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 現在、世界で進行しているスタグフレーションは、これまでのもの(石油ショック時のスタグフレーションなど)とかなり特色が違うと思うのですが、誰もまだ命名していないようなので、勝手に名付けてみました。
 ハイブリッド型スタグフレーション、と。(まあ、流行らないでしょうがw)
 ハイブリッド型スタグフレーションは、下記の特色を兼ね備えています。
1. インフレーション面として物価が高騰していくのは、資源や食糧など、先物などで投機が成り立つ商品
2. 工業製品についてはむしろ過剰供給で、製品価格が持続的に下落していく
3. 製品価格下落により企業業績が悪化し、失業率が上昇する。
 前回のブログで長谷川慶太郎氏の分析ミスについて触れましたが、供給過剰で製品価格が持続的に下落していくのであれば、これはすなわちデフレであって、氏の分析は真っ当すぎるほど真っ当です。BRICSを始め、新興経済諸国でインフラニーズが高まり、先進国においても天然ガスのパイプラインや原子力発電所など、インフラ投資が目白押しで、余剰マネーを吸収していくという予想も、昨年前半まではわたしだって「全くその通りだ!」と思っていました。
 現実には余剰マネーが商品市場に雪崩れ込み、エネルギーと食料価格を高騰させているわけですが、このパターンのスタグフレーションは、恐らく史上初なのではないでしょうか。同じモノであっても、ある種の商品は価格高騰、別の商品は価格下落というわけで、この点が「ハイブリッド」というわけです。
 本来「ハイブリッド」は品種改良における「交配種」の意味で、二つの品種の「良いとこ取り」をする事を示すのですが、今回の「ハイブリッド型スタグフレーション」は「悪いとこ取り」になってしまっているわけです。スタグフレーションは主に「供給不足」と「労働賃金の下方硬直性」により起きますので、供給過剰(工業製品)の中でスタグフレーションというのは、やはり珍しいと思います。
 そもそも、現在の原油高は、産油国の供給不足や、OPECの出し惜しみが原因なわけではありません。サウジアラビアの大臣(か誰か)が言っていましたが、確かに産油国は「需要分は産出している」のです。
 原油にしても食糧にしても、先物期待の投機マネーが高騰させているわけで、以前のスタグフレーションに比べて金融的な「歪み」が大きくなっているのは間違いないでしょう。

 ちなみに、このハイブリッド型スタグフレーションの影響を最も受ける国がどこかは、まだ分かりませんが、少なくとも中国が悪影響を受けているのは確実です。
 アメリカの3月の貿易収支は582億ドルの赤字となり、予想より赤字が縮小しました。貿易赤字減少の裏面では、アメリカはGEが新興経済諸国での売上を38%も伸ばすなど、外需依存度を徐々に高めつつあります。加えて、対中の貿易赤字も順調に減少中で、3月は前月比12.4%もの大幅減になったようです。(お返事する猫様、情報ありがとうございます。)
 中国の貿易黒字減少は、これすなわち中国のGDP(の純輸出分)の減少ということで、経済成長率を下げる一因になります。
 さらに「本当にヤバイ!中国経済」で最も反響が多かった、中国の商品別消費者物価指数の最新版(3月版)を以下に掲載しました。(ヤバ中に掲載したのは、2月版です)

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_06.html#CHINACPI08Mar

 う~ん・・・何度見ても、凄いですね。何が凄いかはネタバレになるので書きませんが、本ブログにお越し頂いている方であればすぐに気がつかれますよね。
 わたしが一番ビビったのは、やはり農村の食品価格ですかね。貧しい農村で食品価格が(都市部よりも)高騰しているわけです。前回のブログで書いた、中東の外国人労働者並に、半端ない状況でしょう。
 中国の消費者物価指数は、3月に若干改善したのですが、4月にはまた悪化したようですね。四月版もオープンになり次第、掲載いたします。

 しばらくこの「ハイブリッド型スタグフレーション」のネタが続きます。

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