怒りと悲しみの目覚め。
「大魔神」
『時は戦国時代。
丹波の国ぬ領主である花房家は、家老の左馬之助一派の下剋上により滅ぼされた。それから左馬之助は領民をこき使い、砦の建設を強要した。
領民に怒りと苦しみと悲しみが広がる中、巨大な魔神が現実に姿を現した。』
1966年公開。
監督:安田公義。
脚本:吉田哲郎。
出演:高田美和、青山良彦、藤巻潤、五味龍太郎、月宮於登女。
シリーズ第1弾。
1936年にチェコスロバキアで公開された映画「巨人ゴーレム」で登場したゴーレムがもとになっている作品。
日本独自の時代劇及び特撮技術だけでなく、ブルーバック合成技術が多く使われています。
肝心な大魔神登場はラスト20分で、それまでは左馬之助がいかに領民を苦しめ、魔神伝説を馬鹿にしているかが描かれます。
必要以上の年貢を納めさせ、身体の強弱関係なく男達は砦建設の強制重労働。城の人間は、男達を痛めつけるだけで建設に協力せず、動けなくなった男達を助けようともしません。おそらく食事もろくに取れていないのではないでしょうか。
これが見てて非常に辛かったです。
神に祈っても助けに来るわけではないですし、希望もありません。絶望感が凄まじい。
領民が信仰する武神像の破壊はさすがにやり過ぎ。
そんな絶望感を十分に感じた所で、ついに大魔神登場。
左馬之助側の人間を次々と蹴り飛ばし、踏みつけ、建設途中の砦もいとも簡単に壊していきます。
1時間近く左馬之助の領民イジメを見ていたので、その分この大暴れは非常に気持ち良かったです。
あの時代の人間じゃ、あれはどうにもならん。
初めて見ましたが、割と分かりやすい話でしたし、爽快感もありました。
このシリーズ、ハマりそう。