世界遺産に登録された「長浜曳山祭り」を見物した | 京都の春夏秋冬とプラスα

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昨年(平成28)の12月、18府県33件の祭りで構成される「山・鉾・屋台工事」のユネスコ無形文化遺産、いわゆる世界文化遺産登録が行われた。

登録対象の祭りは、山車(だし)を引き回すのが特長で、山車は山・鉾・屋台・だんじりなどと呼ばれ、神霊が降臨する依り代となる。33件の中には、2009年(平成21)にそれぞれ独立して登録されている茨城県の「日立風流物」と京都の「祗園祭」も含まれている。この中で、祭りの本日(ほんび)の4月15日に、仲間を誘って近隣の滋賀県の「長浜曳山祭り」を見に出かけた。

□ 長浜と曳山祭りの由来
長浜市は滋賀県の東北部に位置し、豊臣秀吉が自ら初めての城主となり城下町を築いたのが長浜。

その長浜城主だった頃の秀吉に初めて男の子が生まれた。これを喜んだ秀吉は城下の人々に(きん)を振る舞い、町民がこれをもとに山車を作り、秀吉が保護した長浜八幡宮の祭礼に引き回したのが曳山祭り始まりといわれている。

こうした由来を持つ長浜曳山祭りは約400年の歴史がある。

□ 曳山祭りは春に行われ見所は子ども歌舞伎
祭りは長浜八幡宮の春の例祭に合せ、毎年4月9日~17日にかけて多彩な行事が行われる。中でも、13日~16日の期間、山車の「曳山」に備わる舞台で演じられる「子ども歌舞伎」は祭りの呼び物で見どころになる。この子ども歌舞伎は長浜曳山狂言とも言われ、毎年様々な演目が長浜八幡宮に奉納される。

子ども歌舞伎5歳から12歳の男の子により曳山の舞台で演じられ、大人顔負けの熱演に見物客の拍手喝采を浴びていた。子ども歌舞伎が演じられる曳山は12基のうち毎年4基が交替で当番山となり、その年の祭りに登場する。ちなみに、曳山は幅約3m・奥行約7m・高さ約7mの入母屋造で、重さは約6t。

□ 今年に限り曳山の全13基が御旅所に勢揃い
子ども歌舞伎を演じる12基と御旅所から各町内に戻る際の先頭に立つ長刀山(なぎなたやま)とを合せ、13基の曳山が長浜曳山祭りを構成する。

通常は12基の中から毎年4基が祭りに曳き出され、残りの8基は3年に1度の出番が来るまでは各町内の山蔵に大切に保存される。今年は、昨年のユネスコ無形文化遺産登録を記念して、全13基が長浜八幡宮御旅所(南呉服町10)に勢揃いしていた(2006年以来11年振り)。

 

【  プラスα:無形文化遺産に登録された33件の「山・鉾・屋台工事」 】

*産経新聞・平成28年(2016)12月1日の記事より抜粋、引用。