“わざと負けたか分からねぇほどに錆びちまったのか!”
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX ⑧」
2003年放送。第15話、第16話収録。
脚本:櫻井圭記、寺戸信寿。
絵コンテ:竹下健一、神山健治。
演出:竹下健一、橘正紀。
作画監督:新野量太、浅野恭司。
第15話「機械たちの時間」
『試作型狙撃制御一体型ヘリのテストにて、サイトーは問題点を指摘。試作型は報告会が終わるまで整備室で保管される事になった。
整備室では、タチコマが試作型と繋がりたくてウズウズしていた。』
タチコマにとって非常に重要な回です。
様々な任務、様々な人間との対話により、多くの事を学習したタチコマ。それにより、同じAIのはずがそれぞれ個性が生まれ始めています。
“リーダーシップを取りたがるタチコマ”
“読者を好むタチコマ”
“バトー専用を認識しているタチコマ”
AIの成長は技術的にはスゴい事ですが、兵器としては大問題です。使用者の意思通りに動かなければ、それは欠陥と同じです。
このタチコマの変化に対する素子の決断。
バトーは辛いでしょうね。
第16話「心の隙間」
『軍内部の機密情報を横流ししているスパイを探し出すため、バトーに潜入捜査の命が下った。容疑者は、元銀メダリストの格闘家で、現在は格闘教官のパブロ・ザイツェフ。彼は、かつてのバトーの憧れの格闘家でもあった。』
バトー潜入捜査の回。
海自衛隊を装い、ザイツェフのいる基地内に潜入して調査します。
ボクシング対決は見応えありましたね。
一部義体化しているザイツェフ VS 全身義体のバトー。戦い方や義体の知識が、勝敗に大きく影響するのが割と面白かったです。
こういう、演技を求められる捜査ってバトーは苦手かと思っていましたが、結構出来てましたね。ザイツェフの自宅にも招待されてたし。それ故に、最後は辛かったです。
バトーが主役の話ではありますが、前回のタチコマの一件が大きく関わっています。明らかに様子がおかしいです。
9課の中で一番愛を持ってタチコマと接していたのはバトーですから、これは当然ですよね。
寂しさ、苛立ち、空しさ。
痛い程伝わってきました。
次回。
中国外務次官暗殺計画。