タカ先生の英語ブログ

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元英会話講師で現在はマーケティングリサーチ会社に勤めています。英語や日米の文化の違いなどをブログにしていこうと思います♪

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どうもタカ先生です。

 

7月19日付けで、東京におけるコヴィッド・ナインティーンの新規感染者は188人と4日ぶりに200人を下回りましたが、その2日前の17日には過去最多となる293人が新たにコヴィッド・ナインティーンに感染しました。

 

そんな中で東京都の小池都知事はコヴィッド・ナインティーンのさらなる広がりを抑制するために、他県への不要不急な移動を控えるように呼びかけていました。一方で、西村経済再生担当大臣はコヴィッド・ナインティーンによって停滞してしまった経済にこれ以上ダメージを与えないためにもその必要はないと言い放ち、両者の方針は真っ向から対立していました。

 

 

すると、この対立の結末は今月16日の政府発表で急展開を迎えます。

 

政府が肝いりで進めてきた「Go to トラベル」キャンペーンから東京都民および東京への観光を割引対象から除外にすると発表したのです。

 

これは、依然として東京都でのコヴィッド・ナインティーンの感染拡大が収まっていないことから断腸の思いで決定したことであると赤羽国土交通大臣がニュースで言っていました。が、一部ではコヴィッド・ナインティーンに関する政府方針に対立する小池都知事および東京都への嫌がらせではないかとも囁かれています。

 

 

 

それにしてもコヴィッド・ナインティーン、ああ、コヴィッド・ナインティーン、ええ、コヴィッド・ナインティーン、それにつけてもコヴィッド・ナインティーン.......


 

って、名前がいちいち長い!!

そもそもコヴィッド・ナインティーンって何だよ!


 

……と突っ込まれた方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

 

前回と前々回のブログでも説明しましたが、コヴィッド・ナインティーン(COVID-19)はWHO(世界保健機関)が定めた新型コロナウイルスの正式名称です。

 

詳しくは以下のリンクから過去のブログをご確認ください:

 

#64 【英語・異文化】「コロナ」でもウイルスとビールがある?

 

#65 【英語・異文化】新型コロナウイルスを「武漢肺炎」と呼べない理由

 

 

さて、前回のブログで新型コロナウイルスの正式名称として「武漢肺炎」が最もふさわしいのではないかと説明しました。ウイルスのエピセンター(震源地)が「武漢」であり、病気の症状が「肺炎」だということがこの病名から一目で分かります。

 

ですが、武漢市やその住民に対する偏見や風評被害を産んでしまうことから、WHOはそれを避けて全くもって無味乾燥な「COVID-19」という病名を付けました。

 

 

 

 

実際に同じ中国人でさえ武漢からの帰国者を差別して、部屋の外側から板を貼り付けて住人を中に閉じ込めるという暴挙に出た動画が、少し前にメディアやネットを騒がさせました。


リンク:中国 感染の恐れで武漢から帰郷者に行き過ぎた行動

 

 

 

 

 

 

また新型コロナウイルスが世界各国に拡散したことによって、中国人だけではなく日本人を含む多くのアジア人が世界中で差別の対象になってしまいました。

 

リンク:日本人女性に「コロナ」暴行容疑でパレスチナ人逮捕

 

 

リンク:アメリカの電車で人種差別的な発言をする男性

 

 

リンク:新型コロナウイルスへの恐怖?アジア人を標的とするヘイトクライムの容疑者をカメラが捉える

 

 
 

そんな中でアメリカのトランプ大統領が「新型コロナウイルス」を「Chinese Virus(中国ウイルス)」と公言することによって、アジア人への差別を助長するという批判を受けていました。これは中国政府が新型コロナウイルスはアメリカ軍によって持ち込まれたというトンデモ論を発表したことへの報復的な発言でしたが、いずれにせよ多くの批判によりトランプ大統領はこの呼び方を取り下げました。

 

 

 

とにかく、「武漢肺炎」や「中国ウイルス」は偏見や差別を助長するので使用できません。

 

かと言って、「コヴィッド・ナインティーン(COVID-19)」はカタカナにすると長いですし、現在日本のメディアで多く使われている「新型コロナウイルス」や「新型コロナ」の表現は、次に新たなコロナウイルスが出現した際に使用できなくなります。なので、いつまでも「新型」と呼び続けるわけにはいきません。

 

それではいつまで経っても「新発売」だった「ケンちゃんラーメン」と変わりません。

※ わかる人にはわかるネタ(使い回し)

 

 

 

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

コヴィッド・ナインティーンに取って代わる名称は他にあるのでしょうか?

 

 

 

 

そこで先生に良い案があります:

 

CCP Virus

(シーシーピー・ウイルス)

 

 

 

………という名称はどうでしょうか?

 

短いので「サーズ(SARS)」や「マーズ(MERS)」のように言いやすくて覚えやすいですね。

 

うん?と思われた人もいるでしょう。

 

 

CCP」って何の略だ、と。


 

 

 

これはずばり「Chinese Communist Party(中国共産党)」の略です。

 

日本の主要メディアでは全く見かけませんが、ネットメディアでは「CCP Virus」を日本語で「中共ウイルス」と表現するサイトもあります。

 

 

 

それにしても、「新型コロナウイルス」の正式名称である「COVID-19」を、なぜ「中国共産党(=CCP)」を冠した病名に変更すべきなのでしょうか。

 

その理由は中国政府の隠蔽によって、新型コロナウイルスが世界的な大流行になってしまったことに他ありません。つまり、「パンデミックの諸悪の根源は中国共産党にあり」と明確にする名称です。これなら政党・政府への批判なので、中国人への人種差別にはつながりません。

 

 

一番最初に誰が言い出したのかはわかりませんが、先生がこの表現を知ったのは「China Uncensored」(無検閲の中国)というYouTubeチャンネルのとある動画でした。

 

リンク:新型コロナウイルス - どのようにして中国は批判を「差別」にすり替えたのか

 

 

 

 

 

当初は「CCP Coronavirus」と紹介して「新型コロナウイルス」を指していることがわかる表現でしたが、途中から「CCP Virus」と簡略化されました。

 

 

それでは本題に戻りまして、中国共産党の隠蔽によって新型コロナウイルスがパンデミックになってしまった理由を一挙にご紹介しましょう:

  1. Whistle-blower(公益通報者)だった武漢市の医師たちに、新型コロナウイルスに関する情報は間違いであり拡散するなと圧力をかけた。

  2. ウイルスのヒトからヒトへの感染の可能性があったにも関わらず、そのリスクは低いとして国民に注意喚起を怠った。

  3. 新型コロナウイルスの感染拡大の危険性を知りつつも、社会秩序を優先して武漢市内で数千人規模の宴会が開かれることを許可した。そして、そこでクラスターが発生し、一気に感染拡大が進んだ。

  4. 武漢市内で感染拡大の情報がSNS上にあがっても、それらをすべて削除して発信者には情報を拡散しないように圧力をかけた。

  5. 1月20日になってようやく中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を認めた。武漢市の医師らが警鐘を鳴らしてから実に三週間近くが経過。

  6. 武漢市以外で感染者が出ていたにも関わらず、20日までそれぞれの地元当局が隠蔽した。

  7. 武漢全体を都市封鎖したにも関わらず、春節(Chinese New Year's)での数億人の大移動に規制をかけなかった。そして、その期間中に多くの中国人が海外旅行をして、新型コロナウイルスを世界中に広げてしまった。


 

いかがでしょうか?

皆さんは、「新型コロナウイルス」の正式名称は「COVID-19」のままで良いと思いますか?

 

それとも歴史的にその汚名を残すために「CCP Virus(中共ウイルス)」と改名した方がよろしいでしょうか?

まあ、中国に対して忖度をしている日本のマスメディアは絶対に使わないでしょうけど。

 

それではまた、次回のエントリーで。

 

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※ 以下に、武漢市で確認された謎の肺炎がパンデミックになるまでの事象を時系列で記しました。興味がある方はぜひご覧ください:

 

2019年12月30日

武漢市の眼科医である李医師が、「華南海鮮市場で7名がSARS(重症急性呼吸器症候群)にかかり、我々の病院の救急科に隔離されている」という情報を同僚医師たちの参加するグループチャット発信。

 

当初、新型コロナウイルスの患者はその症状から「SARS」だと診断されたが、この時点で「謎の肺炎」が流行り始めたことが表面化。

 

2019年12月31日

中国当局は「原因不明のウイルス性肺炎」を27人が発症していると初公表。

 

 

2020年1月3日

年末に注意喚起のメッセージをグループチャットに発信した李医師が、「虚偽の発言をした」「噂を撒き散らした」として警察当局から出頭を求められ訓戒処分。地方行政レベルで初の隠蔽。

 

2020年1月7日

中国当局は謎の肺炎を新種のコロナウイルスであると特定。当初は「nCoV = novel CoronaVirus」と呼ばれていた。(novel = 新型の)

 

2020年1月11日

武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎で男性が初めて死亡、7人が重症。

 

死亡した男性を含め肺炎患者の多くが現地の海鮮卸売市場の関係者だったため、市場の営業を停止。

 

2020年1月14日

WHOは新型コロナウイルスのヒトからヒトへの感染の明確な証拠は見つかっていないと公表(中国当局の発表をそのまま引用)

 

 訳:中国当局によって実施された予備調査では

武漢市で確認された新型コロナウイルスの

ヒトからヒトへの感染の明確な証拠が見つかっていない

 

2020年1月15日

武漢の保険当局が「限定的だがヒトヒト感染の可能性排除できない」としつつも、そのリスクは比較的に低いと指摘。

 

しかし、エピセンター(震源地)とされる海鮮卸売市場の従業員の妻が新型コロナウイルスに感染しており、彼女はこの市場に行ったことがないと報告されている。


 

2020年1月19日

中国の国営メディアであるグローバル・タイムズ(環球時報)が「武漢ウイルスは回避および制御が可能」と報道。

 

リンク:Wuhan virus preventable, controllable: commission

 

 

 

 

 

 

 

このように、中国政府およびWHOは新型コロナウイルスの存在を認めつつも、感染拡大は限定的であり、ヒトヒト感染のリスクも低いと報道し続けてきました。

 

しかし、翌日の20日にその態度は一変しました:

 

2020年1月20日

  • 習近平主席が「効果的な措置をとって断固、感染拡大を抑えるよう」関係部門に重要指示を出したと国営の中国中央テレビが伝える。習主席の指示の中で、「感染拡大に関する情報を直ちに発表し、科学的な予防知識を広めるよう」求めた。
  • 中国の国営メディアであるグローバル・タイムズ(環球時報)が「政府は関係する情報のすべてを必ず国民に知らせるべきで、春節の雰囲気を壊さないようになどと配慮して情報を抑え込むなら、かえって政府の信頼を大きく損ね、いっそうの社会不安を誘発することになる」とする社説を掲載し、情報公開を強化すべきだと強調した。

 

するとどうでしょう、まるで「習近平様の許しを得たからもう隠さなくて良くなった」と言わんばかりに次々としかも同日中に新情報が明るみに出ました:

 

  • 広東省保健当局は深センに住む男性が新型コロナウイルスに感染していると見られると発表。また、北京市の保健当局も2人の感染確認を公表。中国当局が武漢以外の場所で患者確認と発表したのは初。
  • 中国保健当局の専門家チームが、新型コロナウイルスのヒトからヒトへの感染を確認。
  • 武漢で対策本部が設置され、患者への対応強化とともに感染拡大を抑え込む方針が示されたと中国の国営メディアが伝える。
  • 新型コロナウイルスの感染者数が一気に3倍になる。

リンク:北京から上海まで新型コロナウイルスの感染が拡大する中で感染者数が3倍に

 

 

 

 

 

そして、その翌日にはWHOもヒトヒト感染を認める声明を出し、さらにその二日後には東京都と同じくらいの人口を有する武漢市の封鎖を開始されます。

 


2020年1月21日

WHOが新型コロナウイルスの「ヒトからヒトへの感染が見られる」と認める。

 

2020年1月23日

  • 他都市へのさらなる感染拡大を防ぐために武漢の「封鎖」を開始
  • 約1100万人の大都市である武漢が封鎖されてもなお、WHOは「国際的な緊急事態にはあたらない」と発表


 

なんでしょう、このスピード感?

これでは習近平主席が認めるまではWHOも地方政府も報告や対策を控えていたと捉えられても仕方ありませんね。


 

さらに状況を悪化させたことに、武漢ほどの巨大都市を封鎖せざるを得なかったほど新型コロナウイルスが感染拡大していたにも関わらず、中国当局は「春節」でのその他の国民の移動制限をしませんでした。

 

2020年1月25日

中国の正月(Chinese New Year's)として毎年民族の大移動が行われる「春節」が25日から30日まで続いた。前日の24日から人々の移動が開始。専門家によると、4億5千万人近くが帰省や旅行などで国内外を移動し、その内の700万人ほどが海外旅行をするだろうと推測。

 

リンク:春節中の旅行者予測が過去最高に


 

仮に移動制限をしていれば、中国経済に大打撃を与えていたのは目に見えていました。

 

日本でも緊急事態宣言下のゴールデンウィーク中に経済、とりわけ交通や観光業が大打撃を受けました。仮に春節での移動制限を中国当局が実施していたならば、その人口に比例して日本のカケル数倍のダメージだったでしょう。

 

また、中国には地方から都市部への出稼ぎ労働者も多いので、春節中に帰省できないということは家族に会えないということになります。1年に一回しか会えない家族のもとに行けないとなれば国民の不満が一気に広まり、社会不安にもつながっていたことでしょう。

 

このように、中国政府は感染拡大防止に取り組まなければならなかった大事な時期に、武漢市のみを犠牲にして経済と社会の安定を優先したのです。

 

そして、まるで春節が終了する30日を見計らったかのように、WHOが国際的な緊急事態を宣言します:

 

2020年1月30日

WHOのテドロス事務局長は、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと宣言。

その際に以下の方針を掲げた:

  1. 貿易や人の移動を制限することは勧告しない(←なぜ!?)

  2. 医療体制がぜい弱な国を支援すること

  3. ワクチンや治療法、それに診断方法の開発促進

  4. 風評や誤った情報が拡散することへの対策

  5. データの共有などを行うべき

 

さらにこの時の会見でテドロス事務局長は、中国のこれまでの対応について、「素早い検査、隔離、ウイルス解析を行い、それをWHOや世界と共有してくれた。言葉にならないほど感銘を受けている。透明性を確保し、ほかの国の助けにもなっている」と高く評価しました。


 

うーん、これではトランプ大統領に「China Centric(中国中心主義)」と批判されても仕方ないでしょう。それまでの中国の対応を高く評価することもさることながら、この時点で「1. 貿易や人の移動を制限しない」と公表しているところで、中国様に忖度しているとしか思えません。


 

しかし、先生!と反論があるかもしれません。

 

「中国政府は1月20日には新型コロナウイルスの感染拡大を認め、そこから武漢市の封鎖などの感染拡大防止策を講じているじゃないですか。それに、例え昨年末に初症例が確認できていたとしても、未知のウイルスが相手だったので、初動が遅れても仕方ないじゃないですか。仮に新型コロナウイルスの震源地が日本だったとしたら、中国政府よりも的確な対応ができたと言い切れるんですか?それなのに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を中国共産党のせいにするなんて酷じゃないですか?」ーーと。


 

なるほど、確かに一理あります。

日本国内での感染拡大も、未知のウイルスに対する知見がなかったために、対応が後手後手になってしまいました。

 

ですが、中国政府が20日以前に既に「パンデミックになる可能性がある」という情報を握っていたとしてらどうでしょう?

正確には6日も前に:


 

2020年1月14日

AP通信が入手した内部文書によると、14日の時点で中国共産党幹部は新型コロナウイルスがパンデミック(世界的流行)になる可能性があることを知りながら、国民に注意喚起を怠った。

 

これは3月に開催が予定されていた中国の2大会議である全人代(=全国人民代表大会)と政協会議(=全国人民政治協商会議)を前に、社会的秩序を乱さないための措置だったと言われている。

 

リンク:中国当局はパンデミックの可能性を国民に6日間も警告せず

 

 

 

そして、新型コロナウイルスの感染拡大を政府レベルで警告しなかったために、震源地である武漢市では春節を祝う宴会が数千人規模で行われました。後にニュースでも指摘がありましたが、この時の料理はすべて大皿で提供されていたので、大規模な飛沫感染があったと推測されます。

 

ちなみに、感染拡大を懸念して武漢市内のとある自治会が宴会の中止を地区職員に要請をしていたようですが、却下されたそうです。さらに、新型コロナウイルスに関する投稿を地元当局はSNS上から削除しました。ここでも社会不安を拡大させないための処置がとられていたのです。

 

リンク:武漢市で開催された大規模な宴会で新型コロナウイルスの感染拡大

 

 



以上、武漢市で発生した謎の肺炎がパンデミックになるまでの事象でした。

皆さんは中国共産党をシロだと思いますか?それともクロでしょうか?

 

それではまた、次回のエントリーで。