台風7号がお盆を直撃した。
初めの予想は、大阪付近を直撃し、若狭湾方向に抜けるようなコースだったが、夏台風独特の予想の難しさか、西寄りにずれた。

早くから、綾部など京都府北部での大雨が伝えられ、台風が近づいてからは鳥取の千代川や香美町の矢田川水系などで被害が報道されていた。
円山川水系でも、上流の八木川や出石川など、かなり危なかった地域や、実際に土砂災害などが発生した地域もあったが、豊岡市中心から城崎温泉にかけての下流域では、なんとか最悪の事態は避けられた。



 

ただ、国土交通省の水位データなどを見ると、相当きわどかったことがわかる(上図)。
平成16年の台風23号の後、国交省直轄区間や自治体管理箇所、それぞれで大掛かりな工事が行われたが、あれの効果もあっただろう。

気象庁ウェブサイトやヤフーのアメダス情報などを参考に、台風のコースと風向き(各地で雨が強かった8月15日の早朝(緑矢印=概ね4時~5時頃)と午後(赤矢印=概ね13時台))を下図に落としてみた。
(綾部市はなく、福知山市も被害が大きかった大江町のデータはないが、あくまでイメージとして。)



 

早朝分は、意外に北寄り以外の風も多い。
台風が近畿北部に近づいてきた午後分は、やはり北寄りの風が目立つ。
イメージとしては、早くから伊勢湾方向からの湿気を含んだ風が琵琶湖あたりを通って京都府北部に流れ込み、線状降水帯が発生していたりもした。
兵庫県北部から鳥取県にかけては、台風が近づくにつれ日本海方向からの北寄りの風が強くなり、中国山地やその延長上の山々に雲を発生させ続けた。
この日本海側の現象は、台風の直撃よりも、進路の左側で顕著になることがある。
(太平洋側などで進路の右側の被害が大きくなる傾向があるのと対照的だ。)
だから、もし台風が当初の予想どおり大阪から若狭湾に抜けるコースを取っていたとしたら、円山川下流域の被害は、もっと大きくなったかもしれない。