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 昨日(21日)の韓国ウォンの寄り付きは、さすがにビビリました。ドルが全世界の通貨に対して下げている中で、いきなりウォンが対ドルで1%以上も値を下げたのです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#KRWMay16-21_08

 韓国とは無関係のわたしが驚いたくらいですから、韓国の通貨相場に責任を持つ韓銀の担当者はもっと吃驚したでしょう。明らかに為替介入らしき動きが発生し、ドルウォンは一気に値を下げました。(ウォン高になりました)
 ロイターでも報道されたので、昨日の場開けに韓銀が為替介入をしたのはほぼ確実でしょう。

『韓国当局がドル売り/ウォン買い介入実施=外為市場関係者
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK818610720080521
[ソウル 21日 ロイター] 市場関係者らによると、21日の外為市場でウォンの対ドル相場<KRW=>が2年半ぶり安値に下落したことを受け、韓国当局がドル売り/ウォン買い介入を実施したもようだ。
 0026GMT(日本時間午前9時26分)現在のウォン相場は1050.0/50.5ウォンで、前日終盤は1050.3ウォン。
 午前の取引では一時1057.2ウォンまで下落し、2005年10月24日以来の安値を付けた。』

 韓銀による介入額は、5億ドルまたは10億ドルと言われていますが、とりあえずドルウォン相場は1050を切り、ここ一週間ほど続けていたレンジ内に収まりました。
 通貨が下落していくと、一般の中央銀行は手持ちの外貨(ドル等)で自国通貨を買い戻す介入、所謂為替防衛を行います。為替防衛を行うと、当然ながらその国の外貨準備がどんどん減少していき、行き着くところまで行き着くと、外貨準備が尽き、デフォルトに追い込まれるわけです。デフォルトとは何かと言えば、海外からの借金、所謂対外債務(通常は外貨建て)を返済することが不可能になり、債務不履行宣言を行うことです。
 ちなみに、1997年のアジア通貨危機の時には、韓国はデフォルト寸前にIMFや日本の融資を受けることができ、債務不履行だけは免れました。但し、このときはウォンが1ドル800ウォン台から二、三ヶ月で2000ウォン近くにまで下大暴落し、韓国経済は完膚無きまでに破綻しました。
 翻って現代を見ると、韓国の短期対外債務比率(短期対外債務÷全体外債務)は1997年時点を上回っており、短期対外債務対外貨準備高比率も、IMFが健全と評価する割合を遙かに超えてしまっています。
 昨日、韓国が近々(恐らく六月)に対外純債務国に転落すると書きましたが、果たして韓国経済は1997年と同じように、このまま通貨危機にまで突っ走るのでしょうか。それとも、韓国の当局者が言うように、今回の短期対外債務増加は主に造船業の通貨スワップによるもので、ファンダメンタルは97年当時よりも健全であるから、問題無いと見るべきなのでしょうか。
 一般に、通貨危機に結びつく経済破綻の前兆は、下記になります。

■急激な通貨安
■通貨防衛による外貨準備高急減
■短期対外債務の急増
■対外債務のロールオーバー不可

 実のところ、深刻さに差はありますが、韓国は上記四つを全て満たしています。通貨安と短期対外債務急増は前述しましたので、残りの二つを見てみましょう。

『4月の外貨準備高、前月比38億ドルの大幅減
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/05/06/0200000000AJP20080506000700882.HTML
【ソウル6日聯合】4月末現在の韓国の外貨準備高は2604億8000万ドルとなり、3月末に比べ37億6000万ドル減少した。韓国銀行が6日に明らかにした。
 韓国銀行は、外貨資産運用収益が増加したが、4月15日に満期となる外貨建ての外国為替平衡基金債券(外平債)の元利金として31億3000万ドルを償還したことに加え、ユーロなどその他通貨建て資産の米ドル換算額が減少したことで全体の外貨準備高が大きく減ったと説明している。外平債償還額を除いた場合、4月の外貨準備高は前月比6億3000万ドルの減少となる。
 外貨準備高の内訳は、有価証券が2280億4000万ドル(87.6%)、預金が319億8000万ドル(12.3%)、国際通貨基金(IMF)リザーブポジションが3億ドル(0.1%)、金が7000万ドル(0.03%)など。
 一方、3月末基準の主要国・地域の外貨準備高は、中国が1兆5282億ドル(昨年末現在)、日本が1兆156億ドル、ロシアが5070億ドル、インドが3092億ドル、台湾が2869億ドル、韓国が2624億ドル、ブラジルが1952億ドルなどとなっている。 』

 韓国銀行は08年3月末の外貨準備高について、前月より「増加した」と発表したあげく、国際収支報道の段階ではこっそりと「減少」に修正した前科があり、今一信用できません。

「韓国外貨準備高の謎」
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/7616799.html

 が、ウォン安の状況下ですので「外貨準備大幅減少」の報道には、さすがに信憑性があります。昨日も10億ドル規模の為替防衛を行ったようですので、5月も4月に引き続き、外貨準備が減少する可能性は高いでしょう。
 最後の対外債務のロールオーバーですが、昨年末頃にサブプライム渦の影響で、韓国の銀行が海外でロールオーバー(債務の借換)が七割程度しかできないという報道が流れました。また、最近では韓国の国民銀行がサムライ債(日本円建ての債権)の発行に失敗したとのニュースもありました。
 韓国の銀行のロールオーバーの状況が、日々刻々と悪化していることは間違いないでしょう。と言いますか、そもそもロールオーバーをできない状況だからこそ、短期対外債務が急増しているわけです。海外の金融機関は、もはや誰も韓国には長期では貸したくないのではないでしょうか。
 
 昨日のブログでも書きましたが、対外純債務国転落自体は、韓国経済が即座に経済破綻することは意味しません。問題なのは、韓国経済が経常収支黒字を稼ぎながら成長していくという、日本型モデルをキャッチアップすることに失敗したことです。
 対外債務増大、通貨安、外貨準備高減少、そして債務借換不可、あるいは困難による対外債務の短期化。この上、経常収支の赤字化、そして凄まじきインフレーションが来るわけです。韓国の資源利用の効率性は日本の三分の一位ですので、1バレル130ドルという凄まじき原油高は、韓国経済を直撃することになります(と言うか、しています)。
 この状況で、逆に韓国の銀行に好条件のロールオーバーを認めたり、あるいは投資なり融資が韓国を目指すと考える方が、無理というものです。誰も、通貨が持続的に下落していく国に金を注ぎ込んだりはしません。(為替差損が発生するため)
 恐らく近い内に韓国は、インフレ防止、及び外貨流入を目的とした利上げを行わざるを得ないでしょう。しかし、利上げはかつてない借金に喘ぐ韓国国民や中小企業を直撃し、景気を凍り付かせることになります。その上、通貨安を防ぐために景気を犠牲にして利上げをする国など、海外の投資家からしてみれば、単にリスクが顕在化したようにしか見えません。
 果たして、韓国経済はアイスランドやベトナムに続くのか、それともこのまま凌ぎきるのか。李明博政権は一年目から早くも正念場を迎えました。
 なお、今回の韓国経済の危機の責任は、ほぼ100%が李大統領の前任者にあり、李大統領には全く責任が無いことは明言しておきます。(だからといって、李明博氏が責任を逃れられるとは、全く思えませんが。何しろ、韓国のことですから。)

追記:来週月曜日(5/26)に楽しい(凄い)発表が二つあります。乞うご期待!

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