宮内省関連の職の続き。

・掃部頭(従五位下相当)
 掃部(かもん)寮は、宮中行事に際しての設営や、殿中の清掃等を所掌。
 武家では、「安政の大獄」の大老・井伊直弼が有名だが、井伊直孝(井伊直政の次男)が掃部助になったためか、彼の子孫が掃部頭を称するようになり、井伊掃部頭家とも呼ばれるようになった。

・内膳正(正六位上相当)。正(かみ)以外に奉膳(ぶぜん、ぶうぜん)とも。
 内膳司は、天皇の日常の食事、食料の調達などを所掌。
 有名人というほどではないが、板倉重昌(島原の乱で上使として派遣され九州の諸大名などの指揮を取るが、戦死)が称した。

・造酒正(正六位上相当)
 造酒(みき)司は酒、醴(あまざけ)、酢などの醸造を所掌。
 武将や官人より、天保水滸伝の平手造酒の方が有名か。

・采女正(正六位下相当)
 采女司は、宮中で天皇や皇后の食事など身の回りの世話を行う女官・采女(うねめ)を所管。
 有名人というほどではないが、水戸藩主・徳川綱條(光圀の養子)がいる。

・主水正(従六位上相当)
 主水(もんど)司は、水、氷の調達、粥の調理などを所掌。
 歴史上の人物よりも、中村主水(必殺シリーズに登場する同心で、藤田まことさんが好演)、早乙女主水之介(旗本退屈男)などの方が有名。