植治の庭
写真集です。
この本は、三渓園のブログ記事を書いたときに、コメントしていただいた方に知り合いの写真家で三渓園の写真を撮った本があると教えてもらったので、ついでに同じその写真家(田畑みなおさん)の「植治の庭」も借りたのです。
植治とは、ご存じの方にはとても有名な明治時代の庭師 七代目小川治兵衛のことで、名庭園を多く作った方ということで有名です。
で、先週の日本工業倶楽部での建築講義のときに、京都工芸繊維大の矢ケ崎さんと、京都造形大の尼崎さんが京数寄屋について講演したわけですが、その尼崎正博さんが「植治の庭」の編者だったわけです。ちょっとびっくり。
それから、矢ケ崎准教授も 2~3日前に録画で撮っておいたBSの番組「百年名家」で、南禅寺周辺の別荘地帯。特に「對龍山荘」を中心に現地を説明した回を見ましたが、その案内人ということで、出てました。
あれあれ、ほぼ同じ時期に、生講演の方々を違うメディアでみると、へ~と感じるものですね。笑。
もっとも、その筋の専門家というのはそうたくさんいるわけではなく、この本は1990年の出版ですが、編者は尼崎さんですが、矢ケ崎さんもまだ大学での地位が助教でしたが、この本にも名を連ねていました。
番組で説明付で「對龍山荘」(普段は非公開)を見たあとに、写真集で再確認しました。
やはりただ写真集で見るだけと、動画を併せて見るのでは、理解のしかたが大分違いますねぇ~。
ほんと、小川治兵衛の庭はすごいです。
東京でも、古河庭園の庭は植治の作品です。
この本の写真を探していたら、松岡正剛氏もこの本の評論を書いてました。
http://1000ya.isis.ne.jp/0556.html
その中で彼が下記のように書いて残念がっています。
『ところでこの20年ほど、デザイン科の学生やプロのデザイナーたちに、これまで何度も植治の話をしてきたのだが、そのたびにがっくりしてきたことがある。
なんと誰一人として植治のことを知らなかったのである。
これはよろしくない。片山東熊、菱田春草、泉鏡花とともに植治は語られるべきなのだ。』
確かに、そういう才能を持った作庭家だと思います。