日本女侠伝 | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

男の好きにはさせない。


「日本女侠伝 侠客芸者」


『男の勝手な振る舞いを許さず、例えそれが軍人であっても反抗する芸者・信次。
そんな彼女はある日、手広く炭鉱を経営していた大須賀の座敷を放っておき、たった10円しか持たない鉱夫達と一生に一度の相手をした。
その鉱夫達を迎えに来た島田に、信次は惹かれるものを感じた。』


1969年公開。

監督:山下耕作。

脚本:野上龍雄。

出演:藤純子、若山富三郎、桜町弘子、土田早苗、伊藤栄子、正司花江、三島ゆり子、時美沙、榊浩子、原良子、利根はる恵、寺島達夫、遠藤辰雄、小松方正、金子信雄、藤山寛美、高倉健。



シリーズ第1弾。

藤純子演じる信次は、非常に男勝りで、どんなお偉いさんの要望でも、嫌な事は嫌とハッキリと言い放ちます。
ヤクザに対しても反抗的で、そんな信次の姿を見た他の芸者も信次と共に反抗します。それにはヤクザもタジタジ。
酒を大皿で飲むという嫌がらせにも屈せずに、大勢の前で飲み干します。

やること為すこと全てが気持ち良い。
男達がカッコ悪く情けない感じに描かれていた分、女性の逞しさ、意地の強さがよく表れていたと思います。



炭鉱の納屋頭・島田を演じたのは高倉健なんですが、相変わらずのカッコ良さ。
そしてとんでもなく頑固で、強い信念を持っています。

どんな事があっても動揺せず、言いたい事があったらハッキリと言う。
この姿には憧れますね。

最初の、払う払わないの言い合い、一瞬で世渡りがド下手くそなのが分かりました。



最後の死闘も非常見応えありました。

だけどこれに限らず、高倉健が敵陣に単身で乗り込んで大暴れという展開は、前も何かで見た覚えがあります。この時代の作品では多かったのかも。

あと、暴力での解決というのがこの時代の作品ならではな気がします。今なら暴力以外、騙しあいによる炭鉱の奪いあいをするのではないでしょうか。
今回の作品なら、信次が策を巡らせて大須賀を騙すという展開の方が合っていたように感じました。



信次や島田のような生き方、憧れた人は多いのではないでしょうか。

だけどあの気迫、あの芯の強さは、一朝一夕では身に付かないでしょうね。