PICU スペシャル2024 | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

あれから1年。

小さな命と今日も向き合う。



「PICU スペシャル2024」 




2024年放送。

演出:平野眞。

脚本:倉光泰子。

医療監修:浮山越史・渡邉佳子(杏林大学病院)、植田育也・川嶋寛(埼玉県立小児医療センター)、齊藤修(東京都立小児総合医療センター)。

取材協力:宮城久之(旭川医科大学)。

出演:吉沢亮、安田顕、木村文乃、高杉真宙、高梨臨、菅野莉央、生田絵梨花、中尾明慶、正名僕像、甲本雅裕、小林虎之介、武田玲奈、ともさかりえ、大竹しのぶ。




舞台はドラマシリーズから1年後。
全員変わらず子供の命と日々向き合っている中、研修医の瀬戸と七尾の2名がPICUに入ります。

あのメンバーにまた会えた事、志子田の小児科医師としての成長がまず嬉しかったです。患者の処置等は安心して見れました。

だけど入ってきた研修医。なかなかの曲者でした。



まずは瀬戸。
知識だけを得て知った気になり、普通の医師のように患者を治療出来ると勘違いしています。
頭の良いバカです。
案の定ミスをして患者を苦しめてしまいます。

病気を治す事だけに目を向けていて、患者の事を見ていません。
人間の身体は一緒に見えて一人一人違うわけですから、その人に合ったやり方をしなければなりません。それで治りが遅くなろうとも。

それだけでなく、患者の家族がどう思っているのかも考えていません。「あらゆる可能性を考える」のは重要ですが、それを家族にあまり知られてはいけないし、死に繋がるような事も言うべきではありません。
それを知って家族がどう思うのか。
瀬戸はもっと人間を学ぶ必要がありますね。

だけど、最後の方には成長しているのが分かったので安心出来ました。



あと七尾ですが、瀬戸よりかは研修医らしいです。治療の際に慌てていましたし、手も震えていました。現場に初めて入った人間ならこれが当然です。
出来なかった言い訳はどうかと思うけど。

だけど厄介な事に、「肩を触られた」「飲み物を強要された」などをハラスメントとして報告してしまいます。正直「そんな事で?」と思いますけど、今は残念ながらそういう時代です。ちょっとした気遣いですらハラスメントとされてしまいます。
「そんな事で」と思った私は、もしかしたら危ないのかも。

そんな彼女に、綿貫のパワハラ覚悟の一喝。
気持ち良かったです。

残念なのが、瀬戸よりも成長が見えなかった事。
瀬戸は今後思いやりのある医師になると思いますが、彼女はどうでしょうね。



研修医だけでなく患者にも注目。
ドラマシリーズにも登場した患者も再び登場し、今どういう様子かが描かれています。
まだまだ治療は必要なものの、それでも笑顔が見れて安心しました。

新たな患者ももちろん登場します。
だけどこの新たな患者に関してはドラマシリーズより辛い展開があるので、結構覚悟した方がいいと思います。
こういう子供が実際にいるのが信じられない。命に責任が持てない親が多すぎる。

そういう不満を口にもせず、志子田は最後までよくやっていました。
泣いても良かったのに。



『医者は万能ではない』

ドラマシリーズよりもこの事がよく伝わりました。
万能でないからこそ、医者は日々話し合い、悩みながらも治療方法を決めていきます。時にその治療が、「本当に患者に必要だったのだろうか」と、自問自答を繰り返したりもします。すぐに効果が出ればいいですが、出ない事もあります。効果が上手く出ない時の医師の不安は凄まじいでしょうね。下手したら他の仕事に手が付かなくなるかも。

患者側からしたら、頼りの医師が悩みながらやっているのに不安を感じる方もいるかもしれません。
だけど、医師達は患者と24時間向き合い、親のようにその患者の事を考えてくれます。元気になってもらいたい一心です。
子供達が、私達が元気でいられるのは、医師達の日々の奮闘があってこそです。感謝しかありません。



待ちに待ったスペシャル版。
今回も非常に心にグッとくる話でした。
大満足です。

全ての子供が幸せになれる未来でありますように。