少女革命ウテナ | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

世界を革命する力を!



「少女革命ウテナ」



1997年放送。全39話。

原作:ビーパパス。

原案:幾原邦彦、さいとうちほ。

監督:幾原邦彦。

シリーズ構成:榎戸洋司。

音楽:光宗信吉。

アニメーション制作:J.C.STAFF 。



※最終回に関するネタバレあり。



幼い頃に王子様に助けられた事がきっかけとなり、王子様に憧れを抱いた少女・天上ウテナ。
彼女は知らず知らずのうちに、“薔薇の花嫁”を巡る決闘に巻き込まれてしまう。


原作である『ビーパパス』は、「美少女戦士セーラームーン」シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦が少数精鋭のスタッフを集めて結成した制作集団です。
そして、少女漫画家のさいとうちほとタッグを組んで作らろたのがこの作品です。



YouTubeで全話無料公開されていたので、それでようやく全部見ました。

「機動戦士ガンダム  水星の魔女」で、ウテナが騒がれていた理由がようやく理解出来ました。確かに共通点が多い。恐らくある程度影響は受けていると思います。
今のアニメにも多大な影響を与えるくらい、この作品は強烈だったのでしょうね。

そういう作品は見ておいて損はないと思っているので、タイミング良く今回見られて良かったです。



まず、非常に独特で唯一無二な演出の数々に驚かされました。

回転する薔薇、無理矢理注目させる矢印、机が動いたり車が飛び出る決闘場、目の前で起きてる不自然すぎる事をガン無視して話し合う生徒会、影絵少女の影絵劇場、胸をはだけさせたり、ボンネットに飛び乗ったりする奴ら。

なんでそうしたのか、理解するには時間がかかりそうです。理解出来るものではないようにも思いますが。

音楽も唯一無二でしたね。
特に決闘時に流れる「絶対運命黙示録」。歌詞も曲調も独特すぎて、一度聞けば当分は耳に残ります。
この曲以外にも、決闘時の曲は何曲か使われますが、全て歌詞が独特です。
決闘よりもそっちが気になる時もありました。



この作品で最重要なのが、決闘。

“永遠”に至る“世界を革命する力”を与えるとされる“薔薇の花嫁”・姫宮アンシーを手に入れるための決闘が、薔薇の指輪を持つ者によって度々行われています。
最初は生徒会メンバー、次に御影草時によって選ばれた黒薔薇のデュエリスト、その後は“永遠”を見たい生徒会メンバー、そしてラスボスである“世界の果て”。

まさか最後まで決闘をするとは思いませんでしたね。決闘は黒薔薇編までで、その後は決闘以外がメインになるのかと予想していました。
飽きると思ってましたが、同じデュエリストでもやり方を変えたりしていたので、その変化があったおかげもあり、飽きずに楽しめました。

一番好きなのは樹璃との決闘。2回とも見応えありました。
残念だったのが西園寺。重要なのは最初だけで、後はいいとこなしでした。面白いキャラクターなので、もう少し光らせて欲しかったです。



意外だったのが最終回あたり。

王子の正体と姫宮アンシーの秘密は分かりました。
これはかなり辛いです。アンシーが一番可哀想。王子があんなことになったのも納得出来ます。
あの刃は刺さっているという事でいいのだろうか。まぁ大量出血なんか放送出来ないですよね。

“世界を革命する力”、“永遠”。

これまで語られなかったこれらの事が、曖昧にされたまま終わりました。もしかしたら読みが甘く、台詞を咀嚼し、しっかり理解すれば答えが分かるのかもしれませんが、1回見ただけじゃ私は分かりませんでしたね。

だけど、ウテナの目的は“世界を革命する力”でも“永遠”でもなく、アンシーを救う、自由にする事ですからね。ウテナの願いは達成されましたから、全て明らかにならなくても、これはこれで正解でしょう。
スッキリはしませんけどね。

あの後、アンシーはウテナと再会出来たんですかね。



今思えば、軽く流し見していた七実ギャグ回は、作品全体を見たらオアシスのような回でした。

雰囲気の中和って大事。


ウテナが“女”になる瞬間は見たくなかったな。