「17条憲法」第二条
篤敬三寶 あつく三宝をうやまえ
(日本書紀原文)
二曰、篤敬三寶。々々者佛法僧也。
則四生之終歸、萬國之禁宗。
何世何人、非貴是法。
人鮮尤惡。能敎従之。
其不歸三寶、何以直枉。
(書下ろし)
二に曰く、篤く三宝を敬へ。
三宝とは仏(ほとけ)・法(のり)・僧(ほうし)なり。
則ち四生の終帰、万国の禁宗なり。
はなはだ悪しきもの少なし。
よく教えうるをもって従う。
それ三宝に帰りまつらずば、何をもってか柱かる直さん。
(現代訳)
二、【篤敬三寳 さんぽうをあつくうやまえ】
三宝をあつく敬え。
三宝とは、仏(=覚者)・法(=仏になる教え)・僧(=教えを喜び実践する集い)である。
すなわち四つの生れ(=胎生・卵生・湿生・化生のすべての生物)の最後のよりどころ、すべての国の究極の教えである。
いつの時代でも、どのような人でも、この教えを貴ばないことがあろうか。
人は極悪のものは少ない、よく教えれば従うものである。
その場合、三宝に依り申し上げなかったら、何に依って我執のとらわれを正すことができようか。