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 このネタは次回作に絡むので、本当はあまり書きたく無かったのですが、さすがに価格高騰が洒落にならなくなってきたので。
 今更言うまでもなく、原油価格の高騰です。先週前半に一時的に下落し、もしかしたら120ドルを切るのではないかと思われたWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)ですが、週末には反転。6月6日の終値は1バレル=138.5ドルと、人類が未だかつて経験したことのない相場領域へと突入しました。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_02.html#WTIJun09

 WTI原油先物価格は1998年12月には1バレル10.35ドルという安値を付けました。約10年間で、13.4倍という異様な高騰を見せたことになります。
 この原油価格の高騰の理由ですが、様々な立場の人々が展開する主張が入り乱れており、原因を一つに絞り込むことは難しいと思います。幾つか代表的な例を挙げてみます。


■BRICs諸国による需要拡大に、産油国の投資や産出が追いついていない(注:これに対し、サウジアラビアの石油相か誰かが、「需要分は供給している」と反論しています。)
■金融収縮によりマネーのドル離れが起き、コモディティ(原油や食糧など)にリスクがシフトした。(注:これに対し、ポールソン米財務長官は、原油相場高の主因は需給の問題であり、投機やドル安は些細な要因に過ぎない、とアブダビにおける講演で反論しています。)
■0.5%ショック(米国の失業率が5%から、いきなり5.5%に急上昇した件)で米国の不況が確定的になり、ドルから離れた資金が原油市場に集中した。
■中東のイスラム諸国とイスラエルの対立が深まり、イスラエルのモファズ副首相が「イランが核兵器を開発続けるのなら、攻撃は不可避」と発言し、将来にな原油の供給不足が悪化する可能性が出てきた。


 中にはこんな発言をする方もいます。

原油高に怒りもピーク=米投資家を名指しで非難-経産次官
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080609-00000082-jij-bus_all
「怒りに近いものを感じる。何でも、もうければいいというマネー経済、ウォールストリート資本主義の悪い面が出ている」-。経済産業省の北畑隆生事務次官は9日の記者会見で、1バレル=140ドル目前に達して天井知らずの原油高騰に怒りを爆発させた。
 同次官は、米機関投資家のゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが原油高は今後も続くと予測したリポートを公表後、原油が急騰したと名指しで非難。「片方で投資をしておいて(取引に)有利な情報を流す。(市場の価格が)しかるべき水準に収れんするメカニズムが機能していない」と不満を述べた。
 その上で「どんなことがあってもファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は60ドルだと言い続ける」と強調した。』

 つまり、
■ゴールドマンやモルガンが原油高継続の予測レポートを公表した途端、原油価格が高騰した。原油高の最大の理由は、米国大手機関投資家による、市場操作である。
 ということでしょうか。
 いずれにせよ、原油価格の高騰は、上に並べた様々な要因が絡み合った、複合的な原因に因るものだと考えています。
 6月7日には青森でG8(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ロシア、イタリア、カナダ)に中国、インド、韓国を加えた、11カ国によるエネルギ-相会合が開かれました。


2008/06/07-12:35 エネルギー相会合が開幕=日米中など5カ国、原油高議論
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008060700065&rel=y&g=pol
 日本、米国など主要8カ国(G8)に中国、インド、韓国を加えた11カ国のエネルギー相会合が7日、青森市で開幕した。同日は日米中印韓の5カ国が原油高対策を集中的に議論。主要なエネルギー大量消費国の立場から懸念を表明するとともに、省エネ推進による石油需要抑制などを進めて価格沈静化を目指すことを確認し、共同声明を採択する。
 5カ国エネルギー相会合は2006年12月の中国・北京以来、2回目。議長の甘利明経済産業相は冒頭のあいさつで「原油価格はまさに異常な水準に達しており、世界経済後退の大きなリスク要因になっている」と述べ、原油高対策で参加国に連携を呼び掛けた。
 各国は、災害などで原油市場混乱の懸念が生じる緊急時の対応強化を確認する。省エネや代替エネルギー開発に努める姿勢も打ち出す。併せて、産油国にも供給不安解消へ生産設備の余力引き上げなどを訴える見込み。』

 今回の原油価格高騰の象徴であるWTIですが、ご存じアメリカはテキサス州を中心に産出される原油の先物指数です。この指数で取り引きされる原油自体は、世界で産出される原油の1~2%程度を占めるに過ぎません。
 日本が多く輸入している中東原油は、UEAドバイ産の原油価格に左右されますが、このドバイ産出の原油価格自体も、WTIの影響を大きく被ることになります。つまり、世界で産出される原油の1~2%程度の先物指数であるWTIが、全世界の原油価格を事実上、先導してしまうのです。
 何となく、ペトロチャイナのインチキ時価総額の件を思い出しませんか?(下記3月30日のブログ参照)

http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/5401180.html

 アメリカのサブプライムローン破綻に始まる信用収縮、証券化ビジネスの崩壊、世界経済歪みの解消は、資本主義社会における様々な矛盾、問題を顕在化させる効果もある気がします。


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