タカ先生の英語ブログ -2ページ目

タカ先生の英語ブログ

元英会話講師で現在はマーケティングリサーチ会社に勤めています。英語や日米の文化の違いなどをブログにしていこうと思います♪

どうも、タカ先生です。

 

新型コロナウイルスの急速な感染拡大を防ぐために発令された緊急事態宣言が全国的に解除されてから一週間が過ぎようとしています。

 

政府が発表した「新しい生活様式」に人々が慣れ始めている一方で、相変わらず新型コロナウイルスの感染者が増え続けています。

 

6月24日時点では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者は55人で、1日の新型コロナウイルスの新たな感染者が50人を超えるのは5月5日以来の50日ぶりです。

 

それにしてもこの新型コロナウイルスは当面はなくなりそうになく、これから数年間、あるいは今後ずっと新型コロナウイルスの感染リスクと背中合わせで生きる「withコロナ」の生活を強いられることになるかもしれません。

 

この新型コロナウイルスの特効薬が開発されれば、状況が劇的に改善されるかもしれませんが、インフルエンザや同じ「コロナウイルス」である一般的な風邪でさえ未だに根絶できていないことから、新型コロナウイルスの特効薬ができることはそう容易ではないでしょう。

 

 

 

それにしても新型コロナウイルス、ああ、新型コロナウイルス、ええ、新型コロナウイルス、それにつけても新型コロナウイルス.......


 

って、名前がいちいち長い!! 


 

前回のブログでも触れましたが、この中国湖北省の武漢市で発生した「新型コロナウイルス」にはきちんとした正式名称があります。

 

 

医学的には、ウイルス名が「SARS-CoV-2」であり、これは国際ウイルス分類委員会 (ICTV - International Committee on Taxonomy of Viruses) が定めたものです。

 

そして、このウイルスによって引き起こされる疾患名が「COVID-19(コヴィッド・ナインティーン)」です。こちらはWHO(World Health Organization - 世界保健機関)によって2020年2月11日に命名されました。


 

まず、ウイルス名についてですが、これは2000年代初頭に流行した「SARS(サーズ / 重症急性呼吸器症候群)」に由来しています。SARSのウイルス名は「SARS-CoV」であり、その「パート2」ということから「2」が付いて、「SARS-CoV-2」となったわけです。

 

うーん、パート2になってさらにパワーアップして戻ってきたということですか......

これはまるで往年のSF映画のごとしですね。


 

エイリアン2

 

 

 

バックトゥザフューチャー2

 

 

 

ターミネーター2

 

 

 

ダダンダンダダン!アールビーバック......

 

って、最近の若者はどれも知らないでしょうね。

先生の年がバレます(笑)

 

ちなみに、「SARS-CoV」の「CoV」は「Co=Corona(コロナ)」、「V=Virus(ウイルス)」の略で、文字通り「サーズ(という病気を引き起こす)コロナウイルス」というわけです。新型コロナウイルスは、その「パート2」ということから「2」が付いて「SARS-CoV-2」となったわけです。

 

うーん、パート2になってさらにパワーアップして帰ってきたということですか......

これはまるで往年のSF映画のごとs……

 


<省略>

 

 

 

次に、病名の「COVID-19」の由来はどうでしょうか?

 

こちらは前回のブログで説明したように、以下の単語や西暦の一部を組み合わせたものです:

 

CO = COrona(コロナ)

VI = VIrus(ウイルス)

D = Disease(病気)

19 = 2019年(初確認された年)


 

ところで、この病名がニュースで発表された当初の先生の感想はーー


 

何、この無味乾燥な名前??


 

まだ新型コロナウイルスの正式名称が決まっていなかった当初、インターネット上では「武漢肺炎」と呼ばれていました。これはウイルスが最初に発生した「場所=武漢」と「病状=肺炎」を見事に表現した病名です。

 

英語でも「Wuhan Virus(武漢ウイルス)」や「Chinese Virus(中国ウイルス)」と表現されていましたし、てっきりこのいずれかが正式名称になるのではないかと漠然と思っていました。

 

ですが、WHO(世界保健機関)はそれらを採用することなく、新型コロナウイルスを「COVID-19」と命名しました。

 

 

 

 

 

と、ここで少し立ち止まって、皆さんに考えていただきたいと思います。

 

そもそも日本のメディアはなぜ「コヴィッド・ナインティーン」という正式名称があるにも関わらず、相変わらず「新型コロナウイルス」と呼び続けているのでしょうか。

 

 

カタカナ語は分かりづらいから? 

ご年配の方々に配慮して?

 

 

いやいや、「クラスター」「ロックダウン」「ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」「東京アラート」「withコロナ」とメディアはカタカナ語をバンバン使っています。もうご年配の方々には容赦ないです(笑)

(主に小池の百合子ちゃんが原因でしょうけど)

 

 

なので、いまさら「コヴィッド・ナインティーン」というカタカナ表記の病名に抵抗はないはずです。

そもそも、新型コロナウイルスの「コロナウイルス」自体がカタカナなので。

 

これはあくまでも先生の個人的な見解ですが、おそらく一般視聴者の頭の中で「新型コロナウイルス = COVID-19」がつながらないからではないでしょうか。


 

先ほども言いましたが、「COVID-19」という名称は無味乾燥です。

 

何、COVID-19って??湯沸かし器の製品型番!?

 

ーーとツッコミたくなるほどです。

 

※ 実在する給湯器のブランドです。

製品型番は違います。




世間でも「コロナ、コロナ」と一般的に使われているので、それを今更「コヴィッド・ナインティーン」と言ったところで定着しない上に、カタカナにすると、まーーーーーー長い!

 

サーズ(SARS)やマーズ(MERS)のようにコンパクトに納まらない。

あるいは「コヴィナイ」とでも略しましょうか(笑)

 

 

ウチの彼氏がぁ、コヴィナイでぇ、会えないって言ってくるんだけど、マジありえなくない?

はぁ?って感じ。

てか、ディズニーランドなんでやってないの?


 

 

とにかく、WHOが「COVID-19」と正式に命名してしまった以上、メディアは「武漢肺炎」という表現を使用できません。

 

ですが、漢字のキャラクター(文字)でその言葉の意味を理解する日本人にとって「武漢肺炎」が一番しっくりくるのではないでしょうか。ちなみに、台湾では今でも「武漢肺炎」という表記が使われています。

 

「どこで」発生した、「どのような」症状の病気であるかが、この病名なら一発で分かります。仮に「武漢」という地名がが分かりづらいのであれば、「中国肺炎」でも良いわけです。例えば、「日本脳炎」のように。


 

それに、過去を遡ってみればこのように地名を名称に取り入れた病気は数多くあります:

 

  • スペイン風邪(インフルエンザ)- 1918年

  • 日本脳炎(蚊によって媒介される感染症による急性脳炎)- 1924年

  • 水俣病(水銀による中毒性中枢神経系疾患)- 1956年

  • 香港風邪(インフルエンザ)- 1968年

  • マーズ(MERS = Middle East respiratory syndrome/中東呼吸器症候群)- 2012年

 

「日本脳炎」なんかは、「日本」で広まった「脳」の「炎症」ということが、病名を構成する漢字から一目瞭然です。

 

また、「スペイン風邪」と「香港風邪」に関してですが、当時、インフルエンザウイルスが原因であることがまだ発見されていなかったために「風邪」と表現されましたが、こちらもスペインと香港で広まった「重度な風邪」ということが読み取れます。

 

「マーズ(MERS)」はカタカナや頭文字の表記だけでは地域を特定できませんが、英語名を見ると「Middle East(中東)」とあるので、「中東地域で流行った呼吸器系 (respiratory) の病気」だということが分かります。

 

ですが、COVID-19……

 

これを仮に省略しないで「Corona Virus Disease 2019」と表記したところで、「2019年に流行した『コロナウイルス』による病気」であることしか分かりません。

 

現在、私たちはまさにコロナ禍にいるので「中国の武漢から広まった肺炎を引き起こす病気」だと知っていますが、例えば100年後の未来人がこの病名を見たときに、一目でどのような病気かを理解することはできないでしょう。

 

そして、武漢どころか、中国で発生した病気だという情報がごっそり抜けています。

 

しかし、それがまさにWHOの狙いなのです!


 

WHOはCOVID-19という名称を決定するにあたり、一定地域や人物と結びつくことを避けたと公表しました。

 

このニュースを見た当初、先生はWHOによる中国への忖度だと疑いました。

 

なんてことだ、WHOは中国の操り人形だ...... 

しかも、その陰謀論を信じるに値するWHOのテドロス事務局長の発言が数々あります。

 

 

 

その一部が次の通りです:

  • 人から人への感染はない、または限定的である(1月10日)

  • 渡航や貿易を不必要に妨げる措置をすべきではない(1月31日)

  • パンデミックには至っていない(2月24日)

  • 中国の積極果敢な初期対応が感染拡大を防いだ(2月27日)

 

と、これらすべての発言が間違っていたことは周知の通りです。

もっと早くパンデミックを宣言しておけば、各国は水際で新型コロナウイルスを食い止めることができたかもしれません。


 

そして、ここから急にテドロス事務局長の発言は弱気になります:

 

  • パンデミックの可能性がある(2月28日)

  • 我々は最初の機会を無駄にした(3月25日)

  • 全ての国で積極的な行動がなければ数百万人が死亡する可能性も(3月27日)

  • 中国は毎日、科学的なデータを発表・提供している(4月5日)

  • 我々は天使ではなく人間。間違うこともある(4月8日)

 

いやいやいや、最後の発言ナニ!?

投げやりもいいところ!

 

世界各国の政府はおたくらの発言を信頼して政策を決めてんだよ!

「間違ってましたぁ、さーせん。天使じゃないんで、テヘペロ♪」じゃ済まされねぇだろう、ゴルァ!(怒)

 

……と、すみません。取り乱しました(汗)

 

百歩譲って、新型コロナウイルスの感染力を見誤ったことに目をつむったとしても、「中国は毎日、科学的なデータを発表・提供している」となぜ言い切れるのでしょうか。

 

まだ、「中国側は正確なデータを公表していると主張している」にとどめておけばWHOに非はありません。ですが、「科学的なデータを発表・提供している」と言い切ってしまっては、WHOが中国と特別なつながりがあると邪推されても仕方ありません。

 

いっその事、WHOは中国の広報機関であると開き直っていただければ、よっぽど納得ができます。

 

アメリカのトランプ大統領もWHOは中国中心主義(China centric)であるとツイッターで非難しています。

 

訳:WHOは本当にやらかしてくれた。アメリカが多くの資金援助を

しているにも関わらず、なぜかとても中国中心主義だ。これについては

これから入念に調査させてもらう。幸い、中国に対して国境を開けておく

ようにというWHOからの申し出を私は早い段階で拒絶した。なぜ彼らは

こんな間違った提言をしてきたのだろうか。

 

 

以上の事実から、WHOは中国の機嫌を損なわないように、あえて病名から「中国色」を省いたのだと先生は確信しました!

 

が、

 

さらに調べていくと、WHOが新たな感染症の名称に地名を使用しないとのルールを制定したのは、この新型コロナウイルスが流行する数年前の2015年でした。

 

その決定の一因となったのが、マーズ(MERS / 中東呼吸器症候群)という病名です。この名称によって中東地域に対する差別や経済的な悪影響が生じたからです。

 

いわゆる、風評被害ですね。

 

さらに、地名だけではなく動物も名称に使用できません。2009年当時に流行した「豚インフルエンザ」を覚えている人も多いかと思いますが、これによって世間では不必要に豚肉の購入を避けるようになり、食肉業界は風評被害による売り上げの減少に苦しんだそうです。

 

 

 

なるほど、特定の地名や動物名を病名に使用すると風評被害が生じてしまうーーこれなら確かに「武漢」や「中国」という単語を病名に使用しないのは納得できます。

 

風評被害とは少し違いますが、「スペイン風邪」という名称でスペインは歴史的な汚名を着せられています。というのも、第一次世界大戦中に大流行した「スペイン風邪」と呼ばれるインフルエンザは、実はスペインではなくアメリカ起源説があるからです。

 

当時、戦争中だったドイツ、イギリス、フランス、アメリカは情報統制をしていて、病状や死亡の初期報告を検閲して最小限に抑えていました。一方、中立国だったスペインではこの新たな伝染病の事実が自由に報道され、その結果スペインが特に大きな被害を被っているという誤った印象を世に与えてしまいました。

 

結果として、「スペインで大流行している病気」という印象が固まってしまい、「スペイン風邪」として定着してしまいました。


 

 

話を戻しますと、風評被害を避けるために、新たな感染症の名称には地名・人物名・動物名を使用しないというのがWHOの定めたルールです。

 

そして、中国はこのルールを盾に、この新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の責任を回避しようとしています。それどころか、アメリカが中国に持ち込んだウイルスだと、とんでもない起源説を主張しました。

 

なので、トランプ大統領は一時期、会見の場で「Corona Virus」とは言わずに「Chinese Virus」と呼んでいました。手渡された原稿に自らペンで「Corona」を「Chinese」と上書きしてまで、責任の所在を明確にしよとしていました。

 

 〈修正された会見の原稿〉



ですが、これが中国人を含むアジア人全般に対する差別につながるとの指摘があり、トランプ大統領も「Chinese Virus」とは言わなくなりました。しかし、それはまさに中国政府の思うツボです。


 

それでは「武漢」や「中国」のキーワードを使わずに、中国政府の責任を明確にする名称ははたしてあるのでしょうか。

そもそも、このパンデミックには中国政府の責任があるのでしょうか。

 

この続きは次回のブログで。