今回は、しゅーとの死去と同時に、しゅーとめのアルツハイマー罹患が
発覚し、その数日後には、歩くことさえままならなくなった時の話です。
しゅーとが亡くなるだいぶ前から、義両親とも、2階の部屋はあまり
使わないようになっていたようなので、同居するにあたり、自分たちの荷物
(ほぼ着替え)をそこに運び込み、生活を始めました。
当時はまだ、ショッピングモールどころではなく、介護生活の模索に明け暮れる
日々でしたが、しゅーとめの歩きも、家の中を伝い歩く程度には回復してきました。
回復はしましたが、
しゅーとめ:「私、歩くことすら出来ない...」
と、落ち込んで涙ぐむことも少なくありませんでした。
そんな頃、夫がこんなことを言い出しました。
夫:「2階のカーテン閉めてくれたの?」
私:「いや、気にしたこともないよ」
夫:「じゃあ、僕が自分で閉めたのかな。あんまり覚えてないんだけど。」
当時は、慣れない生活に追われて、夜になったらカーテンを閉める、等という
レベルの些末な家事?は、全く忘れ去られていたのです。
今考えるとぞっとしますが、それくらいバタバタしていたし、田舎だから
済んだ?話でした。
しかし、いくらボケボケ夫婦でも、覚えもないのに、2度3度と2階のカーテンが
閉められていれば、何やらおかしいことが起こっている、と感じます。
夫は自分ではない、と言います。
私も、カーテンを閉める、と言う概念すら消えてきたくらいですから、
全く身に覚えがありません。
そうなると、考えられるのは1人だけ...
しゅーとめしかいないのです。
しかし、いつ階段を(しかも昔タイプの階段なので、割と急)上っていたのか...
それより何より、「私、歩くことすら出来ない...」と、涙まで浮かべていた人が、
上りはともかく、あの急な階段を下りてくるなんて!
元々、少々被害妄想の気のあるしゅーとめは、「私、○○出来ない」という
思い込んだら本当に出来なくなります。
しかし、今回のように、「あら、2階のカーテン閉めたかしら?」
(多分そう思ったと推測)と気になった途端、その実力を遺憾なく発揮できます。
その結果、カーテンを閉めに行ったのでしょう。
歩みが衰えていたのは確かなので、良く怪我をせずに済んだな、とぞーっと
する一方で、しゅーとめの「私、○○出来ないの...」は、今後、要注意だな、
と、心に留めることとなった事件でした。