大文字山に登り「送り火」の火床に立つ | 京都の春夏秋冬とプラスα

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一度は登りたいとの想いを抱き続けてきた「五山の送り火」の一つの大文字山。目的は、8月16日の夜に行われる送り火の火床を自分の目で確かめ、加えて火床からの市街地の眺望を堪能すること。このため好天の日を選んで実行した。

銀閣寺の北側から山に入り、千人塚を経て大文字火床までを折り返すルート。通常は片道30分~40分程の距離のようだが、足の筋肉の衰えから途中の休憩を余儀なくされ50分程を要した。火床から見下ろす市街地の景観は、疲れを忘れさせてくれる絶景の眺望であった。

大文字山火床如意ヶ岳の位置関係
大文字山の標高は465mで、峰続きで後ろに如意ヶ岳(標高472m)がありる。五山の送り火の火床は大文字山にあり、標高が約330mのところに設けられている。

五山の送り火の山の中で唯一自由に登れる山で、山頂を経由して他に縦走する様々な登山ルートもある。ちなみに8月16日の送り火当日は入山禁止

大文字火床の配置と構造
」の字の大きさは、一画80m二画160m三画120m。この三つの画が交わる中心部分は「金尾(かなわ)」と呼ばれ、通路を挟んで弘法大師・空海を祀る御堂がある。

銀閣寺の北側を辿るコースでは、「大」の字の一画の左側に出る。火床の基礎台には耐火性の強い大谷石が用いられ、その上に松割木を井桁に組んで積み重ね(約1.3m)、その間には松葉が入れられる。

こうした火床は大文字の場合は全部で75基、その内訳は一画が19基・二角が29基・三角が27基。薪数600束・松葉100束・麦わら100束が使われる模様。

▽ 銀閣寺ルートへの通路に沿う一画の火床基礎台とその脇にある御堂

火床からの市街地の眺望
当日は快晴にも恵まれ、市街地からの火床の眺望と相対し、火床は想定以上の絶好のビューポイント。火床は厳密には西北西の方向を向いており、右方向に五山の送り火の「」と「」の山も見える。眼下には賀茂川高野川とのその合流地点の下鴨神社の糺の森も確認できる。

御堂前からは、遠方に西山連峰主峰の愛宕山(標高924m)を望め、そこから左手に辿ると嵐山も微かに確認できる。

□ ルートでの他のスポット:千人塚と薪搬送リフト
銀閣寺と送り火床のルートの途中に千人塚がある。第二次世界大戦の後半に、山中に防空壕を掘っていたところ、大きな壺に入った大量の遺骨が発見された。それらを祀ったとの石碑が立っている。

この付近で霊願寺からの如意越えと銀閣寺からのルートとが合流する。
また、送り火に使用される薪や護摩木を火床に運び上げる際のリフトも目にした。


▽ 関連ブログ:「五山の送り火で今年は西賀茂の船形を見る」
         http://ameblo.jp/taka-hannari/day-20130817.html
「京の伝統行事・五山の送り火の「妙法」を見る」
         http://ameblo.jp/taka-hannari/day-20120817.html
「五山の送り火と矢田寺の送り鐘」
         http://ameblo.jp/taka-hannari/day-20110816.html
        「五山の送り火に向けて」
         http://ameblo.jp/taka-hannari/day-20110808.html