。
恐らく今月にも、韓国は対外純債務国に転落しますが、何よりもこの事実が、韓国の経常収支が悪化し、対外債権が減少、同時に対外債務が増加している事実を如実に物語っています。
 更に、97年当時の世界経済は金融的な問題は抱えていましたが、別にインフレーションに苦しんでいるわけでも何でもありませんでした。
アジア通貨危機時の原油価格は1バレル20?程度。今の六分の一以下の水準に過ぎませんでした。
 
■原油価格を始めとする、資源安。
 ■通貨危機による、過度のウォン安。
 ■世界的な需要拡大期。

 以上三つがあったからこそ、アジア通貨危機後の韓国は速やかに復活できたことを忘れてはいけません。


5月の輸入物価上昇率、10年ぶり高水準
http://www.chosunonline.com/article/20080614000005
 今年5月の輸入物価は昨年同月に比べて44.6%上昇し、アジア通貨危機当時の1998年3月の49.0%以来、10年2カ月ぶりの高い上昇率を記録した。韓国銀行が13日に発表した。
 輸入物価上昇率は、今年1月には21.2%だったのが4月には31.3%、5月にはついに40%台にまで突入した。原材料や消費財、中間材、資本財などを合計した輸入品物価の上昇は、1カ月から2カ月ほどのズレで消費者物価の上昇へとつながることから、6月の消費者物価上昇率は5%台を超えるものと予想されている。(後略)』

 98年の3月と言えば、前年末に通貨危機が起き、韓国がデフォルト寸前にまで追い込まれ、ウォンが暴落した「後」の出来事です。現在を見れば、確かにウォンが下落しているとはいえ、未だ通貨危機とは呼べない状況で、既に通貨危機「後」、ウォン暴落「後」のレベルにまで輸入物価が上昇しているのです。
 繰り返しますが、今の韓国は、未だ通貨危機
「前」であることを忘れてはいけません。
 ヤバ韓でわたしは韓国の貿易黒字について、輸出対GDP比率が高い(38%強)割に純輸出対GDP比率が低い、つまり貿易立国としての付加価値が低いことを問題視しました。その傾向は、今も全く変わっておらず、韓国は日本から高価な資本財を輸入し、わずかな付加価値を付け海外に輸出する低利モデルに従事しています。既に手遅れですが、韓国は昨年のウォン高の時期にこそ、海外の技術を積極的に自国に導入し、鵜飼いの鵜状況から脱却しなければならなかったのです。現実に韓国がやったことと言えば、ウォン高を利用し、日本から高品質の資本財を安価に輸入することだけでした。確かに短期的に見れば合理的なやり方でしたが、現在のようにウォン安になってしまうと、自国に付加価値の高い技術を持たないと言う点は、はっきり言って致命的だと思います。 
http://stooq.com/q/?s=usdkrw&c=1m&t=l&a=lg&b=1
 韓銀は5月後半からウォン高政策に舵を切り、懸命に外貨準備を取り崩し、為替防衛の介入を続けています。しかし、一時的に1?1012ウォンまでウォン高を進めたものの、見る見るうちにウォン安に引き戻され、今や再び1041ウォンを超えてしまいました。節目の1050ウォンを死守するためには、相当な外貨準備高取り崩しが必要な気がします。
 その上、今回の金融危機、通貨危機は決して韓国だけの問題ではないのです。


アジア勢:「介入合戦」勝ち目なしか,相手は米財務長官-モルガンS
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=asArybcNsDIE&refer=commentary
 6月11日(ブルームバーグ):モルガン・スタンレーによれば、アジア諸国の中央銀行がドル高を阻止しようとして介入しても、勝ち目はないかもしれない。ポールソン米財務長官は介入の可能性をほのめかしている。 (中略)しかし、モルガン・スタンレーのチーフ為替ストラテジスト、スティーブン・ジェン氏は、「アジア勢に勝ち目はない」と言う。同氏はインタビューで、「ドルはアジア通貨に対し上昇に向かう」との見方を示した。 (後略) 』

 ドル安を発端とするインフレーション、コモディティ高に耐えかねたアメリカが、ついにドル防衛を宣言。今のところ口先介入のみですが、明らかなドル高誘導に舵を切りました。韓銀はアメリカ合衆国を相手に、手持ちのドルでウォンを防衛しなければならないのです。
 はっきり言って、現代の世界でドルとアメリカに対抗できる経済母体は、ユーロの欧州と円の日本だけです。アジア各国の中央銀行の為替防衛は、無駄な抵抗に終わる可能性が高いでしょう。
 しかも、韓国は危機という面では先行しているベトナムと中国に過度に投資をしています。先にベトナムなり、中国なりが倒れたときに、その影響はディープインパクトとなって韓国経済に襲いかかることになります。この状況でも、韓銀の李総裁は「韓国に通貨危機は来ない」と言い続けており、そして当然ながら彼は「通貨危機など無い」と言い続けなければなりません。韓銀総裁が通貨危機の可能性をほのめかすだけで、韓国から一気に資本が引き上げられ、更なるウォン安と外貨準備高の減少をもたらすことになりかねないので、当たり前です。
 今の韓銀総裁の立場には、例え100万?の所得を保障されてもつきたくないというのが、関係者の率直な立場というところではないでしょうか。韓国経済の出口は、最早存在しないも同然なのです。


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