前回、ウインドウショッピング来たああ!と書きましたが、洋服に対する反応が
以前とは比べものにならないほど薄かったため、ちょっとばかり根気が必要でした。
「今日は欲しい服があるからちょっと(店を)見てもいい?」と誘ってみたり、
「あの服の色、お義母さんに似合いそう!」と、半分無理矢理連れ込んだり、
車いすで店内を回ることを続けたのです。
回数を重ねるたびに、だんだん洋服への興味が回復していくのが,手に
とるように感じられました。それは、今まで忘れていたものを少しずつ
思い出していく作業のようにも見えました。
そしてとうとう!
車いすから立って、棚を1つ1つ自分で見回り始めたのです!
もちろん、不用意に棚に体重をかけたり、キャスターに寄りかかったりするので、
最初の頃は、ずっと手を繋いでの移動でした。
しかし、それもだんだん自立してゆき、好きなように店内を回るようになりました。
興味のある事、好きなことって忘れないんだなあ...と感じた出来事でした。
忘れたようにこちら側からは見ていても、心のどこかに眠ってしまっているだけで、
状況さえ整えられれば、思い出す可能性は残っているんですね。
この後、見るだけ専門だったしゅーとめが(しゅーとに嫌みを言われるため、
なかなかものを買えない生活をしていた)、「買いたい」というようになり、
気に入った洋服があると、夫と私に向かって、「いいでしょ?(=似合うでしょ)」と、
服を顔に合わせて、ちょっとはにかんだように笑顔を見せるようになりました。
以前のしゅーとめそのものでした。
このウインドウショッピングのおかげで、常時のうつ状態からは脱却する事が
出来ました。
さらに、いつもの通り、このウインドウショッピングにもおまけがついてきますが、
それはまた次回の話...
↑しゅーとめが1人で苦労なく着替えが出来るようにと選んだ下着です。
リラックスタイプのブラジャーなど、色々試してみましたが、見慣れない
形状なのかあまりなじめず、正しく付けることにも気が回らなくなっていた
しゅーとめには難しかったようです。
↑これだと、締め付けもなく、パットもついていること、通常のシャツと
変わらないこと等からか、抵抗なく1人で着脱が出来るようになりました。