ノーマルのバルブリフト量とロブセンターを測ってからバラします。
ノーマルはデータがありますが恐らくゼロリフトだと思います。
なのでデータで比較が出来ません。
実際に1㎜(0.040")リフトでのデュレーションやバルブリフト量、ロブセンターを測って今後に役立てます。
腰上を開けて各部の摩耗状態をチェック。
ピストンはカーボンの蓄積はありますが特に気になる摩耗はありません。
セカンドリングが摩耗していて少しオイル上がりの症状がピストンに見受けられます。
次にシリンダー。
クロスハッチは消えスカートとの摩耗跡はありますが軽くホーニングでも使えるレベル。
でも、クリアランスが規定値内ギリギリになるので
オーバーサイズピストンの投入を決定。
ピストンメーカーの選択肢は3つ。
TKRJ・Wiseco・Wossnerです。
Wossnerは日本での入手困難でパス。
残るはTKRJとWisecoですがピストンキットで1万円を切るTKRJが鋳造ピストンであることから
TKRJ製の1.25mmO/Sに決定!
(Wisecoは鍛造25,000円くらいで1㎜O/Sまでのハイコンプ)
これにより排気量は230ccとなり圧縮比もほんの少し上がります。
(以前から書いている通りスリーブ残厚を片肉2㎜を切らないサイズです。)
ピストンが届いたら内燃機屋にシリンダーとヘッドを預けて
ボーリング(プラトーホーニング)&バルブシートカット(3アングル)します。
ノーマルのカムはめちゃめちゃ綺麗。
偏摩耗も無く状態は良好。
こう見るとカム山が全然違う…
今回使うのはMegacycle製のカム
Webcamと同じく溶接肉盛りによるアメリカ伝統のカムです。
スペック的にはWebcamよりもバルブリフト量は抑え目でバルブオーバーラップは広め。
どちらかといえば中間トルク重視のカムです。
※このWebcamのデータは1.27㎜(0.050")リフト時のデータなのでMegacycleとの単純比較は出来ませんがリフト量はWebcam389が明らかに高いです。
回しっぱなしのオーバルトラック等では相当戦闘力が上がりそうです。
Webcamを選ばなかったのは金額的な問題ですので
今後アメリカ為替が円高に進めば試すかもしれません。
ちなみにMegacycle製はテスト目的でタダなんです♪
しかもR&Dの強化バルブスプリングとセットで♪
思いっきり回しますので良いテスト結果が出せることを祈ってます。
ヘッドもカーボンの蓄積がありますが他に異常なし。
バルブも曲がりや摩耗無くそのまま研磨のみで使用します。
バルブ関係は頂き物で予備があるんですが温存しておきます。
カムチェーンは爆安で以前に仕入れた新品ストックがあるので交換。
カムチェーンは相当延びていました。
TWエンジンの弱点とも言われているカムチェーンは定期的な交換が必要と思われます。
カムチェーンが延びることでバルブタイミングはどんどん遅れていきます。
カムやボアアップ云々は正確なバルブタイミングや点火時期があって初めて生きるものです。
単なる部品交換で基本を無視して自惚れていては本末転倒という事になります。
機械のメンテナンスに関わる人間ならわかると思うのですが、色々な機械構造の中で弱点を作ることはある意味大切になります。
ここが弱点なお陰で助かっている部分もある(クランクやカム受け)と考えれば消耗部品の一部と考えて比較的交換の簡単なカムチェーンの定期的な交換がベストな状態を保つアイテムですね。
僕は今回のO/Hを見ていて確信しました。
カムチェーンガイドはボチボチ正常摩耗。
カムスプロケットもボチボチ正常摩耗。
それぞれ新品を入れておきます。
内燃機屋さんでボーリング完了したら
ピストン、ピストンリング、ピストンピンをWPC+ハイパーモリショットに第二陣で出します。
それが返ってきたら遂に組み込み開始ですね。
完成は1月中旬~2月初旬の予定。
あ~楽しみです( ̄ー ̄)♪