「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」が正式に発売になりました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926583
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32119420

 昨夜のコメント欄は凄かったです。皆さま、様々なご意見、まことにありがとうございます。
 イギリス経済や欧州経済に関する書籍は、難しいですね・・・。知識とスキルが不足しすぎています。それを言えば、アメリカ経済も無理だったので、戸締役さまに監修をお願いしたのですが。
 さて、韓国経済にとって運命の月、第二週が始まろうとしていますが、ブルームバーグよりまこと象徴的な記事が配信されました。

アジアの中銀、ファニーとフレディ関連証券の購入停止か-モルガンS
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aoGsyitAh8aA
 9月5日(ブルームバーグ):米証券大手のモルガン・スタンレーによれば、いくつかのアジアの中央銀行はファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)関連証券の購入をやめた可能性がある。保有ドル建て資産のうち、米政府支援機関(GSE)発行のエージェンシー債や住宅ローン担保債券がかなりの部分を占めているが、値下がりが激しくなり、ドル売り・自国通貨買い介入がやりづらくなる可能性があるためだという。
 米国の景気減速で世界経済の成長が鈍化するなか、投資家が新興市場の資産を取り崩し始めている兆候があり、韓国のウォンやインドネシア・ルピアを中心にアジア通貨は過去1週間で下落。モルガン・スタンレーの外為調査担当責任者、スティーブン・ジェン氏らは4日付のリポートで、日本を除くアジアの通貨は売り「圧力にさらされ」、各中央銀行は為替介入で自国通貨を買い支えることができるか試されていると指摘している。
  また、ジャン氏らはリポートで、「問題は、これら中銀のいくつかはエージェンシー債を大量に保有するあまり、効果的に介入できないようなことがあるのかどうかだ」とした上で、「この問題は少なくともアジアの1中銀に当てはまる」と指摘した。』

 「この問題は少なくともアジアの1中銀に当てはまる」って、そげキング!ですかw 
 そげキング登場の時は、一体、そげキングの正体は誰なのだろうか、で2ch少年漫画板は大いに盛り上がりましたが、今回も「アジアの1中銀」って、どこだ?というネタで、東亜+板で大いに盛り上がっています。ああ、楽しいw
 アジアの1中銀がどこかはさっぱり分かりませんが、韓銀発表の8月末時点の外貨準備高は2432億ドルで、前月末比で43億ドル減少でした。この減少額(の小ささ)については、ロイターが「市場関係者によると、中銀は8月に少なくとも70億ドル規模のドル売り/ウォン買い介入を実施したもよう。」と、微妙な表現をしていましたが、とりあえず韓銀の発表に信を置くことにしましょう。
 韓銀の報道によると、外貨準備の内訳は以下の通りとなっています。

有価証券が2093億4000万ドル(86.1%)
■預金が333億6000万ドル(13.7%)
■国際通貨基金(IMF)リザーブポジションが3億4000万ドル(0.1%)
■金が7000万ドル。

 要は、最大の比率を占める有価証券のうち、ファニーメイやフレディマックなどのGSEの債券、すなわちエージェンシー債がどれだけの比率を占めているか、がポイントですね。ファニ・フレの状況はあまりにも流動的で、彼らの発行した債券が流動性を保てるかどうかは、現時点では不明です。
 特に今は状況が流動的であるからこそ、どこも引き受けたがらないし、逆に保有者も売却したくないでしょう。つまり、以前より却って流動性が低くなっているように思えるのです。
 韓国のことだから、この微妙な情勢下で逆に大量のGSE債を売却してしまい、カタストロフィの引き金を引く、などという危惧もないわけではないですが、まさかねえ・・・。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_10.html#Kabu080905

 ここ半年の日本、アメリカ、英国、中国、韓国の株式相場の推移を比較してみました。
 上海総合株価指数の9月5日終値は2202ポイント。なんと十月のピークから早くも64%の下落です。
 韓国のKOSPIは以前は粘りを見せていましたが、ついに耐え切れずに下落幅が大きくなり始めましたね。心理的に、KOSPIが1400ポイントを切ってしまうと、韓国人にとってはかなりのダメージになるでしょう。(金曜日の終値は1,404.38ポイント)
 
 ところで、YONHAP(連合ニュース)で「外貨準備」とか「通貨危機」で検索すると、面白いです。

韓銀総裁「ウォン安続くが通貨危機時とは異なる」 9/2
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/09/02/0200000000AJP20080902001100882.HTML
金利は凍結・通貨危機再来はない、米リーマン見通し 9/3
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/09/03/0200000000AJP20080903000300882.HTML
韓国、金融危機を予見するような理由ない」IMF 9/4
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/09/04/0200000000AJP20080904000300882.HTML
韓国は信頼危機乗り越える、米金融機関ら危機説否定 9/5
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/09/05/0200000000AJP20080905000200882.HTML

 必死すぎですw 本当に危機にならないと確信しているなら、逆に放っておけばいいのです。
 個人的には、外貨準備高やらGSE問題やらよりも、むしろこっち↓のニュースの方が韓国経済やKRWにかつてない危機をもたらすと思いますがね。

核施設から取り外された部品の封印、北朝鮮が一部撤去
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080906-OYT1T00551.htm
 国際原子力機関(IAEA)の北朝鮮での活動に詳しい外交筋は6日、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の核施設から取り外された部品に装着された封印の一部を撤去したことを確認した。
 封印には無能力化作業を実施している米国とIAEAが取り付けたものがあり、北朝鮮はIAEAの封印には手を触れず、米国製の封印だけを選択的に外しているという。(後略)』

 最近のようにボラタリティ(変動率)が拡大する前のKRW(韓国ウォン)は、一日に1%変動することは稀でした。但し、北朝鮮のミサイル連射や核実験の際だけは、1%を越える幅で下落しました。投資家は、ある意味素直というか、空気が読めてます。

 ちなみに、↓空気が読めない人。

米政府系金融の混乱、韓国に波及=ウォン下落に拍車
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%b4%da%b9%f1&k=200809/2008090700041
 米政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の経営危機の影響が韓国に飛び火し、同国通貨ウォンの下落に拍車を掛けている。韓国政府は外貨準備の一部を両社が発行した債券で運用しているが、信用不安の高まりで債券の売却が困難となり、ドル売り介入に必要な資金の調達が難しくなったことがウォン下落の一因とみられている。
 ファニーメイとフレディマックが発行する債券はこれまで米国債並みに安全とみなされ、外貨準備の運用先となっていた。両社の経営状況の急激な悪化は、韓国の金融当局にとって想定外だった。

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