なぜ人はカルトに惹かれるのか

脱会支援の現場から  法蔵館

 

瓜生崇著

 

一気に読みました。

 

この本の中にも出てきますが、瓜生さんと私の拘わりは古く、彼が親鸞会を脱会するときに相談にのらせて頂きました。

その時の事情が72ページあたりに記されています。

・・・

混乱してうつ病のような状態になり、能登半島の北の端まで車を飛ばした。

岸壁から飛び降りて死のうと思ったのだが、いざ足を踏み出そうとすると、足が固まって動けなくなる。場所を変えたり、助走をつけたりしたけれど、どうしても怖くて無理だった。いざ飛び降りようとするとものすごい動悸がして足が動かなくなる。ネットで調べると首つりが良いとあったのでロープを買ってきたりもしたが、実際にやろうとすると飛び降りるよりもっと怖く、ロープをかける場所を探すだけで一日が終わったりした。人間はそう簡単に死ねないことがよくわかった。そもそも死の不安と恐怖が、仏法を求めるきっかけの一つだったのではないか。

 

そしてやっと、死ぬくらいなら親鸞会をやめて、人生をやり直すしかないと思えたのだった。東京タワーから飛び降りるくらいの覚悟で電子メールを送った。一通は「マインドコントロールとは何か」の著者である立正大学の西田公昭教授で、もう一通が岡山で統一協会信者などの脱会支援をしていた、日本同盟教団の高山正治牧師だった。

すぐに高山牧師から返事があってできる限りの支援をするという内容であった。・・・・

脱会後すぐに私は岡山の高山牧師に会いに行った5時間ぐらい話を聞いてくれたことをよく覚えている。

高山牧師にはその後も随分お世話になった。その後高山牧師の紹介で様々な脱カルトの活動をしているキリスト者に会いに行った。どの方も深く印象に残っているが、統一協会信者の脱会支援で有名な、杉本誠牧師に会ったことは特に忘れられない。杉本牧師は私に会ったときに、どんなに大変な思いをして脱会してきたのか、よく脱会してくれたと泣いたのだ。大勢の脱会者の苦しみを見てきた人の涙だと思った。

・・・・・