昨夜は五色会の1月例会でした。

場所はいつもは麦屋ですがちょっと趣向を変えて同じ赤坂のすぐそばの、「にっぽんの洋食」

というキャッチフレーズの「津つ井」でした。


→ http://r.gnavi.co.jp/a530200/   気に入ったので URLを載せます。


さて、今回の兼題は 寒卵、新年会、初旅 でした。そして席題は「足」。

このブログを途中からお読みの方はアーカイブで兼題、席題をご理解ください。


僕の取った中で特にいいな、と思ったのを以下に挙げます。今回は季重ねになりやすい季語でしたので季重ねになってしまった句がいくつかありました。でもどちらの季語が強く響くか、季重ねを敢えて犯さないとどうしても言い表せないのならば、良しとしましょう。


  初旅や襟足に入る能登の雪    もとを

  悪友と〆の雑炊寒卵         静作

  白足袋を卸して向かふ初観音   青鈴

  寒卵今年は丸く生きてみん     フミ


なんと季重ねだらけです。   初旅と雪、 足袋と初観音、 寒卵と今年。

しかし、じゃあそれをはずして同じ情景、心情が詠めるかというとどうでしょうか。

季重ねについて考えさせられる句が、しかもよい句が揃っていたので取り上げた次第です。

有季定型、絶対に守るべきです。しかし柔軟な解釈力も必要です。俳句の季語についてみんなで議論したいものですね。熱燗で。天下国家を論ずるのは若者に任せて。なんてね。


 僕の次の1句は高士先生の特選に入りました。自分でもよく出来たと思えるものでした。

  手品師のハットに潜む寒卵    春行士

席題の足を手と間違えたわけではありません。では僕は席題でなにを作ったかというと、

  倫敦の虚子の足跡寒雀    春行士

  (ロンドンのきょしのそくせきかんすずめ)  です。ロンドンのキューガーデンには虚子の

句碑があります。

  雀らも人を怖れぬ国の春   虚子

ロンドン時代を思い出して作りました。


初旅は十時のあずさここ十年    春行士