秋の七草のフジバカマ(藤袴)を水尾で鑑賞 | 京都の春夏秋冬とプラスα

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京都の市街地から約12キロの西で愛宕山の麓に水尾の里があり、行政上は京都市右京区嵯峨に入る。愛宕山の伏流水と寒冷な気候が香り高い上質の柚子(ゆず)を育み、水尾は古くから日本での柚子発祥地として知られている。

この水尾の里で地域起しの一環として、2010年から住民有志が休耕田を活用しフジバカマ(藤袴)の栽培保全活動を行い、その開花時期に合わせて鑑賞会が毎年開催されている。ちなみに、今年(2019)は9月27日(金)~10月2日(水)の期間で開催され、先月30日に「フジバカマ鑑賞会」に参加した。
▽関連ブログ:絶滅危惧種の「藤袴」と渡りの蝶「アサギマダラ」
       https://ameblo.jp/taka-hannari/entry-12081906779.html


□ 自生のフジバカマの減少と栽培保全活動
秋の七草(はぎ・ききょう・くず・ふじばかま・おみなえし・おばな(すすき)・なでしこ)の一つであるフジバカマは、「源氏物語」でも描かれているように日本に古くから河原や野辺に自生。しかし、近年の環境変化で姿を消しつつあり、環境省準絶滅危惧種に指定されている。

こうした状況下で、水尾の里では地域起しの一環としてフジバカマの保全に向け、年間を通じた畑での栽培活動が行われている。

□ フジバカマへのアサギマダラの飛来と共演
フジバカマの花蜜には蝶が鳥類等の天敵から身を守る防御物質が含まれ、これを求めて渡り蝶アサギマダラが飛来する。アサギマダラはアゲハ蝶ぐらいの大きさで、日本列島を縦断し更には台湾まで約2,200㎞以上を移動するとも言われている。春は南から北へ、秋は北から南へとまるでツバメのように海山を渡る。

鑑賞会に訪れた当日(30日)は好天に恵まれ、フジバカマの畑には多くのアサギマダラが花蜜を求めて飛来し、畑の中で花と蝶のコラボの鑑賞を楽しんだ。

□ 水尾の里へのアクセス
水尾の里には、府道50号京都日吉美山線が通っているが、この道路には定期バスが走っていない。これを補う足として、水尾の自治会JR保津峡駅から集落まで中型バスを運行している。このバスでの所要時間は約15分で、フジバカマ鑑賞会期間中には増便される。筆者もこのバスを利用した。