「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」が正式に発売になりました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926583
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32119420

韓国組曲『うり☆なら』(修正版)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1613025
 ・・・この動画を見て、「日本人って変態的天才!」と思ってしまったわたしは、やっぱり変態ですか?

 株式にしても、通貨にしても、バブルが崩壊する際の特徴の一つに「ボラタリティ(変動率)」が上がる、というものがあります。要は、上げるにせよ、下げるにせよ、一日の変動幅が大きくなるということです。
 中国株バブル崩壊時、寄り付きで2%近く下げた後、終値が7%以上上げたことがありますが、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。一日の変動幅が、実に9%を超えたわけです。(日経平均なら、一日に1000円動くのと同じです。)
 最近のユーロや英国ポンドの動きを見ていると、中国株バブル崩壊時と、そのダイナミックな動きが重なるように思えます。大きな幅で下落と上昇を繰り返し、中期的には暴落していくのが、典型的なバブル崩壊の特徴というわけです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_10.html#vsUSD080913

 昨夜のドル下落(と、ドルペッグみたいになっている日本円の下落)は、直接的にはアメリカの利下げ観測の「ドル売り」のようですが、今後は欧州、英国の利下げ観測、原油相場の下落、欧州経済の停滞、リーマン問題の決着などなど、為替の波乱要因が満載です。特に、来週の月曜日のように東京市場が開かない日は、大きく円相場が動く傾向がありますので、注意が必要です。

ドル、対ユーロで大幅安-米利下げ観測も売り材料
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aARNwCtSNfAM
 9月12日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して下落。2006年1月以降で最大の下げとなった。
 一方、ユーロやブラジル・レアル、ポンドは円に対して上昇した。米証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが身売り交渉を進めているため、高金利通貨の売り持ちを縮小する動きとなった。年内に米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げに踏み切るとの思惑が強まったこともドル売り・ユーロ買いを誘った。
 TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏(トロント在勤)は「週末が近づくにつれ、最近の持ち高の解消が起こっている。15日朝の状況がどうなっているのか不透明感は強い。この日のドル売りは週末を控えた持ち高調整が原因だ」と述べた。
 ニューヨーク時間午後4時19分現在、ドルは対ユーロで前日比1.6%安の1ユーロ=1.4222ドル。前日は1.3998ドル。この日の円はユーロに対して2.3%下落して1ユーロ=153円40銭(前日は149円98銭)。円はドルに対して0.7%安の1ドル=107円88銭(前日は107円17銭)。
 主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は1.4%安の79.011と、2006年1月以来の大幅な下落率。前日は07 年9月以来の高水準となる80.375を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は同月から当時5.25%の水準にあったフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き下げを開始した。
 - ドル高基調の終えんか
 対ユーロでのドルは7月15日に1.6038ドルと最安値を更新した後、ほぼ12%戻している。欧州の景気鈍化に加え、原油相場が最高値1バレル=147.27ドルから30%余り下げていることが背景。
  BNPパリバのテクニカルアナリスト、アンドルー・シャベリア氏(ニューヨーク在勤)はドルの戻り基調が「終わった」とし、今後数週間以内に1.50ドルまで下げると予想する。前日にユーロ相場のローソク足チャートにいわゆる「トンカチ」が表れたことが理由。トンカチとは取引開始直後から大きく売られたが、その後に買いが入り、寄り付きと同水準で引けた形をいい、トレンドの反転を示唆することが多いとされる。
 シャベリア氏はドルが1ユーロ=1.3850ドルの上値抵抗線を抜けることができなかったことも「ドルの地合いを危うくしている」という。(後略)』

 確かにシャベリア氏のコメントどおり、レパトリが一段落しそうな状況である以上、ドル高傾向も反転する可能性があります。が、欧州経済の沈滞ぶりやバブル崩壊を見ると、ECBが利下げして更なるユーロ安に向かう可能性も、また同じようにあるでしょう。
 以前書いたように、アメリカと欧州とどちらの経済が「より悲惨か」という、不毛の通貨戦争が本当に勃発しそうです。(悲惨度が高い地域の通貨が、下落していく。)
 
 ところで、ドル崩壊で「RMBSやCDOの問題を遥かに上回る危険度」と書いたCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の問題が、またまた大きく動き出しそうな情勢です。これまでもAIGなどCDSの売り手に巨額の評価損を計上させ、世界中の売り手を窮地に陥れているCDSですが、本家本元の「ファニーメイ&フレディマック」の債券を対象にしたCDSにより、各金融機関に莫大な評価損が発生しそうな状況なのです。

米住宅公社対象の信用デリバティブ、前倒し清算で巨額損失も
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080913AT2C1200J12092008.html
 米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を対象にした信用デリバティブ(金融派生商品)の前倒し清算に絡んで、世界の金融機関に巨額の損失が発生する可能性が出てきた。損失は数百億ドル規模にのぼるとの見方も浮上している。一部の日本の金融機関も取引しているとみられるが、実態は把握しきれず、実際の影響は不透明だ。
 業界団体の国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)は8日、公的管理の決定を受けた住宅公社の債券を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などを前倒しで清算すると決めた。』

 実際問題として、果たして本当に「数百億ドル(数兆円)」の評価損で済むのでしょうか。個人的には、数兆円「程度」の損失で済めば、御の字というところだと思います。それほどにCDSの問題は、規模があまりにも巨大で、実態の把握が難しいのです。(総額だけは「約5000兆円」と報道されていますが)
 GSEのCDSの評価損問題が本格化すると、さすがにこれは強烈な「ドル崩壊」の一要因になると思います。いずれにせよ、為替相場が安定する日は、まだまだ遠そうです。

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