三千歩歩いたところ手毬花 

              春行士

この句をフェイスブックにも掲げたのですが、紫陽花のことを手毬花ともいうことを知らせたくて、また本当に3000歩くらい歩いたときに出現して思わず句になったのですが、今考えるに、紫陽花でなくてもこの句は成立するということを思ったのです。つまり、季語が動くということです。

 前回の、「相棒」の殺人現場躑躅咲く と言う句では躑躅の形、色合い、漢字のフィーリングが殺人現場という言葉にぴったりと来るのです。躑躅でなければいい句にならない。

それに引き換え、三千歩歩いたところに木蓮が咲いていてもいいのではないかと言えるのです。これが季語が動くということです。久しぶりに俳句講座になりました。