どうも、タカ先生です。
最後にブログを更新したのが2017年の6月なので、もう2年以上前になりますね...
以前、英会話の先生をやっていた頃に、社会人の生徒がよく「先生、仕事が忙しくて英語の勉強をする時間がありません!」と宿題をやってこなかったことへのいいわけを言っていました。先生はそんな生徒たちに決まって「時間とはあるものじゃなくて、作るものです!」とビシッと説教をしていましたが、そんな先生が忙しさにかまけて二年間もブログをほったらかしにしていたのですから、まさに「ミイラ取りがミイラ」ですね。
ちなみに、この「ミイラ取りがミイラになる」を英語で言うと:
Many go out for wool and come home shorn.
(多くは羊の毛を求めて出ていき、刈られて家に帰ってくる。)
こうして比べてみると、なんとなくニュアンスが違ってきますね。「ミイラ取り〜」だと当事者は「帰らぬ人」となってしまった感がありますが、「Many go out for wool〜」の方は「返り討ちにあって帰ってきた」感がします。同じことを表現していても、言語によってその表現の仕方が真逆なのが興味深いですね。
と、ちょっと脱線してしまいましたが、ブログタイトルにある通り、今後はしばらくはシリーズもので90年代ポップスの英語歌詞に注目したいと思います。ショートブログを連載しながら、最終的に大きくテーマをカバーしていけたらなと考えてます。理想は週一ぐらいのアップですかね。毛を刈られないようにがんばります!
とにかく、90年代は英語がネイティブである歌手が日本に少なかったことから、さまざまな英語歌詞の「傑作」が生まれました。
特に先生は「小室世代」なので、よく小室哲哉の音楽を聴いていました。
そんな時代に iconic(象徴的)だったのが「with T」という表現。
例えば、
篠原涼子 with T
H Jungle with T(ダウンタウンの浜田雅功とのデュオ)
ここで使われている「with」は「〜と」という意味で使われています。つまり、ここでは「篠原涼子とTetsuya Komuro」、「浜田雅功とTetsuya Komuro」ということを表しています。
まあ、文法的には間違っていないのですが、ネイティブはこのような表現はしません。では、どのように表現するのかと言うと、2000年代のJ-P0Pシーンにヒントがあります。
2000年ぐらいから日本の音楽シーンに台頭してきた表現が「feat. ○○」でした。
この表現が日本に入ってくる以前から、アメリカのヒップホップシーンでは、アーティスト同士がレーベルを越えてよくコラボをし合っていました。そして、CDのジャケットや歌詞カードに印刷されていたのが、この「feat. ○○」という表現だったのです。
当時、まだ日本ではほとんど知られていなかったヒップホップというジャンルに憧れていた若者たちが、おそらくこの表現に新しさやかっこよさを感じて使い始めたのだと思います。実際に「feat. ○○」という表現が一般的になってきたのは、2000年代初頭に台頭してきたジャパニーズ・ヒップホップのシンガーたちの活躍と時期的に重なります。
それでは、そもそもこの「feat.」(略さなければ「featuring」)とはどういう意味なのでしょうか。
オンライン辞書で調べると:
1. 〔映画の〕主役の、主演の
2. 《音楽》客演の、ゲストの
なんとも面白いですね。
一つの単語で「1. メイン」と「2.サブ」の両方の意味を兼ね備えています。ですが、ここで使われているのは「〜と」という意味なので、2つ目の意味である「ゲストの」が正解になります。
ところで、テレビでよく「フューチャリング」とか「フューチャーされている」とかを口にするタレントや芸人がいますが、正確には「フュ」ではなく「フィ」で、「フィーチャリング」です。
「フューチャリング(futuring) 」という単語は存在しなくはないですが、日本の英和辞書にはまだあまり載っていない新しい言葉で、「現在の事象から未来を予測する行為」のような意味があります。
とにかく、「with ○○」を使うのか「feat. ○○」を使うかで年がバレてしまうので、気をつけてましょう。ただ、「ブルゾンちえみ with B」のおかげで「with ○○」という表現も多少復活をしてきたのかな?あるいは、それももはや廃れて「古い」と言われてしまいそうですね(苦笑)
それではまた、次回のエントリーで。