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『オセアニアはついにイースタシアと戦端を開いたのだ! 次の瞬間、とてつもない動揺が生じた。広場に飾ってある旗印やポスターは、みんな間違っているぞ! その大半は間違った顔を描いていた。こいつはサボタージュだ! ゴールドスタインの手先が工作したのだ! 一時は騒然として、その間に壁のポスターは剥ぎ取られ、旗印は切れ切れに引き裂かれた末に脚で踏みつけられた。スパイ団員は屋根の天辺によじのぼったり、煙突から翻る吹き流しを切り離したりして、超人的な活動ぶりを展開した。しかし二、三分も経たないうちに全てが片づいてしまった。弁士は依然としてマイクの付け根をしっかりと掴み、前屈みになりながら一方の拳で空を切っていたが、演説はずっと続けていたのである。さらに一分間が過ぎた。猛り狂った怒号が再び群衆の間から爆発した。"憎悪"は依然と全く同じ調子で続けられたのである、目標がすり替わったという一点だけを除けば。(中略)
 オセアニアはイースタシアと交戦状態に入ったのである。オセアニアは昔からイースタシアと戦争状態にあったということになるわけだ。この五カ年における大半の政治的文献は、今や全く廃物と化してしまった。あらゆる種類の報告書や記録、新聞、書籍、パンフレット、映画、サウンド・トラック、写真類など-一切は電光石火の速さで修正されなければならない。そのような指令は何一つ出ていなかったが、各局長の意向によれば一週間の内に対ユーラシア戦争、あるいは対イースタシア同盟に関するどんな記述も残存していてはならないということは知れ渡っていた。』

 のっけから引用で恐縮ですが、これは本ブログのタイトル「新世紀のビッグブラザーへ」の元ネタ(厳密にはシミュラフィクション「新世紀のビッグブラザーへ」の元ネタ)である、ジョージ・オーウェル著「1984年」の一シーンです。
 主人公が暮らすオセアニアは、長期間にわたり別の全体主義国家であるユーラシアと戦い続け、イースタシアと同盟を結んでいたはずが、ある日、この関係がひっくり返ってしまったのです。全体主義国家の良き市民たちは、一瞬は動揺するものの、手早く「イースタシア同盟」や「対ユーラシア戦争」のポスターなどを処分し、「イースタシアを殺せ!イースタシアを殺せ!」と叫び続けるわけです。つい五分前までは「イースタシア同盟万歳!ユーラシアを引き裂け!」とか叫んでいたくせに。
 ジョージ・オーウェルが「1984年」を書いたのは、1949年ですので、恐らく上記の描写はソ連とナチスドイツの関係を念頭に置いていたのではないかと思います。それまで互いに噛みつきそうな口調で宣伝戦を展開していたドイツとソ連は、1939年にいきなり「独ソ不可侵条約」を締結して、世界を唖然とさせました。そして、そのわずか二年後にはバルバロッサ作戦開始。地獄の独ソ戦が始まり、第二次大戦で最大級の死傷者を出したのは、ご存じの通り。
 ナチス・ドイツやソ連に留まらず、全体主義国家というのは本当に自己都合で敵味方を変えてしまいます。勿論、共産党独裁の中国も、言わずもがな。
 中華人民共和国成立当時の最大の敵は、アメリカ合衆国でした。台湾海峡や朝鮮半島で、実際にアメリカと中国は戦火を交えます。この当時、中国の最大の後援者は、スターリン率いるソ連でした。
 その後、スターリンが死にフルシチョフの時代になるや否や、中国はソ連と仲違いをします。中国はソ連に育てて貰った恩などすっかり忘れ、満蒙国境でソ連と激突し、国境紛争で死傷者まで出す羽目になります。中国の背信に猛り狂ったソ連は、満蒙国境に百万の精鋭部隊を揃え、アメリカに対し「共に中国に核を撃ち込もう」という提案までしたのです。
 途端、中国はいきなり臆面もなく、アメリカにすり寄り始めます。まさにオセアニア、イースタシア、ユーラシアの関係ですね。まもなくニクソンが訪中を果たし、米中共同声明が発せられることになるのです。(当時、中国の援助を受け、インドシナでアメリカと死闘を展開していたベトナムは、中国の裏切りに大激怒しました。当たり前ですが)
 中国はその後もころころと「敵国」を変えています。時にはベトナム、時にはインド。
 そして江沢民以降は一貫して我が日本です。
 特に天安門事件で評価を下げ、亡党の危機に瀕していた中国共産党は、中国の救世主たる共産党、日本軍を散々にうち破った共産党(勿論、全て捏造。実際に日本軍と戦ったのは、中国国民党)という大キャンペーンを展開し、その過程で中国の子供たちに大々的な反日教育が繰り返されることになりました。
 2005年の反日暴動では、憤青(愛国的反日青年、という意味らしいです)たちが大活躍。日本車をひっくり返し、日本製品不買運動を展開し、日本大使館に投石をして器物を破損するウィーン条約違反にまで突っ走りました。当然の結果、中国の国際的な評価は、雪崩を打つように落ち込みました。日本の対中投資が05年から激減を始めたのは、決して偶然ではありません。
 ところが、最近になって急激に、この中国の対日姿勢に変化が生じます。
 中国を訪問した福田首相をやたら持ち上げたり、「先進国日本に学べ」なテレビ番組を放映したり、来日した胡錦濤が日本の平和貢献を称え、国連安保理常任理事国就任に理解を示したり、一年前ならば「ありえねえ!」と叫んでいたようなレベルにまで、対日政策の大転換を行いました。中共に煽られて散々反日に精を出していた憤青など、いい面の皮です。
 挙げ句の果てに、四川大震災で日本の救助隊を真っ先に受け入れ、救助隊が帰国した途端にこのアンケート。

『四川大地震支援で、日本に好感持つ人が84%に上昇
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080522-00000037-scn-cn
株式会社サーチナの上海現地法人・新秦商務咨詢(上海)有限公司(上海サーチナ、サーチナ総合研究所)が行った中国現地の消費者調査(5月19-20日実施)で、四川大地震に対する日本の支援で中国人の対日好感度が上昇したことが明らかになった
 救援隊派遣や義援金拠出など、一連の支援により「親近感や友好感など、日本に対する感情が変化しましたか」との問いに対して「非常によくなった」は11.3%、「ある程度よくなった」は62.5%だった。
「もともとよい感情を持っており、あまり変わらない」とした人は8.5%、同「全く変わらない」は1.3%だった。
「好感度が上がった」とする人は73.8%、「これまでと同様、好感を持っている人と合わせると、現時点では83.6%の人が日本に対して好感を持っていることが明らかになった。
 一方、「日本にはもともと悪い感情を持っており、あまり変わらない」とした人は12.5%、同「まったく変わらない」とした人は3.9%だった。
 中国人の間に日本を嫌う感情や不信の念があるのは事実だが、今回の調査では「それでも日本は嫌い」とした人は15%程度で、5割以上の数値を示していた地震発生前の各調査とは、大きく異なる結果になった。
「日本に対する感情が非常によくなった」とした人は、年齢とともに上昇する傾向がはっきりしており、10代で11.1%、20代で8.5%、30代で13.4%、40代で20.3%、50代以上で19.4%だった。
 1990年代に強化された「愛国主義教育」を、中国政府は「過去の歴史を学ばせるためで、反日が目的ではない」などと説明してきたが、低年齢層で日本に対する見方が大きく変わった人が少ないことには、教育が関係している可能性が指摘できる。』
データ画像はこちら↓
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_02.html#China080523

 (宮村優子の口調で)きもちわるい・・・・。
 全体主義国のアンケートなど、当局の意向を100%踏襲しているに決まっています。なぜなら中国には報道の自由はもちろんのこと、言論の自由、発言の自由もないからです。
 にも関わらず、この調査結果が報道されたということは、中共中央が反日路線を転換することを真剣に検討し始めたと、判断するしかありません。その理由としては、北京五輪を恙なく終えたい、チベット問題で叩かれたくない、サミットで突っ込まれたくない、スタグフレーションに苦しむ経済を何とかして欲しい、等々、色々と考えられますが、日本人の対中意識の改善は、もはやどうあがいても無理でしょう。
 「日本は嫌いじゃない」という中国人が(当局の)アンケートで80%を超えたとしても、我々は「あ、そ。でも俺らは中国人が嫌いだから」と言い続ければ良いのです。どうせ中国人の対日意識など単なる「数字」に過ぎず、中共の戦略に沿ってころころと変わります。長年の反日教育を受け続けた愚民たちが、いきなり「日本大好き」に転換することもあり得ません。幾ら報道を自由にできる共産党であっても、人間の心の奥底までは、そう簡単には弄れません。(ちなみに、時間を掛ければ弄れます。)
 
 それにしても、中国が対日戦略を大転換したとして、次はどこの国を「敵国」に定めるのでしょうか。国民を弾圧している共産党政権は、国外に敵を設定しない限り、人民を統制できません。
 まさかとは思いますが、次の敵国は日本と中国に挟まれた、例の国ではないでしょうね。まさか・・・。

追記:来週月曜日(5/26)に楽しい(凄い)発表が二つあります。乞うご期待!

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