太政官から大宰府まで官職名について扱い、最後は一部の令外官についても触れ直した。
 登場した官職名のうち、大臣は、閣僚の職名として今も使われている。
 大納言、中納言などは、小豆や海老料理の店の名に使われている。
 近衛の大将、中将、少将は、軍の階級に名を残している。
 左京、右京は、地名(区名)として残っているし、男子の名として使われることもある。
 大宰少弐は、少弐氏として伝わり、本家は滅亡したが、傍系は今も家系が残っているようだ。
 しかしながら、もっとも根強いのは、「すけ」という言葉だろう。もともとは次官として、中央官から地方官までさまざまな文字で使われていたが、男子の名の末尾に使われることは今も普通にある。大輔などは、有名人だけでも複数いるだろう。「たいふ」などではなく「だいすけ」だろうが。
 似ているようでも、兵衛(ひょうえ)は「べえ」「べい」などと変化しながらも使われていたが、「すけ」ほどは使われていない。「さえもん」「うえもん」も、一般的な名ではなくなってきている。ただし、世界的に有名な存在として「ドラえもん」がある。
 こういう名前にまつわる話を、たとえばNHKの「日本人のおなまえ」のような形で、もう一度特集してくれないだろうか。