日本の財政は結局どうなのか?(下) 前編
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/11114354.html
からの続きです。

 さて、長々と書いてきましたが、日本の財政は「三橋式定義」によると、現時点では破綻状態とはいえないわけです。(むしろ徐々に改善している)但し、借金が嫌いな日本人が、政府の債務が増加していくのを嫌う気持ちもよく分かります。
 そこで、日本の財政をもう少し安心できるレベルにすることはできないのか、という日本人のニーズに答え、健全化のスキームを検討してみたいと思います。
 実は、わたしが検討するまでもなく、一部の国会議員が非常に真っ当な日本財政「健全化」のスキームを提案しているのです。しかも、よりにもよって「あの」中川秀直(酒じゃない方の中川)氏を中心とするグループです。
 個人的には、わたしは(分かると思いますが)中川秀直議員が大嫌いです。が、氏の提案する日本財政再建スキームは、非常に優れていると認めざるを得ません。そのスキームとは、以下になります。(下の五つのスキームは、1から順番に実行するべし、という優先順位になっています)


1. デフレ脱却:デフレから脱却し、CPI上昇率2%程度の軽度のインフレになれば、名目成長率が4%近くにまで上昇し、プライマリーバランスが好転します。
2. 政府資産の圧縮:そもそも六百兆円を超える日本政府の金融資産が、巨大すぎるのです。資産売却や、証券化により得た円で債務返済し、バランスシートを圧縮することは、財政健全化に非常に有意義です。
3. 歳出削減:政府のスリム化ですね。
4. 制度改革:やはり、政府機能のスリム化です。
5. 増税


 と、財務省がしゃかりきになって叫んでいる増税が、優先順位の一番最後になっています。
 このスキーム、バブル崩壊後の日本企業のリストラクチャリング(再構築)に非常に似通っていることにお気づき頂けたでしょうか。
収益性を高め、バランスシートを圧縮し、費用構造を見直し、必要があれば人員削減を行い、最後に製品の値上げをしろ、と言っているようなものです。どこの世界にリストラクチャリングの第一弾として、製品の値上げを実施する企業がいるというのでしょうか。そんなことしたら、厳しい競争環境の中で瞬殺され、即倒産です。
 正直、デフレ脱却し、政府の資産を百兆円レベルで圧縮し(その分の債務を返済し)、歳出削減と制度改革に取り組み(公務員を減らし)、それでも財政が刻々と悪化しているというのであれば、増税に反対する日本人は殆どいないのではないでしょうか。今の財務省のやり方に怒りを感じるのは、財政再建(わたしの言う健全化)の手段は幾つもあるのに、財務省や一部の政治家が、ひたすら消費税の増税のみの議論に持ち込もうとし、胡散臭い政治臭を感じざるを得ないからです。
 昨日も書いたように、
日本は今まさにデフレから脱却し、このままCPIが上昇していけば、名目成長率が健全に上昇していき、プライマリーバランスは放っておいても改善するのです。しかし、世界的に需要が減退し、日本企業が頼れる市場が内需オンリーになろうとしている状況で、内需を叩き潰す増税をたくらむなど、正気の沙汰ではありません。
 まあ、文句ばかり言っていても始まりませんので、きちんと理論武装した上で、大声で財務省とメディア批判を叫びたいと思います。声を出さなければ、何も変わりません。

 いずれにせよ、昨日ご紹介した「高橋洋一著 さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白 講談社」は、この手の話が沢山載っていて、大変参考になります。機会がありましたら、ご一読を


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