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 韓国が、どうやらついに対外債務が対外債権を上回る、所謂「純債務国化」することが確定したようです。

『韓国、8年ぶり純債務国に転落へ
http://www.chosunonline.com/article/20080521000010
韓国、8年ぶり純債務国に転落へ
 企画財政部は20日、韓国が通貨危機から脱却した2000年以降、8年ぶりに純債務国に転落する見通しとなったことを明らかにした。
 純債務国とは、政府や企業が外国に貸した対外債権より外国から借り入れた対外債務のほうが多い状況を指す。対外債務が増えたのは、銀行の為替先物取引と債券投資目的の1年未満の短期借り入れが急増したためで、現時点では危機的状況に陥る可能性は低いが、企画財政部は「管理が必要だ」としている。
 対外債権から対外債務を差し引いた純対外債権は2005年に1207億ドル(約12兆5000億円)に達したが、昨年末には348億ドル(約3兆6000億円)まで急減し、今年に入っても減少が続いている。このまま推移すれば、6月ごろには対外債務が対外債権を上回る状況となる見通しだ。
 企画財政部の崔重卿(チェ・ジュンギョン)第1次官は「当面は危険はなく、悪性の状態とはいえないが、(債務が)累積すれば悪性化することもある」として、対外債務の増加に歯止めをかけるための対策を模索していく考えを示した。
 信用格付け大手の米スタンダード&プアーズ(S&P)は昨年10月、韓国の金融機関による対外債務が増加しており、金融セクターの潜在的リスクが顕在化すれば、政府の財政負担が増大するマイナス要因になる」と指摘していた。
 韓国政府は銀行の短期対外債務に問題はないとの立場だが、国家信用度に悪影響を与える恐れがあり、特定金融機関に対外債務が集中した場合、国際金融市場の変動に伴い償還繰り延べができなくなるなどの問題が起きる可能性もある。』

 韓国の対外債務急増と、純債権額の減少は、ほぼ100%盧武鉉政権の責任なので、李明博大統領を始めとする現在の韓国当局の方々は、完全に尻拭いを押しつけられた事になります。お気の毒。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#KoreaD&A07

 韓国の対外債務は2006年から異様な伸びを見せ始めましたが(拙著「本当はヤバイ!韓国経済」参照)、2007年もその勢いは全く衰えるところを知りませんでした。韓国の対外純債権は2007年第一四半期末に1000億ドルを切り、それからは各期末ごとに200億~300億ドル位ずつ一貫して減り続けてきました。昨年末時点の対外純債権が348億ドルにまで落ち込んでいましたので、今期(08年第二四半期)中の韓国の対外純債務国転落はもはや確定的でしょう。
 韓国の場合は、純債務国転落以上に、短期対外債務、及び一年以内に返済しなければならない長期対外債務(韓国は流動外債と呼んでいます)の割合が異様に大きいことが問題です。韓国の短期対外債務と流動外債を合わせた額は、2007年末時点で約2000億ドル。韓国の対外債務全額の52.5%に達し、外貨準備高の76%に達しているのです。
 更に、今年に入り韓国の短期対外債務増加と外貨準備高減少(為替防衛による)が顕著であるため、この二つの数値は悪化していることはあっても、改善していることはないでしょう。
 韓国の短期の対外債務が増えているのは、もはや韓国に長期で外貨を貸してくれる金融機関が無くなった、あるいは減っている事を端的に示しています。勿論、韓国よりも状況が悪い国は幾つかありますが(アイスランド、ベトナムなど)、サブプライム問題に始まった世界的な金融収縮が、経済が脆弱なところから痛めつけている事を明確に示しています。
 韓国の対外純債務国転落ですが、実は純債務国転落は世界的に見ると、珍しい現象でもなんでもありません。かつての大債権国であったアメリカもイギリスも、純債務国に転落する瞬間を経験し、今も変わらず純債務国のままです。
 問題は、純債務国転落そのものよりも、そこに至る過程だと思います。
 韓国の純債務国転落の理由は幾つもあります。例えば通貨スワップによる短期対外債務急増、韓国への直接投資の激減などですが、何よりも最大の原因は、経常収支の黒字激減、そして赤字化です。
 経常収支の黒字は、そのまま「対外債権の増加」を意味しますので、経常収支巨額黒字国は、おしなべて対外純債権国です。(日本、中国、スイス、ドイツなど)
 ところで、対外純債務国であるアメリカ、イギリスは、経済の構造的に、始めから経常収支の黒字など望んでいません。この両国は所謂「債権取り崩し国」で、巨額の貿易赤字を資本収支の黒字によりファイナンスすることで、自国の経済を発展させる道を歩んでいます。
 韓国が問題だと思う最大のポイントは、日本や中国のように「貿易立国」を志しながら、経常収支が赤字化する事で純債務国に転落してしまった事実です。つまり、韓国は結局のところ彼らが望む、日本のような貿易強国にはなれなかったのです。
 最近の韓国は一応、輸出は伸ばしていますが、それ以上に輸入が増えているため、貿易収支を恒常的に赤字化させてしまっています。これは、貿易国としての韓国の付加価値が、日々下落し続けていることを意味しています。
 つまり、韓国は日本(や中国やドイツ)をキャッチアップすることに、最終的に失敗してしまったのです。韓国の純債務国転落は、債務増大よりも何よりも、韓国が日本になることに失敗し、今後の経済のあるべき構造、すなわち成長の道を見失ったことを明瞭に示しているのです。
 ちなみに、韓国が今から方針転換して、アメリカ、イギリス式の経済構造の道を目指すことは不可能です。この両国は確かに国としては純債務国ですが、国民は巨額の資産を積み上げており、国民の金融資産の額が世界で一位と三位なのです。(二位は日本)
 韓国の債務問題については、ウォン安と絡めて明日にでも。

追記:来週月曜日(5/28)に楽しい発表が二つあります。乞うご期待!

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