第164回の芥川賞は 宇佐見りんさんの
「推し燃ゆ」でしたね。
ハードカバーが出たと聞いたので、仕事中に買いに行きましたw
宇佐見さんは前作「かか」で
三島由紀夫賞を史上最年少の21歳で受賞しています。
「かか」は壊れてしまった母親を助けるため熊野へ旅をする
19歳の浪人生の物語なのですが 、
人間の「気分」を ここまで緻密にに文章化する作家を僕は知りません。
凄い才能だと思いました。
それでも
今回2作目で芥川賞を獲ったのには驚きましたけど・・w
今回の「推し燃ゆ」は
そのタイトル通り推しのアイドルがネットで
炎上するところから始まります。
主人公はそのアイドルの「追っかけ」のような高校生です。
書評家の豊崎由美さんは
「すべての推す人たちにとって救いの書であると同時に
絶望の書でもある本作を強く強く推す。」
とまで評しました。
僕も昨夜一気に読了しましたが
この年齢でないと書けない物語の上に
まるで若い人たちの匂いがするような
熱い感情や思念をまっすぐに文学で綴じてある。
まさに今、宇佐見さんにしか描けない小説だと思います。
それにしてもこんな若くて素晴らしい才能に
わずか¥1400で触れることができる。
本ってすごいなと改めて思うとともに
もっともっと時間を作って本を読みたいと思いました。