本日と明日は日本経済の今年の第一四半期(1月-3月)までのまとめと、それに基づく今後の予想になります。タイミング悪く「ドル崩壊!」のゲラがあがってきてしまい、そちらのチェック作業もありますので、前編後編の二回に分けさせて頂きました。
 まずは、数値的なまとめですが、とりあえずデータがすぐに入手できた2004年から2008年Q1まで。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_08.html#JGDP04-08Q1

 んん?ちょっと意外なほどの日本のGDP成長率の健全性が浮き彫りにされました。
 例えば日経新聞は「2002年以降の日本の経済成長は、外需依存の高まり、つまり輸出依存だった」と繰り返し主張してきましたが、実際には純輸出のGDP成長率への貢献は、2005年までは大したことありません。純輸出がGDP成長率に大きく貢献したのは、実質的には07年のわずか一年間です。しかしその一年にしても、純輸出の成長率は個人消費(民間最終消費支出)には及んでいないわけです。
 日経は以前、「純輸出の成長率が、民間支出の成長率を上回った」と嬉しそうに書きたてましたが、これは2007年の民間支出を構成する民間住宅の異常な下落が主因である事は明らかです。そして2007年になぜ民間住宅が落ち込んだかと言えば、これは言うまでもなく耐震法改正の影響なわけですから、明らかにこの年に限定される異常値です。
 つまり日経新聞は、
?2007年の純輸出の成長率は、個人消費の成長率に及んでいない
?個人消費に民間住宅、民間企業設備、それに民間在庫品増加を加えた民間需要で見ると、0.4%成長となってしまい、純輸出を下回る。(詳しくは情報ソース先参照のこと)が、これは明らかに法改正による民間住宅の異常な落ち込み(何と-13.3%!)が原因で、個人消費自体はそれなりに成長していた。
 にも関わらず、日本の成長は輸出、つまり外需によるもの。日本の個人消費はボロボロ。日本は輸出無しでは生きていけない!と、例の外需依存嘘話(日本の外需依存度は、主要国ではアメリカに次ぎ小さいにも関わらず、日本は外需依存!日本は外需依存!と主張する嘘話)と合わせ、日本経済は「外国(具体的には中国様)無しでは経済成長できない」というデマを振りまいていたわけですね。
 日経にしてみれば、とにかく中国様の都合が全てに優先しますので

日本が実は内需国家で、個人消費などの民間需要が世界で二番目にでかい国
07年でさえ、個人消費の伸びは純輸出の伸びを上回っている
円高は日本の国力を増強させると共に、日本人の購買力を高めて個人消費を益々拡大させる
真の「外需依存国家」とは、外需依存度が36%にも及んでいる中国で(日本は15%程度)、中国こそが外国に頼らなければ生きていけない経済構造である
■08年Q1の日本のGDP成長率は、対前期比で1%、対前年比で4%にも達し、先進国の中では図抜けて高い

 などの真実を日本人に知られるのは、都合が悪いわけです。
 今年の第一四半期の日本の経済成長率が良すぎたため、日経は現在「日銀予想によると」「内閣府予想によると」「業界アナリストによると」日本の第二四半期以降の経済成長率はボロボロです!キャンペーンを実施中です。
 どうでもいいけど、この日銀とか内閣府とか業界アナリストやらは、第一四半期の日本の(年換算)4%の成長率を正しく予想できたのでしょうね。誰かが、彼らの予想の正しさを検証をしたのでしょうか?などと意地悪な突込みを入れたくなります。
 
 本日の日本経済話はここまで。(明日に続きます。)

 一昨日、ネット上に「存在する存在」である集合知について書いたら、反響の多さにびっくりしました。
 実は、かくいう三橋貴明も、この集合知により産み出された存在だったりします。
 知っている人は知っているでしょうが、2chの韓国経済wktkスレッドの初期、わたしが「それより、本を書きたいんだよね~」と書き込みをしたことから、全てが始まりました。その直後から無数のアイデアや応援レスが書き込まれ、瞬く間に「まとめサイト」が誕生しました。それまでwktkスレをROMしていた人たちまでもが書き込みを始め、名無しさんがコテを名乗り始め、一種のコミュニティが形成されていきました。そのあまりの勢いに、わたしはネット上で渦巻く何かに吸い込まれる感触を覚えたのでした。
 あの時、ネット上に溢れていた存在は、間違いなく何らかのパワーでした。その後、色々と勉強していくうちに、わたしはあの種のパワーが、マーケティング用語で「集合知」と呼ばれている事を知ったのです。
 2chの一コテハン(お弟子さんに薦められるまでは、コテさえ持たない名無しでした)が本を執筆し、チャンネル桜に出演(二度も)し、SBSラジオで韓国経済を語り(何とか巧くいきました)、そしてもしかしたら来週日曜日には「サンプロ」に出演するかも知れないのです。これも全ては、単にわたしが集合知にアクセスする手段を持っていたおかげです。
 この集合知へのアクセスこそ、真の意味での「情報化」、かつてアルビン・トフラーが唱えた「第三の波」なのではないかと、最近では考えていたりします。

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