ドイツレベル1/35 『メルセデスベンツL-701』
これは地雷キットでした。
2年前に製作を始めたものの、ボンネットとフロントグリルの組立てに難儀し、挫折しました。
キットのパーツはイタレリ1/35の『オペルブリッツ 後期型』で、ドイツレベルがパッケージと説明書を新規に作り起こしたもののようです。
いわゆるOEMってことでしょうか。
商品名は「メルセデスベンツ」となっており、「えっ、統制型木製キャブを載せたオペルブリッツじゃないの?」と思われるかもしれませんが、これで合っているのです。
第2次大戦末期、オペルブリッツを生産していたブランデンブルクの工場が、連合軍の爆撃により操業不能となったため、メルセデスベンツがオペルブリッツをライセンス生産したのがこのL-701です。
メルセデスベンツは、既に「L-300」という名称の3トンクラスのトラックを生産しており、生産設備の移行はそれほど難しくはなかったと思われます。
キットの製作は工程5までは順調に進んだのですが、工程6のボンネットとフロントグリルの製作でつまずきました。
ボンネット天面のパーツ51に側面の50、52を接着した後、フロントグリル48を接着するのですが、パーツの精度が非常に悪く、接着面積が狭いこともあって、困難を極めました。
しかも、実車ではパーツ51と側面板50、51は一体になっているため、合わせ目をパテ埋め整形しているうちに、接着したパーツがポロポロと分解してしまったのです。
私の技量の低さもあるのですが、どうしても形にならず、ついに製作を諦めました。
当時、私はホビコムという模型投稿SNSのメンバーだったのですが、この一件ですっかりやる気を失って、プラモ製作から遠のいてしまいました。
最近思うのですが、模型雑誌の作例でタミヤやドラゴンといったメジャーな模型メーカーのキットを取り上げるのは、こういう地雷キットを避けるためではないかと。
まあ、マイナーなキットを紹介しても読者ウケが良くないってのが大きいとは思いますが。
アイテム的にマニアックで面白そうなキットでも、ベテランモデラーでさえ手に負えないようなキットってやっぱあるんですよ。
放置したままのメルセデスベンツL-701、パーツ取りに使おうかな。
リベンジしたい気もしますが、また同じキットを購入するほどの執着もないし、たぶんもう2度と作ることはないでしょう。
ちなみに、海外のフォーラムでハリソン・フォード主演の映画『レイダース・失われたアーク』に、このL-701が登場しているというスレがありました。
カイロの街中でヒロインのマリオンがナチの手先に誘拐されるシーンで、ドライバーがインディに射殺され横転、炎上してしまいます。
確かにフロントグリルと箱型キャブがL-701に似ていますが、荷台の形が違います。
もしかしたら、メルセデスLG3000トラックと同じようにレプリカかもしれません。
実物のメルセデスベンツL-701は1947年まで生産が続けられ、戦後ドイツの復興に活躍しました。