リスタート・梅(その3・針金第一段階) | 長楽未央「楽しみの盆栽」

リスタート・梅(その3・針金第一段階)

先日の中秋の名月は綺麗でした。

 

奥さんに綺麗に見えるよと伝えると、

外へ見に行きましたが、

息子に言っても興味なしでした。

 

かく言う私も若い頃はそんなもんでした。

 

年を取ると変わりますね。

 

 

 

前にご紹介した梅の続きです。

5月13日の姿で、接いだ穂の結果が出た姿です

 

 

 

黄色丸の穂は芽が出ませんでした。

 

どうしても必要な穂であれば、

翌年に接ぎ直さないといけませんが、

今回は接ぎ直さなくても問題ないので

成功した穂のみで進めて行きます。

 

伸びている芽が更に伸びてから、

接ぎ穂の部分まで切って立て替えます。

 

 

 

 

5月中旬頃の姿。

 

立て替えてから針金を掛けるのに

適期になった姿です。

 

 

 

 

枝の断面が赤いですよね。

 

赤花の梅は断面が赤く、

白花は白く、

枝先の断面も同じです。

 

そこまで拘る事はないのですが、

赤花を接ぐ場合は赤花の台木にするとより良く、

白花の場合も同じ事が言えます。

 

 

 

実際に植え付ける角度にしてから、

針金で姿整します。

 

 

 

 

針金を巻いただけの状態。

 

針金を巻くにあたっての注意点と致しまして、

穂の太さに対して適切な太さの針金ではなく、

太めの針金を使用します。

 

この穂はコケ順が良くなる様に、

伸ばして太らせないといけません。

 

その事を見越して太めの針金を選択します。

 

出来るだけ長い間針金を掛けた状態にしておきたい事と、

穂が伸びると風の影響を受けやすくなり、

良い角度で姿整しても、

角度が変わってしまう事があるので、

風の影響が軽減されるように太めの針金を使用します。

 

太めの針金を使用しても

穂が長くなると風に煽られるので

その場合は添え木で補強します。

 

 

 

穂に対して太めの針金を巻くと言っても

中々難しい作業になります。

 

徒長した穂は柔らかいので

巻くテクニックが要求される上に

穂に対して適切な太さよりも

太めの針金を使用しないといけないとなると尚更難問です。

 

穂を捩じってしまったり、

針金と穂の間に大きな隙を作ってしまいがちで、

穂が捩じれると枯れる原因にもなりますし、

大きな隙が出来ると針金が利かなくなってしまいます。

 

 

 

枝が沢山ある完成木の姿整と違って

種木の姿整は

必要最小限の穂で作って行くので、

穂が枯れてしまうと木が枯れる事になります。

 

 

 

穂を伸ばして太らせる事から

通常とは違う注意点があります。

 

葉の茎の元に芽がある訳ですが、

その芽の際に針金を巻かない様にする事です。

 

針金を巻いた直後では、

その芽にかかっていなくても、

際に巻き過ぎると太った時に

芽が押しつぶされてしまう事があるからです。

 

 

 

 

姿整後。

 

梅の徒長芽は折れやすいので注意が必要です。

 

 

 

頭芯になる穂と

利き枝になる穂です。

 

この状態で適切な太さになるまで待ち、

穂が長くなって風に煽られる様であれば添え木をして

針金が6割程度食い込むまで置いておきます。

 

 

続きは次回。