アニメ 映画「天気の子」 感想 | FXで有り金全部溶かした友達の顔を見てみたい。

 

 

観てきました。

 

直近で京都アニメーションの悲しい事件がありましたが、それはまた別の記事で触れようと思います。

とても辛い出来事で悔しい気持ちで一杯ですが、ここでは我慢します。

 

 

 

 

 

 

 

「天気の子」、福井では30分置きに上映される時間帯もあり、混雑が予想されると思い、1週間前に座席の予約を取りましたが、

僕が観た劇場は6割くらいの動員数。

別の日の予約状況を確認したりもしましたが、1~3割程度。

福井は予約してチケット確保する人少ないみたい。

ちなみに東京の座席を観てみたら、9割越えでしたね。

所詮、地方だしこんなものなのかもしれない。

 

 

 

 

端的に言うと、そこまで面白くはない。

今作は「君の名は。」にあった映画としての盛り上がりは弱く、ストーリー性よりもメッセージ性が前に出た作品でした。

 

 

主人公の男の子は離島から東京に家出をしてきた少年。

ヒロインは母を亡くし、弟と二人で暮らしている天気を操れる少女。

その二人の恋愛模様を描きつつ、天気を操る代償として、空の世界?に隔離された少女を助ける少年の熱い姿が見られる。

 

しかし、新海監督は神々というか神事のようなネタ、好きですね。

 

 

表面上のストーリーは上記の通りですが、主人公と社会が対峙する物語でもあります。

主人公は必死でヒロインを救うために行動しますが、そこに大人たちが塞がります。

社会のレールに沿って、動く大人たちは自分の意志を切り離し、与えられた仕事をこなすために、主人公を拘束しようとします。

主人公は警察に何度もヒロインを救わないとと呼びかけるも、聞く耳を持ちません。

 

これに関しては、その通りだと思います。

まずヒロインが天気を操ったせいで人柱となっている事を誰も知らないですからね。

主人公は拘束されている時、精神を病んだ少年にしか見えませんでした。

 

そして、主人公は社会のレールから外れて、ヒロインを救うことに成功しますが、その代わりに東京は何年も大雨に覆われ、浸水した東京の姿が未来で描かれます。

彼は世界よりも少女を救うことを優先しました。

社会にとって、彼は悪ですが、ヒロインにとってはヒーローです。

 

要は大人になるとこの選択は逆になり、視聴者の少年少女には憧れや希望を持って生きてほしい。

視聴者の大人たちには、子供の頃に持っていたそれを思い出してほしい、というメッセージがありました。

だから、今作の主人公とヒロインは少年少女という年齢の子たちでそれを影で支援するのが須賀という大人だったのでしょう。

 

キャラクターはあまり惹かれる子いなかったな・・・。

主人公もヒロインの事情を本気で大人に伝えようとはしていないし、感情的で落ち着きがなくて、そりゃ誰も聞く耳持たないよ、てか意味不明すぎて、聞く耳持てない。

 

 

恐らく、主人公が取った行動はその時を生きる人たちにとっては迷惑なことに違いないけど、劇中でも触れましたが、東京は江戸時代に海だったと言っていました。

そう考えると、長い歴史で見れば、浸水してしまった東京も大した問題じゃないのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

映画のCMを見ながら、本編を見ながら、ずっと思っていたことですが、この作品の見せ場って、いったいどこにあったのでしょう?

ヒロインが空の上にいたシーン、天気を晴れにしたシーン、主人公とヒロインの再開、警察とのカーチェイス、花火が上がるシーン。

どれを取っても、本当に弱い映画だな、と思いました。

予告を観た時も、印象が薄く、情報量も少ない。

それに比べて、「君の名は」は売れるべくして売れたと予告を観れば分かる。

本当に分かりやすい上に興味が湧く。

個人的に「君の名は」は好きではありませんが、この2作を比べた時、面白いと言えるのは間違いなく「君の名は」だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

正直、一番盛り上がったのって、滝君や三葉が登場するシーンなんじゃないかな。

ファンサービス部分が盛り上がるのはどうかと思うが、この作品はストーリーも映像も演出も、本当に弱い。

 

 

 

 

主人公がヒロインを救うために屋上の鳥居に向け走っていましたが、何でもっと迫力のある緊迫した描写にできないのでしょうか?

何故、主題歌のサビが流れているのに、主人公はゆっくりと階段を上がるのか。

もしかしたら、そこが作品の見せ場になったのかもしれないのに。

 

走るって事は目的に向かって、早く近づきたいとか、色々な気持ちが爆発するシーンでもあるわけで、

それを上手に表現できている作品はやはりそこが映像としての見せ場になっていますよね。

 

 

「天気の子」の主人公が線路の上、走っても作業員は誰も止めないし、あの時間はなんだか変な時間でした。

もしかしたら、あえてそのような演出にしたのかもしれないけど。

主人公の行動を誰も本気にしない、呆れたように大人が傍観する、そういった冷たい社会を描写したかったのな。

 

 

 

 

作画はどうだろ…個人的にはどんどん劣化しているんじゃないかな、と思います。

「言の葉の庭」が映像美では一番ピークだった気がします。

特に今回、雨の描写が多いですが、同じく雨がよく描写された「言の葉の庭」と比べるとね。

ただ、花火のシーン、あそこはわりと好きでした。

 

そういえば、キャラデザが田中将賀さんですけど、「君の名は」の時と比べて、随分面影が薄くなりましたね。

あの方のデザは輪郭に特徴あるのに、その個性が完全に消えていましたよね。

 

 

 

 

 

 

 

興行収入が気になるところですが、100億近くで何だかんだ落ち着きそうですね。

順当にいけば、再来年に新作が出るのかな、新作に期待したいです。