中国席巻、風力も太陽光も 技術でも先行 | shuuei太陽光発電

shuuei太陽光発電

太陽のめぐみをありがたくいただく。
太陽光発電の日記です。

中国席巻、風力も太陽光も 技術でも先行
エネルギーバトル(1)

2019/8/13   日本経済新聞 電子版
 
 

 習氏が重点分野に

中国企業が再生エネで存在感を高めている。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、中国では2018年までの10年間で風力の発電容量が22倍、太陽光は700倍弱に急拡大した。世界全体で風力が5倍、太陽光が33倍になったけん引役だ。水力を合わせた世界の再生エネで中国の割合は18年に30%と、2位の米国(10%)に大差をつけている。

背景には習近平(シー・ジンピン)最高指導部がハイテク産業育成策「中国製造2025」で再生エネを重点分野に位置づけていることがある。中国は伸びる電力需要を火力発電でまかなうと、大気汚染が深刻になりかねない。このため発電に占める風力と太陽光を合わせた比率を18年の1割弱から、30年には3割弱に上げることを目指す。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」でもクリーンエネルギー技術の輸出を打ち出し、新興国で大型案件を受注する。海外市場も見据えた急速な再生エネへの移行は、米国との貿易の対立の源流ともなった。

中国・上海の郊外。直線で約250キロメートルの間にシリコンの部材やガラス、ケーブルなどを作る企業が集まる「太陽光パネルベルト」がある。ここにあるロンジソーラーは世界6位だが、日本の需要の7割をまかなえる巨大工場を持つ。中国製のパネルは日本製より3~5割安く、17年の世界シェアは71%。かつて首位だった日本は2%だ。

「米国の太陽光パネル産業が消えかけている」。トランプ米政権は18年1月、中国製を念頭にセーフガード(緊急輸入制限)を発動した。米国では16年まで4年間の輸入急増でパネル価格が6割下がり、米最大手のファーストソーラーは連結最終赤字に陥っていた。

だが、世界の太陽光発電は中国なしでは成り立たない。18年7月にセーフガードを発動したインドには東南アジアにある中国企業の工場からパネルが流れ込む。「海外に販路を広げてきたことが奏功した」。世界最大手、ジンコソーラーの銭晶副会長はこう話す。