先日、書道の表彰式に出席するお嬢さんのコーディネイトを考える機会がありました。
かなり大きな賞を受賞されるということでしたが、手持ちの着物を確認したところ彼女に似合いそうな絽の訪問着や留袖が見つかりません。表彰式は明日に迫っており、さてどうしたものかと悩んでいたところ、ピンクの曲線で流れを表し、糊の加工とぼかしで全体がやわらかく見える無地に近い絽の小紋がありました。
フォーマルな場の表彰式に小紋とは、と思われるかもしれませんが、この着物は色無地のようにも見えるし、そこは組み合わせをひと工夫。
帯をグリーン地の絽綴れに団扇のアップケを付けた華やかなものにしました。アップリケの中には刺繍がたっぷり入った菖蒲の花が咲いています。
この帯、実は義姉が若い頃に締めていたもの。戦前のものなんです。
帯締めは道明の唐組にしました。
こんな感じ↓
これでフォーマルな場でも、見劣りがしないかなと。
お召しになった方が、可愛いらしいお嬢さんだったこともありますが、とても良く似合って、本人も喜んでくれました。
会場でも好評だったそうで写真をたくさん撮られたそうです。表彰式後のホテルでの懇親会ではホテルの方からどこで誂えたのかと尋ねられたそう。
若い方がキモノを着てくださることはとても嬉しいことです。その上、喜んで頂けるは何よりも幸せなことです。今回は絽の小紋をいかにフォーマルに見せるかを考えました。このように自分にテーマを与えて考えることは脳の活性化にもなりとても楽しいですね。機会を与えてくださったお嬢さんに感謝です。