実生20年の梅。 | 長楽未央「楽しみの盆栽」

実生20年の梅。

もう4月も終わりですね。

 

ようやく植替えを終わらせ、

葉狩りに葉透かし、葉切りに芽摘みと

細かくて根気のいる

精神修行の様な作業が始まりました。

 

今年の植替えは芽動きが遅かったのですが

急に気温が上昇したので

一気に芽が進み、大変でした。

 

古い木で枝が良く出来た雑木などは

植替えのタイミングが需要ですので

複数の木を一度に行わないといけない状況になり、

気が焦ると共に疲労困憊で植替え以外、

何も出来ませんでした。

 

今年は特に一人では持てない大型の木が多く、

今までで経験したことがない腱鞘炎になり、

鋏も握れないほど痛みました。

 

 

 

実生から20年程経つ野梅です。

当園に来て2年程経つのですが

植替えは今回が初めてです。

 

来た当初は作乗りが悪く、

葉や芽が弱々しかったのですが、

当園の管理で作乗りが良くなりました。

 

 

 

 

 

鉢から抜いた状態の根です。

 

根がパンパンに回っています。

 

 

 

 

 

 

底も根でみっしりです。

 

根掻きで解すのですが、

固まっている状態は硬くて大変です。

 

根の状態を見るだけで

作乗りの良さがわかりますね。

 

 

 

 

 

 

根処理後。

 

何度も書いていますが、

どんな木でも根は切れば切るほど良いです。

 

ですが、

限界を越えると木が痛んだり、

枯れたりします。

 

ですので、

その木の状態に合わせた切り方が重要です。

 

限界まで切る事で危機を感じ、

木が根を出そうとします。

 

そうなる事で

新陳代謝がかかりますし、

一年後には根が充実して作が一気に乗ります。

 

作を乗せようとして

根を多く残したり、

木の調子が悪いからと、

鉢替え程度の植替えを行っている人が多いですが

それでは中々回復しませんし、作も乗りません。

 

 

 

 

 

根処理前と根処理後では

根量の差が物凄くあります。

 

当園の植替えを見たことがない人は

枯れるのではないかと心配される方が多いです。

 

植替えをした年は

木が根を出すことを最優先として力を使うので

芽の伸びや葉の大きさなどは控えめになりますが

1年後には飛躍的に良くなります。